ガイド日誌 - 北海道美瑛町「ガイドの山小屋」

北海道美瑛町美馬牛から、美瑛の四季、自転車、北国の生活
私自身の長距離自転車旅
冬は山岳ガイドの現場をお伝えします。

いやらしい目線で歩くゾ クイーンズタウン ニュージーランド南島自転車の旅

2019年11月27日 | 自転車の旅 海外


カネと利権、欲望と夢
いろいろ入り乱れてゴチャゴチャな町
国際リゾート・クイーンズタウンにようこそ!


クイーンズタウンは、
いつもよりひっそりしていて、
拍子抜けした。


明らかに町に人が少ない。

みな、口々に「変だね」という。
ある人は、嵐の前の静けさだといい、
ある人は、景気の曲がり角だといい、
結局は、

静かでいいね!
10年前みたいじゃん!

ということでまとまる感じ。


みんな、
どこかのんびりしている。


あの行列ができる人気店にはさすがに行列があるものの、待ち時間は30分以内ってとこ。
行かないけど。


だからといって日本語は通じない。
一方で、
中国語のインフォメーションは至るところで見かける。中国語専門の案内所まである。
この20年で、
日中の立場は見事にひっくり返った。


湖畔の道路に面したすごい坂。
ダニーデンにあるギネス世界一の坂など、
糞食らえ。笑
あれより凄い坂などニュージーランド内には至るところにある。


俺が借りているアパートからは、
対岸との間を忙しく行き来する
蒸気貨客船TSSアーンスローがよく見える。


1912年(明治45年)建造
ダニーデンで完全に分解され、部品となって、
鉄道で内陸部の山岳地帯にあるワカティプ湖の南端、キングストン村まで運ばれた。
ワカティプ湖畔の急ごしらえのドッグで再び組み立てられた。


数々の数奇な運命ののち、現在に至る。
観光クルーズ船と誤解されがちだが、
今もれっきとした現役の貨客船である。


そういうオシャレな観光四方山話はさておき、俺は、

いやらしい目線で、
町を歩く。


同業者が気になって仕方がない。


話しを聞いたり、店内を「盗撮?」したり、

ま、その分野はいいだろ。
仕事の話はつまらんからね。


滞在中は、
基本、自炊。


自分たちでやったほうが美味しい。

毎日、誰かと会い、
メシを食い、
かつ呑み、
忙しい。


みんな大好きマヌカハニー
昔からスーパーで普通に売ってるけど、
高いよ。
10年前の3倍くらい。もっとかな?


日本では、
NZで見たことないようなマヌカハニーが数多く出回っていて、全く信用ならない。
俺は、実際にNZで昔から(注目される前から)売られている銘柄しか買わない。

自然食品とか健康食品の業者ほど怪しく胡散臭いものはないだろ。
ああいうタイプの「欲望の塊」は苦手だ。


クイーンズタウンに来て何日か過ぎると、
徐々に町に人が増えてきた。
あの店も1時間待ちくらいになってきた。

もちろん、
俺たちは違うところに行く。

湖畔の雑多なエリアにある倉庫?
に来た。
初めてだ。


ガレージの中で自家製ビールを製造して、
直売もしている。

いいねー。


ああ!ここの人たち、
滑り屋だ!


絶対そうだろ 笑
急に親しみが湧く。


日本酒『全黒』※の瓶に黒ビールを注いでもらう俺の兄弟。
兄弟はガイド業の傍ら、全黒の蔵元で働いている。
だから話が弾むみたいだ。


全黒が真っ黒。



真っ黒けっけ。

真っ黒けっけを飲んでいたら、近所に住む「えいちゃん」が遊びにきた。
2軍だった「えいちゃん」も今では勤務する店の共同経営者になった。
もう立派な、アカウント・エグゼプティブだ。

でも俺たちにとっては、
えいちゃんは、永遠に「えいちゃん」なのだ。

最後の日本酒『全黒』を飲み干すべく、
遅くまで語り合った。


楽しい時間はあっという間に過ぎていく。

6日目の朝、俺は欲望の町クイーンズタウンをひっそり後にした。


※日本酒『全黒』
ニュージーランド・クイーンズタウンの蔵元。
年々品質を上げ、今や国際的な賞を受賞するまでになった。
大使館主催のレセプションに出されるまでになる。
今年の吟醸酒、無濾過生吟醸・樽ナンバー43は絶品中の絶品。
土佐の坂本龍馬もびっくり。