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志望校を考える視点

さて、2014年度に向けて、この入試を振り返りながら志望校について考えてみたいと思います。

中学受験生の減少は続いていますが、だからといって上位校が簡単になったか、といえばそうではありません。

例えば話をシンプルにするために、2月1日の男子校について考えてみましょう。

四谷大塚にしても、日能研にしてもトップ3校は、同じで、開成、麻布、駒場東邦です。

この合格人数は今年、開成387名、麻布 384名、駒場東邦281名なので合計1052名です。

2月1日にどのくらいの受験生がいたかを考えると、今年は38000人ぐらい。男女合計ですから、その半分19000人とすると
この1052名は5.6%にあたります。

2日の栄光、聖光、3日の国立という上位校を考えると、この2倍が上位層とすると11.2%。約2000名。

偏差値でいえば、偏差値62以上ということになります。(ちなみに5.6%だと66弱。四谷の3校の80%偏差値が65、日能研のR4が68。)

この層に入るというのはなかなか大変です。どの塾でもこういう層に対する名称があって、いろいろ記号がついています。例えばこの記号をAとすれば、
「Aにいないと、御三家は難しい。」
「A下2クラスまでじゃないと、受けてはいけない。」
みたいな言われ方をするわけです。

統計的に見れば、これはおおむね正しいと言えるでしょう。入試は1回の試験ですが、塾の組み分け試験というのは複数回、月一度行われているので、ある意味入試よりも子どもの力を捉えている、ということは言えると思います。

ただ、入試は一発勝負なので、僅差の勝負の中では入れ替わりがあります。今年もいくつかの逆転劇があったでしょう。

しかし、合格者の顔ぶれを考えると、やはり合格者はこのAの中にいることが多いわけです。

塾に通えば、このAがどういう存在なのか、子どもたちが一番よく知っているでしょう。で、Aの子どもたちはやはり力がある。今はなかなか実名が出てきませんが、昔はそうではなかった。中学受験も高校受験も大学受験も成績優秀者は実名で出てきたので、中学受験のときの成績優秀者がまた大学受験の成績優秀者で良く出てきたものです。だから学年通じて有名人がいました。

もちろんこぼれていった名前があり、新たに加わった名前もあるわけですが。

で、その層にいるか、いないか、ということで現実的に志望校は考えていくべきでしょう

つまりAに入っておらず、上位校にこだわりがないのであればそこから目を離してみるべきなのです。すると、もっといい学校が見つかったりする。

上位校に入っておらずとも、最近伸びてきている学校がいくらでもあります。実際に駒場東邦はそのトップと言ってもいいでしょう。

忘れてならないのは、子どもに良い環境を与えるために、中学受験をするのだ、という目的です。

子どもがAに入っていないのであれば、まだ先先伸びなければいけない。とすれば、伸ばしてくれる学校でないといけないのです。

トップ校というのは子どもが自分でいろいろなことをしないといけない。あくまで自立して自分で考え、自分で行動できないといけないわけです。それを求められるし、それができる子が入らないとあとが大変になります。

実際に自分で勉強しなければ、やはりできるようにはならない。つまり、まだ不十分なわけだから、そこを鍛えてくれる学校を考えないといけないのです。

早稲田や慶應のような大学付属校の場合も同じです。入ってしまえはエスカレーターですが、中で多少のふるいはかかるので、勉強しない子は放校になります。つまり、中である程度やっていく力がなければ、入ることはあまり子どもにとってプラスにはならない。

狙っても充分ではない、とすれば、当然、先先に充分になるような教育環境を考えないといけない。それは、どこか?

そうやって考えるとなかなか魅力的な学校があるのです。

当然、6年生の夏休みまではカリキュラムもあるし、毎月組み分け試験があるので、その上位を狙ってがんばる、ということは必要でしょう。しかし、上位のメンバーはなかなかタフです。そう落ちてくれるものではない。

新6年生は、いよいよ受験学年になったわけですが、志望校対策を考えると夏休みまでには第一志望はしぼらないといけない。だとすれば、いったいどこにするのか、家庭の教育方針や学校説明会の内容、文化祭や体育祭などの体験を通じて、しっかり考えてください。

たまたま上位校に入ってもそこでついていけなければ、しんどい6年間になります。

教育は先があるのだから、我が子が伸びる環境はどこかを考えることは、お父さん、お母さんの大事な役割です。

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