昨日行って来ました。
うん、なかなか素晴らしい舞台だったと思います。
やっぱり演出がいちばん重要だよなあと思いました。見に行く舞台は演出家で選ぶべきだよなあ・・・
この作品、ブレヒトの「三文オペラ」の原作にあたる、世界最古のミュージカル、なのだそうです。
残念ながら三文オペラを見たことがないのでわからないのですが、少し「三文オペラ」とは違うそうです。うーん、前に蜷川版でやった時観とけばよかったなあ。
ストーリーはものすごく良くできている、とは思わなかったし、音楽も、大合唱になると迫力がありましたが、ソロナンバーは特に魅力を感じず・・・
チェレスタ風のキーボードを使った、ルネサンス風?な感じなのは面白いと思いましたが。
そんな作品ですが、演出がとにかく素晴らしくて、とても見ごたえのある舞台でした。さすがジョン・ケアード、というところですね。
開演前から舞台にキャストが出てきて、ステージ上の座席の人たちに話しかけたり、大道具を運ばせたり???(多分あれ客だったと思うんですが・・・)箒で掃除をさせたり、とかさせておいてリラックスした雰囲気。
乞食芝居が一日だけ劇場を借り切って公演をするという設定で、その劇中劇としてマクヒースたちの物語が演じられるという構成です。
乞食役者たちがわらわらと現れる様は、やっぱりレミゼを連想させる感じでしたね。さすがの迫力でしたけど。照明もレミゼっぽかったかなあ。とても綺麗でした。
そうそう、オケピットが舞台上にあって、オケの人たちも皆当時の衣装を来ていました。一応楽団の人たちという設定なんですね。女性のスカートがかわいかったです。
バンマスでキーボードを弾いていた山口也さんが舞台に出てきて握手してたり、壜から何か飲みながら、飲んだくれている演技をしてたり、なんてやってて面白かったです。
舞台両脇にはボックス席があって、基本的に舞台に出ていないキャストのうち何人かが座って観ていました。乞食芝居の役者としての役柄で見ているのかな? でもポリー役の笹本玲奈さんが座ってた時は、ルーシーとマクヒースのやりとりをじーっと睨んでましたけど・・・
このボックス席のひとつに、2幕だけ観客が二人座ったのですが、舞台脇席の人だったのかな? いつのまにか来ていたのであれ、と思いましたが。途中ウッチー演じるマクヒースが席に入ってきて・・・なんてサービス?もありました(笑)
カーテンコールも、役者さん本人というよりは乞食芝居の役者、という感じでやっていかたな? そういうのもなかなか面白かったです。
劇中劇というと「ラ・マンチャの男」を思い出しますが、現実の方には登場人物の名前もなく、現実に戻るタイミングもずっと少ないので、またちょっと違う感じではあります。
この、たまに現実に戻るあたりで、脚本家役&フィルチ役の橋本さとしさんが利いてましたね~。見事な配役でした。
高島兄は、ルキーニと全く同じ演技でございましたね・・・(汗)
森公美子さんはビーチャム夫人もテナルディエ夫人とは全く被らなかったし、後半出てきた老娼婦の元締めもおかしかったし、良かったです。娼婦の元締め、ダース・モールみたいなメイクだったなあ・・・(笑)
看守のロキットの村井国夫はさすが、という感じでした。なんかやっぱり歌ってるよりも台詞で演技してる方が上手いですねえ。
島田歌穂さんはすごい久しぶりでした! 客席で見たことはありましたが(笑)まだまだエポニーヌ行けそうな気もしましたが(笑)
高谷あゆみさんが、声だけ聞こえるなあと思っていたら、後半見事な存在感でした(笑)
アンサンブルの男性で、やけに歌の上手い人がいるけど誰? と思って後で見たら、原田優一くんでした。いやーもうすっかり大人ですねえ。小此木真理ちゃんと共に今後が楽しみです。
あ、劇場主の金田龍之介さんもいい味出してました(笑)最後のよぼよぼ加減がまた・・・(笑)
で、キャストでは最後にあえてしましたが(笑)ウッチーのマクヒース、カッコ良かった(笑)
歌は上手いというほどではないですが、それでもちゃんと歌に感情込められてたので、ホントに上手くなったなあと感心しました。でもジャベールの方が上手かったということは、実はジャベールの歌って簡単なのかな・・・?
カッコ良かったし、終盤の牢獄の場面なんかはさすがの演技で、適役だなあと思いました。
そうそう、幕間にアンサンブルの人たちが客席を回って来るのですが、2階席は川本昭彦さんが来て、いろいろ喋った後、「望遠鏡をお持ちの皆さん(望遠鏡じゃないと思うが・・・(汗))にご注意を申し上げます。マクヒースばっかり観ないように」なーんて言ってました(笑)でも観ちゃいますが(笑)
全体的におどけた雰囲気で進みますが、死刑囚の留置場の場面でいきなりリアルな迫力に・・・。死を目前にした人々のの恐怖がリアルに迫ってきました。
最後はどう纏めるのかなあと思ったら、劇場主の「オペラはハッピーエンドじゃなきゃ」の一言で、脚本家の意図は無視され、いきなり恩赦が出たことにして、首を吊られたマクヒースが復活、というどたばたなラストに。
しかも脚本家が泣きながらいなくなってしまったので、困った残りのキャストたちが適当に歌えや踊れのラストに(笑)ステージ席のお客さんも巻き込んで楽しそうなダンスに、会場中からも手拍子が起きました。
脚本家が入って出て行く前に、「この物語は、上流階級も下層階級もやってることは同じだということをあらわしているのです」と解説していたのは、普通だったら「説明しすぎ・・・」と思うところですが、全体的にエンターテイメントな雰囲気になっていたので、あれくらいで丁度良かったかも。
それとも、その風刺の精神すら風刺している、ということなのかな。
というわけでなかなか楽しめたし、素晴らしい舞台だと思ったのですが、なんかひっかかるんだよなあ・・・
この作品、風刺の意味合いが強い作品だと思うのですが、それを商業主義の典型のような大手の東宝がやって、ソールドアウトになってるっていうのが・・・
ジョン・ケアードがロンドンで以前公演した時にはロングランはしなかったようなんですが、東宝が見事にネームバリューで満員にしましたね~。「レミゼのジョン・ケアードの演出」と、ミュージカル界の手堅い役者で。
まあ、満員になるだけの価値はある舞台だったとは思うので、良かったんではないかと思うのですが、何かが違うような・・・という違和感はぬぐえません。
真面目にコツコツオリジナルミュージカル作っているところの作品よりもはるかに出来が良かったのもまた事実。お金ないとできないこともあるもんなあ・・・
そして、ちょっと前まで東宝がよくやってた、アイドルが主演のしょーもないブロードウェーミュージカルよりは遥かに良かったのもまた事実。
進歩はしているけど、まだまだ日本のミュージカルも混沌の中にあるなあ、なんてこともつらつらと考えてしまいました。
うん、なかなか素晴らしい舞台だったと思います。
やっぱり演出がいちばん重要だよなあと思いました。見に行く舞台は演出家で選ぶべきだよなあ・・・
この作品、ブレヒトの「三文オペラ」の原作にあたる、世界最古のミュージカル、なのだそうです。
残念ながら三文オペラを見たことがないのでわからないのですが、少し「三文オペラ」とは違うそうです。うーん、前に蜷川版でやった時観とけばよかったなあ。
ストーリーはものすごく良くできている、とは思わなかったし、音楽も、大合唱になると迫力がありましたが、ソロナンバーは特に魅力を感じず・・・
チェレスタ風のキーボードを使った、ルネサンス風?な感じなのは面白いと思いましたが。
そんな作品ですが、演出がとにかく素晴らしくて、とても見ごたえのある舞台でした。さすがジョン・ケアード、というところですね。
開演前から舞台にキャストが出てきて、ステージ上の座席の人たちに話しかけたり、大道具を運ばせたり???(多分あれ客だったと思うんですが・・・)箒で掃除をさせたり、とかさせておいてリラックスした雰囲気。
乞食芝居が一日だけ劇場を借り切って公演をするという設定で、その劇中劇としてマクヒースたちの物語が演じられるという構成です。
乞食役者たちがわらわらと現れる様は、やっぱりレミゼを連想させる感じでしたね。さすがの迫力でしたけど。照明もレミゼっぽかったかなあ。とても綺麗でした。
そうそう、オケピットが舞台上にあって、オケの人たちも皆当時の衣装を来ていました。一応楽団の人たちという設定なんですね。女性のスカートがかわいかったです。
バンマスでキーボードを弾いていた山口也さんが舞台に出てきて握手してたり、壜から何か飲みながら、飲んだくれている演技をしてたり、なんてやってて面白かったです。
舞台両脇にはボックス席があって、基本的に舞台に出ていないキャストのうち何人かが座って観ていました。乞食芝居の役者としての役柄で見ているのかな? でもポリー役の笹本玲奈さんが座ってた時は、ルーシーとマクヒースのやりとりをじーっと睨んでましたけど・・・
このボックス席のひとつに、2幕だけ観客が二人座ったのですが、舞台脇席の人だったのかな? いつのまにか来ていたのであれ、と思いましたが。途中ウッチー演じるマクヒースが席に入ってきて・・・なんてサービス?もありました(笑)
カーテンコールも、役者さん本人というよりは乞食芝居の役者、という感じでやっていかたな? そういうのもなかなか面白かったです。
劇中劇というと「ラ・マンチャの男」を思い出しますが、現実の方には登場人物の名前もなく、現実に戻るタイミングもずっと少ないので、またちょっと違う感じではあります。
この、たまに現実に戻るあたりで、脚本家役&フィルチ役の橋本さとしさんが利いてましたね~。見事な配役でした。
高島兄は、ルキーニと全く同じ演技でございましたね・・・(汗)
森公美子さんはビーチャム夫人もテナルディエ夫人とは全く被らなかったし、後半出てきた老娼婦の元締めもおかしかったし、良かったです。娼婦の元締め、ダース・モールみたいなメイクだったなあ・・・(笑)
看守のロキットの村井国夫はさすが、という感じでした。なんかやっぱり歌ってるよりも台詞で演技してる方が上手いですねえ。
島田歌穂さんはすごい久しぶりでした! 客席で見たことはありましたが(笑)まだまだエポニーヌ行けそうな気もしましたが(笑)
高谷あゆみさんが、声だけ聞こえるなあと思っていたら、後半見事な存在感でした(笑)
アンサンブルの男性で、やけに歌の上手い人がいるけど誰? と思って後で見たら、原田優一くんでした。いやーもうすっかり大人ですねえ。小此木真理ちゃんと共に今後が楽しみです。
あ、劇場主の金田龍之介さんもいい味出してました(笑)最後のよぼよぼ加減がまた・・・(笑)
で、キャストでは最後にあえてしましたが(笑)ウッチーのマクヒース、カッコ良かった(笑)
歌は上手いというほどではないですが、それでもちゃんと歌に感情込められてたので、ホントに上手くなったなあと感心しました。でもジャベールの方が上手かったということは、実はジャベールの歌って簡単なのかな・・・?
カッコ良かったし、終盤の牢獄の場面なんかはさすがの演技で、適役だなあと思いました。
そうそう、幕間にアンサンブルの人たちが客席を回って来るのですが、2階席は川本昭彦さんが来て、いろいろ喋った後、「望遠鏡をお持ちの皆さん(望遠鏡じゃないと思うが・・・(汗))にご注意を申し上げます。マクヒースばっかり観ないように」なーんて言ってました(笑)でも観ちゃいますが(笑)
全体的におどけた雰囲気で進みますが、死刑囚の留置場の場面でいきなりリアルな迫力に・・・。死を目前にした人々のの恐怖がリアルに迫ってきました。
最後はどう纏めるのかなあと思ったら、劇場主の「オペラはハッピーエンドじゃなきゃ」の一言で、脚本家の意図は無視され、いきなり恩赦が出たことにして、首を吊られたマクヒースが復活、というどたばたなラストに。
しかも脚本家が泣きながらいなくなってしまったので、困った残りのキャストたちが適当に歌えや踊れのラストに(笑)ステージ席のお客さんも巻き込んで楽しそうなダンスに、会場中からも手拍子が起きました。
脚本家が入って出て行く前に、「この物語は、上流階級も下層階級もやってることは同じだということをあらわしているのです」と解説していたのは、普通だったら「説明しすぎ・・・」と思うところですが、全体的にエンターテイメントな雰囲気になっていたので、あれくらいで丁度良かったかも。
それとも、その風刺の精神すら風刺している、ということなのかな。
というわけでなかなか楽しめたし、素晴らしい舞台だと思ったのですが、なんかひっかかるんだよなあ・・・
この作品、風刺の意味合いが強い作品だと思うのですが、それを商業主義の典型のような大手の東宝がやって、ソールドアウトになってるっていうのが・・・
ジョン・ケアードがロンドンで以前公演した時にはロングランはしなかったようなんですが、東宝が見事にネームバリューで満員にしましたね~。「レミゼのジョン・ケアードの演出」と、ミュージカル界の手堅い役者で。
まあ、満員になるだけの価値はある舞台だったとは思うので、良かったんではないかと思うのですが、何かが違うような・・・という違和感はぬぐえません。
真面目にコツコツオリジナルミュージカル作っているところの作品よりもはるかに出来が良かったのもまた事実。お金ないとできないこともあるもんなあ・・・
そして、ちょっと前まで東宝がよくやってた、アイドルが主演のしょーもないブロードウェーミュージカルよりは遥かに良かったのもまた事実。
進歩はしているけど、まだまだ日本のミュージカルも混沌の中にあるなあ、なんてこともつらつらと考えてしまいました。
ステージ上の席は座ってみたかったな。こちらからもTBさせていただきますね。
この作品、もともとさほど面白くない(汗)話を演出で魅せているという点では宮本亜門演出の「キャンディード」や「太平洋序曲」と似たようなものがあるかな、とも思いました。特に「キャンディード」に・・・
でも、結構風刺の意味合いが強い物語を、ああいう楽しさが勝る演出でやっていることに違和感を感じたりもするんですが・・・「キャンディード」も似たようなものなのに、そうは思わなかったのですが・・・うーん。
でもまあ、楽しめたのは事実でした。