ぐらのにっき

主に趣味のことを好き勝手に書き綴っています。「指輪物語」とトールキンの著作に関してはネタバレの配慮を一切していません。

さよなら、メイちゃん その1

2010年06月20日 | ペット
先日、実家の猫のメイが逝きました。ブログでもmixiでもTwitterでもプロフィール写真に使ってる子です。
17歳8ヶ月・・・もう十分生きたといえばまあそうなのですが。(あ、写真は7,8年前のですが。トップのも)
半年くらい闘病していたので、楽になって良かったね、という思いもあるし、正直ホッとした部分もなくはないのですが、やっぱり寂しいですね・・・
うちの犬猫はみんな長患いなんだよな・・・ある日突然亡くなってしまうのはショックですが、長いことだんだん弱っていくのを看取るのも辛いものがありますね。人間を看取るのよりはずっと楽だとは言え。
今日も実家に行ったら、リビングの窓のところからメイがお出迎えしてるんじゃないかと思ってしまって・・・(いつもお出迎えしてくれたわけではないけど(笑))
リビングに入ると、ついついメイの姿を捜してしまう・・・そんなに溺愛してかまってたわけじゃないのですが、部屋の中の風景のように、いるのが当たり前になってたんだなあと。ミネラルウォーターを飲んでると、メイがいたら欲しがって寄って来るだろうなあと思ったり・・・(人が飲んでる水とか花瓶に入った水が好きだった・・・)
そんなメイちゃんの思い出についてはその2で書くとして、今回はメイの病気の経過のことを書いておこうと思います。
病気のことがわかった時、積極的治療はしないで家で最後まで観てやろうと決めたのですが、あとどのくらい生きられるのか、最後はどんな状態になるのか知りたくてネットで検索したけれど、全然ヒットして来なくて・・・
ここに書いておくことで、いつかどなたかのお役に立てることもあるかなと思って、書き残しておこうと思います。

病名は、おそらく鼻腔内腫瘍でした。おそらく、というのはちゃんと検査はしなかったので・・・
大学病院でCT検査をするにしても、全身麻酔しなければならないし、放射線治療するにもいちいち全身麻酔しなければならないらしいし、手術でも完全に切除するのは難しいらしいし・・・
17歳という年齢から、何回も全身麻酔するのは体力的にも厳しそうだし、経済的にも厳しいものがあったので、ちゃんと検査して治療するのはやめたのでした。病気治してくれていると理解できない犬猫にとって、病院での治療を続けるのもストレスだと思ったし・・・
最初に飼ってた猫が腎臓を悪くした時に、少しでも生きていて欲しくて、無理に治療してかわいそうな思いをさせたので、なるべくストレスを与えないで看取ってやりたいと・・・
もっと若かったら、違う選択をしたかもしれないですが。
しかし、腎臓を悪くしないようにドライフードばかり与え、外にも出さずに育ててきて、おそらく内臓は異常なかったと思うし、歯もきれいで、全然歯槽膿漏になっていなかったのですが・・・腫瘍では防ぎようがないですね・・・
歳を取ると免疫が落ちて、癌になりやすくなるんだと、獣医さんも言っていましたが・・・

最初に症状らしきものが出てきたのは昨年の10月頃でした。もともとくしゃみは結構していたのですが、くしゃみがどんどんひどくなり、30連発、40連発くらいのくしゃみをするようになったのでした。
そのうちの透明な鼻水が出てくるようになったのですが、その鼻水に血が混じるようになりました。
この時点でネット等で調べて、鼻腫瘍の可能性もあると知りました。猫は(犬も)人間のように簡単に鼻血が出るようにはなっていないので、鼻血が出たらかなり深刻な病気を覚悟しなければならないということも・・・
でも、鼻をぶつけた等で傷がついて出血する場合もあるというし、鼻炎でくしゃみがひどくて出血ということもないことはないようでした。血が黒っぽい血ならほぼ腫瘍だけれど、傷の場合は鮮血だということで、この時は鮮血だったので、少し様子を見るか・・・ということになりました。
ただ、鼻水が出るのが左側の鼻からだけだったので、腫瘍の可能性も高いという覚悟はしていましたが・・・
が、血の量はどんどん増えていき、そのうちに鼻水というよりも鼻汁のような膿のような黄色いものが出るようになり、ついに目からも逆流して出てくるようになって、ついに病院に連れて行きました。12月上旬でした。
病院では、真っ先に鼻の腫瘍の可能性があると言われ、鼻に腫瘍ができた犬のレントゲン写真を見せてもらいました。
ネットで調べて知っていたとおり、猫はなかなか鼻血は出ないので、鼻血が出たら結構深刻なのだということも聞きました。
ただ、ウィルスに感染している可能性や、いわゆる風邪のようなものの可能性もあるというので、とりあえず抗生物質を2週間分もらって様子を見る、ということになりました。それでよくならなければ、腫瘍を疑って大学病院で検査をすることになったのでしょう。
でも、様子を見ても治らないようなら、治療はしないで家で看取ってやろう、とこの時決めていたので、それきり病院には連れて行きませんでした。

で、抗生物質の薬を飲ませ、目薬もさしていたところ・・・
薬が効いたのか、たまたま症状が治まったのか、鼻血も鼻水も出てこなくなったのでした。
これで治ったとは思っていませんでしたが、それでも楽そうになってホッとしました。
今まで具合が悪かった分、体が楽になって嬉しかったのか、すっかり元気になって走り回ってましたね。

しかしそれも長くは続かず、1月半ばにはまた鼻水と鼻血が出るようになりました。
だんだん出血量が増え、また目からも出血するようになり・・・
ついにはどろっとした黒っぽい血が鼻からも目からも出るようになりました。目は左目だけですが、鼻は右側からも少し出るように・・・
3月半ばには、出血がひどくなり、目から出た血が固まってくっついて、左目が開かなくなってしまいました。まあ固まった血をこそき取れば開いたんですが・・・
本人(猫?)は片目でも気にしていないようで、血の塊を取ろうとすると嫌がるのでなかなか取れなかったのですが、血だらけで片目で、鼻からも鼻血がでていて、かなり壮絶な姿に・・・
鼻の下も血がこびりついてかなり悲惨な姿だったのですが、鼻を拭かれるのもいやがるのでなかなか拭けず・・・
そのうちについにぐったりして来て、えさも食べなくなりました。
猫は匂いがわからないとエサを食べなくなってしまうそうで、ついにその状態になったのかと・・・

そして、ぐったりとして動かなくなって来たので、いよいよかと覚悟しかけたのですが・・・
ある日、ダメもとで口元に大好物だったカツオを差し出したら・・・突然むさぼるように食べ始めたのでした。まあそんなに量は食べられませんでしたけど。
そして案の定その晩食べたものを全て吐いてしまい、更にひどい下痢をしていたそうです。トイレで1回したもののその後も何回もしたらしく、トイレ周辺が大変なことになっていたそうです・・・

が、その日を境に、エサが食べられるようになったのでした。そのうちにカツオでなくてもいつものドライフードも食べるように。
どうやら鼻と目からの出血が止まったようでした。今回は薬は全く与えてないので、出血が止まった理由は不明・・・単に腫瘍が小康状態になったのでしょうか。
今回も小康状態は1ヶ月くらい続きました。また元気になって、張り切って高いところに登ったり、2階に上がってベランダに出たりしていたようです。

今まで2匹の猫と犬を見取ってきて、特に猫の時に思ったのですが、猫って自分の体調の許す限り、ギリギリまで普段通りに生活しようとするんですよね。
この時も、調子が良くなったら、ちょっと前までは登れなかった高いところに嬉々として上ってました。
リビングの真ん中にあるソファーの背もたれの上に乗って、リビング全体が見えるところに陣取るのが好きだったんですよね・・・「見張ってる」と呼んでましたけど(笑)
晩年は見張りながら寝ちゃってましたけどね・・・(笑)
そして、なんだかすっかり甘ったれになって、しょっちゅうなでてもらいに寄ってきてましたね・・・

4月半ばにはまた出血が始まり、今度はもう小康状態にはなりませんでした。
どんどん出血と膿がひどくなり、左の鼻からも出るように・・・
それでも、体が動く限りは鼻から血を垂らしながら普段通りに生活しようとしてましたね。

5月半ばにはついに何も食べなくなりました。
水はまだ飲んだのですが。カツオを目の前に差し出しても、プイっと顔をそむけてしまって、決して食べようとしないんですね。
最初のうちは無理に口の中に放り込んだりしてました。口に入ればとりあえず飲み込むので・・・
でも、前の猫の時にも無理にエサを与えようとして苦しい思いをさせてしまったので、あまりに嫌がるようなら・・・と、最初のうちだけでした。
牛乳を注射器(の針がないやつ。前の猫の時にエサをあげるために病院でもらった)で流し込んだりもしましたが、これもそんなに長くはやりませんでした。そもそもそんなちょっぴりの牛乳で栄養が取れるはずもないですし。
で、水のみの生活が続いたのですが・・・水だけで結構生きられるもんですね・・・1ヶ月生きてましたから。
どんどん体力がなくなって、フラフラしながらも、結構亡くなる直前まで歩いてましたからね・・・
当然骨と皮だけになって、ちょっと骨格標本に皮がついてるような感じに・・・(汗)
看病は正直ちょっと楽になった部分もありました。食べていた頃は、時々吐いたりしていたのですが、何も食べてないから吐かないし、便もほとんど出なくて、一日1,2回おしっこをするだけだったので。亡くなる数日前までは自分でトイレに歩いて行ってましたし。
ただ、鼻と目からの出血はしんどそうだったし、すぐに固まってこびりついてしまうのになかなか拭かせてくれなくて、かなりひどい外見になってましたが。
弱ってフラフラなのに、上れるうちは頑張ってソファの背もたれの上にも上ってました。
甘ったれ度もupして、横になっていることが多くなりましたが、寝たまま、なでて欲しくて近くにいる人をじっと見るんですよね。なでるのをやめると、「もっとなでて」とじっと見つめられるという・・・
動けなくなってきて、なでてもらうのが唯一の娯楽になっていたのかもしれないし・・・人間だって病気の時はマッサージしてもらったら気持ちいいですからね。
動物は、病気になると誰かから攻撃されていると感じる、と聞いたことがありますが、助けて欲しかったのかもしれませんね・・・
誰もいないところに帰ってくると、フラフラなのに歩いてついて回って来たりもしてました。ちょうどこの頃祖父母の具合が悪く、母が不在がちだったので誰もいない時間帯が多くて、ちょっとかわいそうでしたね。

体力はどんどん衰え、高いところに登れなくなり、歩くのもトイレに行く時だけになり・・・
出血は、両鼻と右目から血がかなり出て、かさぶた状になって固まってしまうので、嫌がるのをスキをついて母が取ってました。
なぜか寝るときにしっぽの上に鼻を置いて眠るので、しっぽが血と鼻汁で固まってガビガビに・・・蒸しタオルで蒸らしてからコームでとかしてましたが、ブラシかけられるの大嫌いなので抵抗してましたね。
最後の方で、右目からの血まじりの涙が、右目の下の涙嚢?にたまって、頬袋みたいに膨らんでしまって、下まぶたの裏側が出てきてしまって目がふさがってしまいました。
そのうちに涙嚢から血があふれ出てきて、膨らみはなくなったのですが、涙腺のあたりで血が固まったのか、あるいは膿んでしまったのか、目頭が固まってしまい、目を閉じることができなくなってしまいました。そのまま亡くなった時も目が開いたままでしたね。

亡くなる数日前には、トイレに行った後歩けなくなってトイレがある洗面所の床に座り込んでいたそうです。
亡くなる4日前には後ろ足が全く立たなくなり、トイレにも行けなくなって、トイレシートを敷いた上に寝かせることに。
それでも頭だけは動かして、誰か来るたびに「なでて」と訴えていました。
そのうち頭もあまり起こせなくなり、自分で水が飲めなくなったので、注射器で飲ませてやりました。
両鼻からは透き通った膿のようなものが出続けるので、頭の下にもトイレシートを敷いてました。
亡くなる前日には頭も全く動かさなくなり、注射器でも水を飲まず、体も冷たくなって来ました。なでてやると暖かくなるのですが・・・
そして、翌日の明け方、ひっそりと冷たくなっていたそうです。

腫瘍の症状がひどくなる前に、栄養失調で衰弱死した方が楽なんじゃないか、とも思っていたのですが、結局腫瘍の症状もかなり進んでいたのでしょうね・・・
痛がらないのでわからなかったのですが、本当は痛かったのかな。鼻を拭こうとするとすごく嫌がってたから・・・(目は拭かせてくれてたのです。かさぶた取るのはいやがってたけど)
腫瘍の位置によっては、脳の方まで広がって、神経症状が出ることもあるそうですが、そこまでは行かなかったのでまだ良かったのかな。そう思いたいです。

亡くなった夜に実家に行ったら、生きているうちには拭かせてくれなかった鼻周辺もしっぽも母がきれいに拭いてやって、生きていた時よりもきれいになってました。

半年くらいの闘病生活、特に終盤の状態はなかなか厳しいものがありました。もう猫は飼わない、なんて妹も言ってました。
でも、時間が経つにつれて、辛い思い出よりも、楽しかった時の思い出だけが残るようになるんですよね。まえの2匹の時もそうでした。
考えてみれば17年8ヶ月のうちのたった半年だったんですよね、病気だったのは。

「トーマの心臓」で、トーマの残した詩の中に「人は二度死ぬという/一度目は肉体の死/二度目は周囲の人に忘れられる死」というような一節があるのですが、そういう意味では、私たち家族が生きている限り、彼女に二度目の死は来ないのかなーと。メイが家に来る前になくなった猫のことも、その後なくなった犬のグラのことも、今でもしょっちゅう思い出してますから。

今はまださすがに他の猫を飼う気にはなれませんが、しばらくしたら、きっとまた新しい子を迎えて、また楽しい思い出を増やして行くのかな、と思います。
メイちゃん、長い間お疲れ様。天国で大好きなカツオをたくさん食べられているといいなあ。
コメント (22)
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