昨年、草思社が倒産、というニュースを聞いた時、「レモニー・スニケットあと1巻で終わるのに~!」とあせったものでした・・・(汗)
このままあと1冊を残して邦訳未完で終わるのか、と心配しつつ、いつ出るか・・・とちょくちょくチェックしていたのですが、私が忙しくなってチェックしなくなった10月に出ていたとは(笑)
というわけで、2月にようやく最終巻を読みました。
12巻までの展開で、一体あと1巻でどうやって謎が解かれるのか、決着が着くのか・・・と思っていましたが、冒頭からまた新しい展開が。今までの謎が集約されるべく、今まで出てきた人たちがどんどん出てきたりとか、舞台が最初の方に戻ったりとか、そういうのが全くなく、新たな13個目のエピソードが展開されて行くのにちょっとびっくり・・・
三姉弟妹の両親の過去らしきものがちらっと出ては来ますが・・・
で、結局謎はほとんど解明されませんでした! ええ~!(笑)
そして大団円でもないし。このあたり、訳者あとがきにもありましたが、ありきたりのハッピーエンドにはしない、と宣言していた作者の意思かもしれませんが・・・
物語には本当は始まりも終わりもない、物語の前にもできごとは続いているし、物語の後にも続いて行く、という考え方には納得もするのですが。
まあ、オラフ伯爵との追いかけっこには終止符が打たれましたけど・・・そういう意味ではこのシリーズが終わり、とは言えるかな。
なんだか煙に巻かれた気分にはなりますが・・・アメリカ本国での評判はどうだったのかな。
この13巻で書かれているテーマは、身近な人から与えられるストレス「ピア・プレッシャー」についてとか、文明が進化すると争いが起こるけれど、果たして文明を放棄すれば平和になるのか、それが正しいのか、という、結構重いテーマについても描かれてましたね。このあたりは深いかなと思いましたが。
まあともかく、13巻までようやく読み終えることができました。
ここまで訳して来られた宇佐川晶子さんに拍手。言葉遊びで笑わせるところの多い、難しい翻訳を絶妙に訳されていたと思います。特にサニーの台詞の訳し方が好きでした。
もうサニーに会えないと思うとちょっと寂しいかな。ま、寂しくなったら映画のかわいいサニーでも観て和むことにします(笑)
もう完結から4年近くになるんですねえ・・・懐かしいような寂しいような。
続編が出たりとかしないですかねえ。サニーのその後の成長を見てみたい気がします。