ぐらのにっき

主に趣味のことを好き勝手に書き綴っています。「指輪物語」とトールキンの著作に関してはネタバレの配慮を一切していません。

サンタクロースからの手紙

2004年04月07日 | 旧指輪日記
昨日届いた「サンタクロースからの手紙」の原書を、「或る伝記」の年表と照らし合わせながらざっと読んで、トールキンの子供たちが何歳くらいまでサンタクロースを信じていたのかを検証してみました(笑)
長男のジョンは、他の兄弟よりは少し早め?で、9歳くらいにはもうサンタクロースに手紙を書かなくなっていたようです。長子の宿命ですよね、早めにサンタの真実を知ってしまうのは・・・。
手紙に「ジョンは手紙をくれなかったね。きっと忙しいんだろう」みたいなことが書いてあってちょっとうるっと来ました。
更に、ジョンへのプレゼントは北極グマが選んだとか書いてあって、「北極グマは、自分はジョンの気に入るプレゼントが分ると言っている。なぜって、ジョンはクマが好きだからだそうだ」なーんて書いてあって思わず落涙(笑)こんなところからもトールキンのストーリーテラーとしての才能を感じますね・・・
マイケルもクリストファーも13歳で卒業?したもよう。そして末娘のプリシラは、やはり13歳でサンタクロースに手紙を書かなくなったようで、14歳の時の手紙が最後の手紙になっていたようです。
特にプリシラへの最後の手紙が、どういう状況で書かれたのかなあと興味津々です。プリシラはもうサンタクロースが父親だったと知っていた状況で書いたんだろうか、とか。邦訳版にも出ていますが、「でも、わしはあんたたちのことを忘れはしないよ。わしはいつも古い友達からの手紙を取っておいて、いつかその子供たちのところに行く日が来るのを待っているんだよ」というようなことが書いてあって、また泣かせるのですが、トールキン自身が我が子たちの子供時代へのお別れのためにこの最後の手紙を書きたかったのかな、とも思わせますね。
それにしても、邦訳版では子供たちの名前も出ていなくて、最後の手紙もプリシラにしか宛てていないはずなのにyouを「あんたがた」と訳していたり、「トールキンが自分の子供たちに書いた手紙」というよりは、一般的なサンタクロースの手紙の絵本にしようとしたのではないかと思いました。
そうですよね、今でこそトールキンも少しメジャーになったかもしれませんが、一般的なクリスマス絵本にしておいた方が、トールキンのファンだけが買うマニアックな絵本にするよりも売りようがあるような気がしますしね。(でもそれを言ったら「ビルボの別れの歌」はどうなるんでしょうかね・・・(汗))
コメント
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