ぐらのにっき

主に趣味のことを好き勝手に書き綴っています。「指輪物語」とトールキンの著作に関してはネタバレの配慮を一切していません。

落下の王国(ネタバレ)

2008年11月08日 | 映画
コドモのコドモを観に行った時、チラシを見て面白そう、と思って観に行ってみました。
最近、微妙な邦題が多くてどうなんだろう、というケースが多い・・・というかほとんどだったりするのですが(汗)これも原題のThe Fallになぜか「王国」がついているのが不評のようですね。
確かに映画を観たら、王国は変だな・・・と思いましたが、タイトルに「王国」がついてなかったら、この映画見る気になったかどうか。ファンタジー好きな人を引き寄せる効果はあったと思いますね。(だからふさわしい邦題かどうかはまた別ですが)
しかし、面白そうなのにあまり評判になっていないので、実はそれほどでもないのかな? という不安はありましたが。「パンズ・ラビリンス」なんて評判がすごかったですもんね。
まあ、レディースデーということを差し引いても、満員ではありましたが。
実際に見てみて、確かに「パンズ・ラビリンス」ほどのインパクトはなかったですね。
映像は美しかったけど、物語的に意外とカタルシスがなかったというか・・・いやしみじみとはしたんですけど。
ロイとアレクサンドリアが作った物語も、案外にフツーというか・・・引き込まれるほどの魅力はなかったですね。いや、映像は良かったんですけど。
まあ、そもそも適当に作ってる話なんだから、そんなにものすごく面白いわけもないと言えばないんですが。
終盤の、アレクサンドリアが変えた物語のラストも、あまりにもありがちというか普通というか・・・まあ悪くはないんですが、カタルシスはなかったですね。たとえばパンズ・ラビリンスのような・・・
映像もきれいだったし、いい表現もあったんですが。泳ぐ象とか、口から鳥が飛んで行くのとか。
物語の中の登場人物が現実の登場人物だったりとか、入れ歯を「力の源」だとか言っていたら物語の中を「霊者」の口から入れ歯が出てきたりとか・・・
途中から物語の中にアレクサンドリアが登場するのも好きでしたね。袋の中から小さな山賊が登場した時はワクワクしてしまいました。
そんなこんなで結構良かった面もあったのですが、最後のカタルシスに劇中劇の物語があまり関係してなかったというか。結局は現実のアレクサンドリアの思いがロイを動かしたのであって、物語のせいじゃないじゃん、というあたりが、ファンタジー好きにはちょっと物足りなかったかな。
このあたり、ファンタジーへの造詣の深さ如何が出たかなーと。
でもまあ、CGに頼らずに美しい映像を作ったあたりはさすがでした。どのシーンもそのまま抜き取って絵にできるような美しさで。もうちょっと大きい画面で見たかったな・・・
世界遺産の建造物を舞台にして撮っていたのですが、さすがにタージ・マハルとか万里の長城はどうかなーと思いましたが、知らないところも多かったので(汗)結構自然に見られました。
現実の世界の時代背景がよくわからなかったのですが・・・サイレント映画の時代のロスアンゼルス・・・1920年代? もっと前かな?
アレクサンドリアが何人なのかもよくわからず・・・(汗)移民のようですが、農園を持っていたりして、経済的には成功している?
それが原因で父親は暴動?で殺されたようですが、残された家族も依然としてオレンジ農園をやっていたりして・・・なんだか背景がよくわかりませんでした。まあ、そんなのを詳しく説明されても・・・でしたけど。
最初、父親が死んでると知って、もしや天涯孤独なのでは・・・(パコみたいに)と心配してしまいましたが、母親がお見舞いに来ていてちょっとホッとしました(笑)
アレクサンドリアはロイを慕っていましたが、物語の中でも「パパ、パパ」と呼んでましたが、父親の代わりのように思っていたんだな・・・というのがほろっとします。
最後の上映会で、物語の登場人物たちが現実の姿で集結しているのも良かった。
退院したアレクサンドリアが、おじいさんの入れ歯をオレンジに入れたり、インド人の使用人が物語の中の姿そのままの笑顔でいたり、なんてあたりもじわっとしました。
アレクサンドリアは映画の中に出てくるスタントたちをロイだと信じていて、何回も観たりしているのがいじらしくも悲しかったですね。ロイは二度とスタントはできないはずですから・・・
ロイはアレクサンドリアのために生きる気力を取り戻したけれど、その後どうしているのかは描かれず、アレクサンドリアの姿だけを出したのは良かったなあと思いました。
最初と最後に流れた音楽が印象的で、聞いているうちになんだかベートーヴェンっぽいなあ・・・と思ったら、ベト7の2楽章だったんですね。結局サントラの中でこのベト7の2楽章が一番良かったです。
最後は、ベト7に乗せて、サイレント映画でスタントたちが落下する映像が次々と映し出されるのも良かったです。
最初は、入院している女の子というシチュエーションが「パコと魔法の絵本」ともかぶるかな、と思ったんですが、映画への愛という点で、「僕らのミライへ逆回転」もちょっと入ってたなあ、と観終わってから思いました。

というわけで今年見た映画の順位。
1.イースタン・プロミス / 2.ミラクル7号 / 3.宮廷画家ゴヤは見た / 4.マイ・ブルーベリー・ナイツ / 5.グーグーだって猫である / 6.西の魔女が死んだ / 7.ナルニア国物語第二章 カスピアン王子の角笛 / 8.落下の王国 / 9.スウィーニー・トッド / 10.転々 / 11.TOKYO! / 12.僕らのミライへ逆回転 / 13.コドモのコドモ / 14.パコと魔法の絵本 / 15.コレラの時代の愛 / 16.エリザベス ゴールデン・エイジ / 17.あぁ、結婚生活 / 18.ライラの冒険 黄金の羅針盤 / 19.奈緒子 / 20.L Change the World / 21.クリストファー・リーとフランク・ザッパのこわがることをおぼえようと旅に出た男 / 22.ティム・バートンのアラジンと魔法のランプ / 23.スターウォーズ クローンウォーズ / 24.デトロイト・メタル・シティ / 25.20世紀少年 / 26.マゴリアムおじさんの不思議なおもちゃ屋 / 27.カンフーくん / 28.フランシス・フォード・コッポラのリップ・ヴァン・ウィンクル / 29.ポストマン / 30.ミック・ジャガーのナイチンゲール
評価のわりには高順位・・・やっぱり映像が素晴らしいし、完成度は高かったですね。
記念すべき今年30本目だったんだなあ。(2本立て2回を4本とカウントしてるけど)
今年はこれまでの人生で一番映画たくさん観てますね。

あと、今年中に観に行く映画のリスト。
公開中 「崖の上のポニョ」「夢のまにまに」(鑑賞済み)「ブロードウェイ♪ブロードウェイ コーラスラインにかける夢」「ブーリン家の姉妹」「レッドクリフpart1」
12月公開 「アラトリステ」
大分少なくなって来ましたが、まだ5本もある・・・(アラトリステは多分来年になりそうですが)いつもだったらそろそろ今年の映画の総括してしまったりしてたのですが、今年は結構ギリギリになるかも・・・
コメント
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