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合格して成功する子

私が最初に出した本の題名は
「中学受験、合格して失敗する子、不合格でも成功する子」
というので、結構長い題名でした。

編集の段階で、この題名を担当の編集者にお話しすると、「いいじゃないですか。」ということで一発で決まったのですが、この題名はずっと温めていたものでした。

普通、合格すれば成功する、と思われがちですが、そうは問屋が卸さない。

長い時間受験勉強をしてきた分、「よし、遊ぶぞー」というので一気に遊びはじめ、親も合格したから「ま、いいか」ということになって、その後遊び癖がついてしまう。

そして入学後もそれが治らない。実際に僅差で合格した子どもたちですから、最初はほぼ一線に並んでいるのだけれど、勉強しない、ということになればどんどん離されていく。

結果として、学校の成績が悪い。なんとなく居心地が悪くなる。それでもまだクラブ活動などをしていればいいが、それもないとすれば、本当に時間を持て余す。持て余すのだけれど、いろいろな遊びに時間が消えて行って、やがて親が学校に呼び出される、というような事態になるのです。

せっかく合格したのに…。

でも、実はそういう子どもたちが意外に多いのです。

では合格して成功する子はいないのか?

もちろん、います。

油断することなく、自分でコツコツ勉強し、しかし、別にがり勉というわけでもなく、クラブ活動もやって、塾に行くわけでもなく、成績のいい子。

やはり出来が違うのよね?

いえ、そんなに本当は変わりはないはずです。ただ

やらなければいけないと思うことは必ずやりきる

子ではあるのです。

クラブ活動で時間がないのなら、「電車の中でやるか」とか、「授業中になるべく理解してしまおう」とか、そういう工夫をして時間を上手に使っていくタイプ。

進学校の勉強はもちろんある程度難しいし、しかも通学時間もかかるし、クラブ活動もあるから、結構本当に中学生は忙しいのです。だから、それなりに時間の使い方を工夫して、やるべきことはちゃんとやらないとついていけなくなる可能性は高いのです。

受験期間が長くなって、試験が終わると解放感がより強くなっている分、さらに危険が増しています。

私は、合否とは別に中学受験でこの「やらなければいけないと思うことは必ずやりきる」力が身についていれば、どの学校に行っても心配ない、と思っています。

だから不合格でも成功する子が生まれるわけです。これは別にこの後身についても遅いということはありません。

どんな子も、あるいはどんな大人も、何かを成し遂げようとするときは、やはり多少なりとも我慢をしつつ、「やらなければいけないことをやりきる」ことが必要でしょう。

でもやりきれれば、成長していくし、また次の道が開けてくるわけで、最初に合格、がつこうが、不合格が、つこうが、大丈夫、なのです。

中学受験、合格して失敗する子、不合格でも成功する子
クリエーター情報なし
株式会社 邦学館


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