ガイド日誌 - 北海道美瑛町「ガイドの山小屋」

北海道美瑛町美馬牛から、美瑛の四季、自転車、北国の生活
私自身の長距離自転車旅
冬は山岳ガイドの現場をお伝えします。

男の仕事 男道を行く インバーカーギル ニュージーランド南島自転車の旅

2019年11月18日 | 自転車の旅 海外
インバーカーギルだ。
定宿がある。
野郎。
それは男道。

野郎。
それは、男の宿。

男の宿で
男の仕事。それは針仕事。

まずは、お股。
OK!

次のお股行こう!
俺のお股は危なく崩壊寸前だった。

裂けかけた尻を縫う。
糸が足りなくなり、色を変えたり縫い方を変えてなんとか最後まで縫う。
お尻、
OK!

もう少しで裂けるところだったな俺。

こちらは、もう一本の同じズボン。
同じものを2本持ってきた。チャリ中には短パンになり、普段は長パン。まことに旅チャリダー向きのトレッキングパンツなのだが、
この写真の一本は、
昨年の日本縦断自転車旅の途中で同じく股に穴があき、
兵庫の和田山の民宿で修理したのだ。

旅の重要装備は、
最新の機材ではない。
最も重要な装備は、
『ソーイング・セット』だ。

長くハードな旅では色んなものが痛む。
それを都度修理しながら旅を続ける。

アウトドアマンは、裁縫が命。

断言するぞ。
もっとも重要な装備は、
『ソーイングセット』

旅の夜、
男ひとり、
黙って針仕事なのだ。

これは案外と本気でそう思う。

荒いことを言うようだが、
やばい奥地で大怪我をしたとき、
どうやって傷を塞ぐ?

縫うに決まってる。
死ぬよりマシだ。

そんな究極の時というのは、
ある日突然、
案外と容易く、
やってくるものだと俺は思う。

幼い時のことだが、
外科医だった俺の父は、
俺が怪我をしたとき、家にある縫針で
麻酔もしないで傷口をさっさと縫ってしまった。
(本当は釣り針みたいなやつでやるそうだが。)
それは不思議と大して痛くなかったし、
傷はそれでOKだったのだ。

ソーイングセット。大切だ。

さて。
次。
アウトドアマンは腹ペコだ。
何か食わんと死ぬ。

肉だ。肉!
肉!
野郎の宿で肉を焼き、食す。
男の宿には男の台所がある。
自由に使えるキッチンで、豪快に肉を焼くのだ。

ワクワクするだろ?
Tボーンステーキが安かったから
買ってきた。
1キロ1000円+税。

Tボーンステーキとは、
サーロイン、ヒレ肉、分離前の
T型の骨の周囲にはサーロインandヒレ肉が合体という、
まことにありがたい部位なのである。

もう、興奮半端ない。ハアハアハア…
しかし、あと一歩及ばす、
1キロ完食はならなかった。
(翌朝食べた)

町を歩いていたら、
日本料理屋を発見。
同じ店をティマルでも見たのであまり期待はしないけど、
やはり気になる。

UDONに、
目がテン。
それにしても高っ!!

注文してるし!

めっちゃ繁盛していた。
ちなみに店員は韓国人のようで、日本語は一切通じない。

天ぷらうどん、のはずが、
鍋焼きうどん。の味。
ツユは※「お約束どおり」甘辛い。笑
ちょっと違?
だけど、それはそれ。
大変うまかった。

※ニュージーランドあるある、なのだ。甘辛くしたらキウイに受けるので、なんでも甘辛くて日本の味?って感じになっている。

隣はアジア食品店だった。
綺麗な東南アジア出身の女性が店主をしていた。

ここで、「シマヤかつをだし」を発見。
購入。
貴重品だ。

ところで、
俺の好きな人物のひとりに、
バート マンロー
というインバーカーギル出身のニュージーランド人がいる。

マンロー67歳のとき、近所の子供と話した言葉と言われている。以下

「忘れるな。夢を追わない人間は野菜と同じだ」
「どんな野菜?」と、子供。
「さあな キャベツだ そう キャベツだ」と、マンロー。

今年もマンローの博物館?にやってきた。
市内のホームセンターの店内に無造作に展示してある。

本物。実物。

映画『世界最速のインディアン』のロケ用に製作されたレプリカ。これが映画の撮影で走った。

マンローが手塩にかけたマシン実物。
ボルト、ネジの一本一本を手で締めたはずだ。

このネジも、間違いなく
マンローが手締めしたに違いない。
まだ温もりが残っている気がする。

晴れた!

と思ったら、夕立が通り過ぎていった。

インバーカーギルの天気は滅茶苦茶だ。
晴→雨→晴→大風→雨→雨→晴→大風→
みたいに、繰り返しやってくる。

チャリダー泣かせだ。

きょうの買い物。
「シマヤかつをだしの素」が何より嬉しい。

別のアジア食品店で買ったウドン。
韓国製。
生生。いいね!

早速、作ってみる。


なまなま、いや、
なかなかヤルな!

味は、最初から七味唐辛子入れちゃった感じではあるものの、
かなり「うどん」だ。
しかも関西風。

やはり、
韓国製と台湾製は信頼できるなと、
思いを強くするチャリダーであった。

てゆうか、
どんだけ「うどん」好きなんだよ俺。






南緯46度強風地帯はチャリダー泣かせ ダニーデンからインバーカーギルへ ニュージーランド南島自転車の旅

2019年11月18日 | 自転車の旅 海外


南緯46度を越えた。
ダニーデンは南緯45.86だったのだが、
モスギルを経て南に向かって走るうちにいつの間にか南緯46度に突入していた。


ブログが遅れて滞る一方だし、
「長文でくどい!」との苦情もあるので、今回はサクッと済まそう。

この区間のレポートは、
このブログのカテゴリー
「自転車の旅 海外」の中にある
「ニュージーランド」で過去から何本か見つかるはず。
毎回同じようなことを書いているから、
参考にしてください。(情報を必要としてる人だけ)

補足。クルマの人!
やたら警察多いから注意。パトカーには前後にレーダーが付いていて、すれ違いでも捕まるから。

モスギルを出たら、サウスランド地方。
ニュージーランドの最南端地域になる。

全地球的に見ても人が居住するかなり南の地域に位置し、
実際に、最南端の町「インバーカーギル」
(南部ではスコットランド訛りが激しいのでインバーカーゴと発音する)
には、世界最南端の◯◯がいくつもある。

世界最南端のスタバ
世界最南端のマクドナルド
世界最南端のバーガーキング
世界最南端のサブウェイ
世界最南端の日本料理店

など。
どうでも良さそうな世界最南端がいっぱいだ。

いや、南米チリの「プンタアレナス」(南緯53度)が最南端でしょ?
いやいや、マゼラン海峡を挟んで向かいのフエゴ島にある「ウシュアイア」が最南端でしょ?

いや。
そこには、スタバもマクドナルドもないんです。だからインバーカーゴに。
すみません。(なんで謝ってんだろ俺)

実際、どうでもいい。
まあしかし、
面白そうだろ?

とりあえず南に向かおう。


目立った峠もなく快適に走る。


俺を見て逃げ出す羊。


どこまで逃げる?
そんなにキモイかな俺?


数十キロごとに小さな町。


クルーサ川に架かる橋。
バルクルーサ


バルクルーサ近くで、
古いガイド仲間(北海道富良野でラフティング会社を経営している)とばったり遭遇。
地球は狭いな。


この季節は菜の花を至るところで見かける。


牛は見た!


円陣を組む牛。


強風地帯に突入。


サウスランド地方は天気も滅茶苦茶だ。


雨にやられた。


クリントン。(町の名前)


ゴア近く。(町の名前)
天気めちゃくちゃ。


風、強い。


悲惨。


もう無理。
チャリダー泣かせのサウスランド地方なのだ。