ぐらのにっき

主に趣味のことを好き勝手に書き綴っています。「指輪物語」とトールキンの著作に関してはネタバレの配慮を一切していません。

ハーバー・リーガン(ネタバレ)

2010年09月25日 | ミュージカル・演劇
小林聡美さん主演でちょっと面白そうかな・・・でも行くほどではないかな、と思っていたところ、出演者をよく見たら美波ちゃんが入っていたので行くことにしました。
美波ちゃんはエレンディラで好きになったのですが。ちなみに私の好きな若手女優ベスト3は上野樹里、美波、吉高由里子、だったりしますが。あとちょっと下の代で大後寿々花ちゃん。余談でした。

普通の主婦が自分の人生について考える話なのかと思ったら、結構特殊な状況におかれてしまった人の話だったんですね・・・そのあたりちょっと共感しづらいものがなくもなかったですが、まあ普通の生活してたところにそういう状況になってしまったら・・・という話なんですかね。
全編ほぼハーバーと誰かの会話でできている作品です。ハーバーと上司の社長、夫、娘、近所の少年、看護士(いや遺体の処理をする人かな)、行きずりの男たち、母、と会話の相手が変わって行きます。
やっぱり母との会話や娘との会話が面白かったですね。
ハーバーが嫌いな母の造形が上手かったですねー。一般的には決して悪い人じゃないし、それなりに良いところもあるんだけど、母親としてはちょっと押し付けがましい感じが確かにしました。
木野花さん、足が長くてカッコいいお母さんでした。そして髪型のせいもあるかもだけど孫役の美波ちゃんとちょっと似ていて、実際「二人は似ている」という設定なので(見た目ではなくて性格だけど)なかなか上手い配役だと思いました。
母に反発した後、今度は娘に母として反発されるというシチュエーションも上手いなあと。
美波ちゃんは母に反発する娘を熱演してましたが、父と母が話す場面で心配そうに観ていて、本当は心の優しい子なんだな・・・という役作りが美波ちゃんらしかったかなあ。

舞台の真ん中に立方体の横長の大きなブロックのセットがあって、回転しながら橋の上の階段になったり、ハーバーの家の居間?になったり、ただの壁になったりするのですが、結構大きくて、かなりの圧迫感・・・そのあたりも追い詰められたハーバーたちの心境を表していたのでしょうが。
それにしても真ん中がデッドスペースすぎる・・・と思っていたら、ラストにブロックが上に持ち上げられて、色鮮やかな緑の庭が出現。なかなかのインパクトでした。
そんな色鮮やかな庭の中のテーブルで朝食を摂りながら、妻は浮気を告白し、夫は未来の家族の妄想を語る・・・多分ハーバーは職を失い、夫は職につける見込みがなく、娘は新しい土地になじめず孤立している上に大学に進学するための借金が返せないかもしれないという、これからどうするんだ、という状況の中で・・・
そして庭園のセットはぐるぐる回りだし、娘は父の話を聞きながら頭をかかえ・・・
絶望的な状況なのか、それとも家族の再生が始まる兆しなのか、鮮やかな緑の庭園のセットがぐるぐる回る中、そんなことを感じさせられました。なかなかインパクトのあるラストだったと思います。

そう言えば2役やってるキャストが多かったんですが、夫と浮気相手を同じ人がやるのはどうなんだろう・・・しかも見た目ほとんど見分けつかなくて、最初夫が出てきたのかと思っちゃいましたよ・・・
美波ちゃんは台詞かんだりとか、台詞まわしはあんまり上手くないかも、という場面はありましたが(でもこの日は結構他の人もかんでた)、やっぱり気持ちの入り方がいいですねー。
少年トビアス役他の間宮祥太朗さんが透明感ある演技でなかなか良かったです。特にハーバーの母の夫の下で働く「頭に鉄板が入った」少年が良かったかな。

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