ぐらのにっき

主に趣味のことを好き勝手に書き綴っています。「指輪物語」とトールキンの著作に関してはネタバレの配慮を一切していません。

Mitsuko~愛は国境を超えて/Frank & Friends

2010年04月11日 | ミュージカル・演劇
どういう経緯でやることになったのかわからないけど、作曲家のフランク・ワイルドホーンをフィーチャーしたコンサートに行ってきました。
1幕がワイルドホーン作曲のミュージカル「Mitsuko~愛は国境を超えて」のダイジェスト版、2幕がワイルドホーンのミュージカルナンバーを出演者が歌う、というコンサート。
実はマテ・カマラスさんが出るというので行ってみたんですが・・・マテさん予想外に出番が少なくてちょっとがっかり。歌うナンバーも普通にミュージカルって感じで、もっとロックなマテさんを観たかったな・・・
でも、「Mitsuko」がなかなか良かったので、行ってみてよかったかなーと。
この「Mitsuko」、何年か前にウィーンで一路真輝さん主演で試演されたというのは聴いていましたが、今頃見られるとは・・・と思ったら来年正式に舞台版やるんですねえ。
物語は日本初の国際結婚をしたという女性、クーデンホーフ光子の話・・・なんですが、なかなか話がよくできてるなあと思いました。
いや、このところ脚本もっとなんとかならなかったのか? というミュージカルを観ることが多かったので・・・M.A.とかパイレートクイーンとか・・・
最初は光子が主人公、なのですが、語り手として光子の次男のリヒャルトがずっと出ているのですが、途中からリヒャルトが主人公に変わっていくんですね。
両親から結婚を反対された光子が自分の息子たちの結婚には反対したり、とかの構成も上手かったし(まあありがちかもしれないけど)、早逝した光子の夫でありリヒャルトの父であるハインリヒの存在も、後から上手く使ってましたね。
何より上手いと思ったのは、国際結婚から始まった、人に違いはない、という考え方が、第二次大戦とホロコーストにまで広げていたところですかね。それで途中から主人公がリヒャルトに代わるのですが。時代性も取り込んで、上手い作り方だなあと思いましたね。というか、他のミュージカルもこういう風に作れないのか? とも思いましたが・・・
語り手のリヒャルトは後年の大人のリヒャルトなのですが、その語り手のリヒャルトがハインリヒの台詞を代弁したり、という演出もなかなか良かったですね。
マテさんがいることで、ドイツ語の歌詞も歌われたり、マテさんが日本語の歌を歌ったり、逆にリヒャルト訳の井上芳雄さんがドイツ語で歌ったり・・・というあたりも面白かったです。来年の舞台ではどうするのかな・・・
ドイツ語の曲には訳がスクリーンで出ていましたが、よくある舞台の両側に2行くらいずつしか出てこないやつではなく、なかなか読みやすかったです。
でも、私、常々音楽を聴いていれば歌われている内容はおおよそわかるから歌詞はそんなに聞こえなくてもいい、と言っているんですが、今回も、特に歌詞の内容細かくわからなくても問題ないなーと思いました。曲の中の歌詞で物語が動く場合は別ですけど、感情が高まって歌う場面では、大体何を歌うか事前にわかってますからねー。というわけで訳はほとんど見ませんでした。
あ、男性アンサンブルのレベルがやけに高かったですねー。佐山陽規さんとか。やけに上手い人がいる・・・とおもったらよく見たら中山昇さんでした。あれ、こんなに歌上手かったっけ!?
そんなわけで、なかなか面白い作品だと思いました。来年の舞台化が楽しみです。ダイジェストだったから良かった、なんてことになってないといいんですけど・・・

2幕のコンサートは、正直ワイルドホーン作品しかやらなかったので、あまり知ってる曲がなく(汗)作品的にもさほど好きな作品がなかったので、やや楽しめなかったかな・・・
でも、曲だけ聴いているとなかなかいい曲あるよな、と思ったりしました。「ルドルフ」とか作品としては全然面白くなかったんですが。
やっぱり、曲だけ良くても作品はよくならないし、逆に作品がよく出来ていると曲も良くなる(あるいは良く聞こえるのかも)ものだなあと思いました。「パイレートクイーン」なんか、「シェーンベルクなのに?」という感があったからなあ・・・あ、でもロイド=ウェバー作品には、話はなんだかなーだけど曲は素晴らしい、というのがあるけど。
せっかく井上芳雄くんとマテさんが出てるんだから、少し絡んで欲しかったなあ。Mitsukoでも絡む役どころではなかったし。「闇が広がる」なんかやる訳もないのはわかってましたけど・・・(でも一度聴いてみたいなあ、マテさんのトート×ヨッシールドルフ)

そんなわけで、特に一幕のMitsukoがなかなか良かったので、ちょっと行ってみてよかったかなあという感じでした。
Mitsukoは来年の舞台が本当に楽しみです。
コメント
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