ぐらのにっき

主に趣味のことを好き勝手に書き綴っています。「指輪物語」とトールキンの著作に関してはネタバレの配慮を一切していません。

アイーダ1回目

2010年04月29日 | ミュージカル・演劇
アイーダ、もともとあまり食指の動かない演目でして。ライオンキングでエルトン・ジョンの曲のミュージカルは好みじゃないなーとわかっていたし、実際に何かのコンサートで聴いたらやっぱりあまり好きな曲じゃなかったりとかで。
でも、ソング&ダンスでほのかさんがアムネリスのナンバーを歌ったとかで、そのうち来るかな・・・と思ったらついに来てしまったので(笑)行ってきました。
1回目とあるからには2回目も行く予定なのですが・・・(笑)
ほのかさんの四季の舞台、名古屋も福岡もタイミング悪く行けなかったのですが、東京ならパッと行けるのが嬉しい・・・(涙)

ヴェルディのオペラは観たことがないですが(というかオペラそのものを観たことがない・・・)、トーマス・マンの「魔の山」にちょっとアイーダが出て来るので、おおまかなあらすじは知っていたのですが。
観てみて、かなり話変えてるのでちょっとびっくり。まあオペラの筋もさほど詳しく知っていたわけではないですが。
まあ、オペラのベタな筋書き、しかも舞台は古代、という話を、現代でも共感を持って観られるようにしようとした努力はかいますが。
しかし、中途半端に現代的にしようとしてる感じが、私はどうも好きになれませんでした。
一番いけすかなかったのは、ゾーザーという悪人を設定することで、悪いのは全部ゾーザーだった・・・という安易なまとめ方をしていたところですね。
祖国への思いと愛に引き裂かれて・・・というあたりも、舞台が古代なだけになんだか違和感があったかなあ。どうも中途半端に現代的にしようとしている感が拭えなくて。
この舞台ではエチオピア=ヌビアが一方的に侵略された被害者、となってましたが、立場が違えば逆もあり得たはずで、そのあたりが一元的な世界になっていたのが残念というか物足りないというか・・・
って、多分こんなこと思ってる人ほとんどいないと思いますが(汗)まあ、娯楽作品としてはよくできている部類ではないかなーと思いました。パイレートクイーンとかMAとかルドルフとかと比べるとはるかにちゃんとしてたし(汗)ただ、私的には感動するにはちょっと話が単純すぎたなーという感じです。
ただ、アムネリスのキャラクターはなかなか良かったな、と思うのはほのかさん贔屓もあるのかもしれないけれど(汗)登場人物の中で一番現代人にも共感しやすいキャラクターだったかなと思いました。
ラストの、「皆いなくなって私は一人になる」というあたり、オリジナルのオペラには多分なかったと思いますが、オリジナルのストーリーからアムネリスの心境を上手く汲み取ってたなあと感心しました。ほのかさんの演技がまた良かったからなあ。
音楽は、思ったほど悪くはなかったし、時々いいかなーという曲もありましたが、やはり全体的にあまり好きじゃないかな・・・
あ、あと、ゾーザー軍団のダンスが・・・(汗)なんかすごく作品的にダンスが浮いてる気がして、笑っちゃいそうでした(汗)ダンスの技術はすごいと思うんだけど。なんかこういうの観てると、ミュージカルで突然踊りだすのになじめない、という人の気持ちわかるんだよなあ・・・
民族的な踊りとかは良かったと思うんですけどね・・・
照明とか、切り絵のような背景はとても綺麗でした。
そうそう、全体的に歌の上手いキャストが揃っていて、びっくりしました。だってウェストサイド-の時ひどかったんだもん・・・なんだ、上手い人いるんじゃん、と思ってしまった(汗)
と思ったけど、考えてみたらあの時のトニーは阿久津さんだったなあ・・・バーンスタインって難しいんだな、やっぱり(汗)

とまあ初見なので作品の感想を先に述べておきましたが。
キャストは、アイーダとラダメスは初演キャストの濱田めぐみさんと阿久津陽一郎さんで、なかなか貴重な組み合わせだったようです。
確かに二人ともすごく歌上手かったです。阿久津さんはウェストサイド-のトニーで見た時はもう一息、と思ったものですが、バーンスタインは難しいんですね、多分(汗)今回はすごく上手いなあと思いました。
濱田めぐみさんも噂どおり素晴らしかったです。思わずミス・サイゴンのキムとか観てみたいなーと思ってしまったり(汗・いやこれ以上キャスト増えなくていいですが)、エビータとかも良さそうだなあと思ったり。
しかし、どうもこのアイーダとラダメスのコンビ、今ひとつ感情移入できなかったんですね・・・なんか固いというか、二人とも意志堅固すぎて恋愛面で物足りないというか。
ふと、ラダメスのオリジナルキャストってアダム・パスカルだったんだよな・・・とアダムのラダメスを想像してみたのですが、アダムだったらもっと色気あったろうなあと。どうもラダメスにもアイーダにも恋するひたむきさが物足りなく感じました。
逆に、ヌビアの王女としての毅然としたところとか、エジプトの将軍らしいところはあったんだろうなあと思いますが。
あと、あの四季特有の発声のせいもあるかなあ・・・。あのゆっくりはっきりした言い方、なんか棒読みに聞こえてしまうんだなあ・・・濱田さんはそんなでもなかったんだけど。
ほのかさんもちょっとそれっぽい発声してましたが、ほのかさんはちゃんと感情乗せて喋れてたけどなあ。

で、ほのかさんのアムネリスですが。
最初からいきなり歌っていて、こんなに目立つ役だったなんて・・・とちょっと感動。
プロローグ終わって本編初登場のあたりのコミカルな演技は、ちょっとイタイかなーと思いましたが・・・(汗)でもあれが笑えるって人もいるみたいなんで良かったです(汗)
歌は文句なしでしたけどね。GENENRATIONSで観てた時はロックしてないなあ・・・と思ってましたが、四季の中で見るとすごくパワフルな歌い方に思えますね。いや実際パワフルですけど。
でも見せ場はやっぱり2幕ですねー。ラダメスとアイーダの密会を見てしまったあたりからの苦悩、ラストの苦悩と悲しみを乗り越えて女王になって行くあたの演技はさすがほのかさんというか、圧巻でした。
こんなに歌が多くて出番が多い役もひさしぶり・・・
四季に出演することには複雑な気持ちもあるんですが、(いつ出るのかが直前までわからないのがとりあえず困りますね・・・)東宝だと大きい役はもう元宝塚とか元四季の人とかしかできないから、いい役で観られるなら四季に出てくれてもいいかな、と思います。団員になられても困るけど。(ファンクラブとか作っちゃダメだから情報が全く絶たれてしまう・・・)

そんな訳で、作品としてはそんなに気に入ったわけではないんですが、ほのかさんは観る価値あり! なので、もう一回は行って来ようと思います。

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