吉田修一作「悪人」読み終わりました。
おもしろかったですね。一気に読んじゃいました。でも、最後はちょっとぼやけたような、それでいてすっきりしたような・・・、読者自身に考えさせる終わり方でした。いろんなとりかたがあると言う感じで・・・。
結局誰が「悪人」だったのか・・・、殺人を犯した男はその事実においてはもちろん「悪人」なのでしょうが、果たしてそれだけで片付けていいのか。被害者を置き去りにした大学生、老人をだまして強引に契約させる健康食品会社、犯人の家族を執拗に追い詰めるマスコミ、出会い系サイト・・・、それぞれに悪人の要素が詰まっているように感じました。
どんなことも見方を変えれば善にもなり悪にもあります。新聞やテレビで放送されているたくさんの事柄も、裏を返せば善でもあり悪でもある・・・。
そんなことをいろいろ考えさせられる一冊でした。映画もちょっと気になりますが、テレビで放送されてからでいいかな・・・。