サントリーホール9.17のズービン・メータ指揮のウィーンフィル聴いてきました。初生ウィーンフィルです。チケット代A席さんまんえん・・・自分史上最高額チケットです(汗)
B席狙いだったのに抽選で外れて第二希望のA席になってしまったんですが。Sじゃなかっただけマシですが・・・
なんでこんなことになったかというと、昨年あたりから無性にバルトークのオケコンが聴きたくなってたんですが、そういう時にはなかなか演奏されなかったりして・・・
今年9月に読売日響でやると知って、それに行こうと思ってたのですが、ふとウィーンフィルでもやるということを知ってしまい、なんかオケコン気分が盛り上がっていたのか、どうせならウィーンフィルで・・・と思ってチケット買ってしまったんですね・・・ウィーンフィル、チケット代高すぎで今まで行こうと思ったことなかったんですが。
10月には都響でもやるオケコン。昨年は全然やってなかったのに、重なる時には重なるもんですね・・・
最初コンマスが女性でびっくり。ウィーンフィルもコンミスが登場するようになったんですね。2曲目はコンマス交代してましたが。
なんだか勝手にバルトークがトリだと思い込んでいたので、開演していきなりバルトークが始まって一人で勝手にびっくりしてしまいました(汗)プログラムにはちゃんと曲順書いてあったんですけどね・・・思い込みって怖い。
で、楽しみにしていたオケコンなんですが・・・うーん、期待しすぎ?(汗)
いや、やっぱりすごく上手いし、演奏には非の打ちどころがないし、特にどこが悪いって訳でもないんだけど・・・なんかあまり心を動かされなかったんですね。ピンと来なかったというか。オケコン的にも、ウィーンフィル的にも・・・
ちょっと気になって行った人の感想を覗いてみたんですが、なるほど、バルトークとしては上品な演奏で・・・ということで、バルトークさほど好きではない人には好評だったようです。
タングルウッドでボストン響のプロコフィエフを聴いてやっぱりピンと来なかったことがありましたが、やっぱりオケによって得意不得意ってあるんですね・・・
いや、私はもうちょっとアクの強い演奏が好きだなあ。ことバルトークに関しては。特にオケコンの1楽章は、(3楽章もだけど)激しい絶望感に胸を締め付けられるような感じが欲しかったですね・・・1楽章一番好きなんで。
トランペットのソロももうちょっと色気が欲しいかな・・・なんて思ったりして。
でもクラリネットは良かったなあ。
2楽章は、テンポ速めで、バルトークらしいおどけた雰囲気を抑え、ストイックな感じの演奏でした。かなり速いので管楽器のソロがかなり超絶技巧になってましたが、さらっと吹いていてさすがだなあと。
1楽章ではもっと色気が欲しいなんて思ってしまったトランペットでしたが、いやいや2楽章中盤の金管アンサンブルが素晴らしかった! ふわーっと溶け合うような柔らかい音色で、思わず夢の世界に連れ去られそうになってしまった(笑)今回一番素晴らしかった瞬間でした。
カーテンコールでもトランペットの二人とホルンのトップが真っ先に立たされてたもんなあ。いやほんと素晴らしかったです。
弦のピチカートの軽やかな揃いっぷりもさすがウィーンフィルという感じ。ハンガリーっぽさは薄めでしたが、華麗な感じで楽しめた2楽章でした。
3楽章以降の方が弦の素晴らしさが目立ってたかもしれません。3楽章のビオラだけのところとか良かったなあ。
というわけで、ちょっと物足りない部分もありつつも、さすがの演奏力で堪能させてくれました。さんまんえん出す価値があったかどうかは微妙ですが・・・(汗)
ベト7になると、コンマスも交代してましたが、管もほぼ総入れ替えになってたようでした。木管はベートーヴェンの方がトップの人かな?と思いましたが、金管は明らかに若い人になってましたねー。
ベト7、いやーこれぞウィーンフィル、という演奏でした。バルトークでピンと来なかったのが嘘のようにのびのびと演奏していたというか。ああ、確かにこれはテレビやCDで聴いていたウィーンフィルの音だな、と思いました(笑)
1楽章と4楽章はゆったりめで、非常にベートーヴェンらしい落ち着いた演奏、と思いました。いや、恥ずかしながらベト7ってのだめで初めて聴いたのですが、「ベートーヴェンらしくない曲だな」なんて思ったものですが、ちゃんと演奏すればやっぱりベートーヴェンなんですね・・・(苦笑)まあ学生の演奏ならああいうのもありかもしれませんが。ドラマのテーマ曲としてはかわいくて合ってたと思いますし。
2楽章は逆に速めの演奏。2楽章ってプログラムの解説によるとルネサンス時代のすり足の舞踏曲のリズムなんだそうですが(「亡き王女のためのパヴァーヌ」みたいな踊りですね)、速めなのですり足というよりは普通にダンスって感じの軽やかな演奏だったのですが、これがまた良かったですね。軽やかで華麗な演奏は、さすがウィーンフィルって感じでしょうか。
この2楽章は、「落下の王国」で使われていたのを聴いて、なんていい曲なんだ・・・と思ったんですが、今回の演奏も素晴らしかったです。軽やかでありながら、寂しげな情感もあって、感動しました。
やっぱりバルトークよりもベートーヴェンの方がウィーンフィルには合っているんですね・・・
ブラ4も聴きたかったな・・・もう1枚チケットを買う余裕はとてもじゃないけどありませんでしたが・・・
アンコールはヘルメスベルガーとヨハン・シュトラウスのポルカ2曲で、ベートーヴェンよりもさらに活き活きとした、これぞウィーンフィル! な演奏でした。なんでウィーンフィルのニューイヤーコンサートはヨハン・シュトラウスとかばっかなの? と思ってましたが、確かにウィーンフィルの演奏が一番活き活きする曲なんでしょうね。
でも、ウィンナワルツとかポルカとか全然好きじゃないので、いくら素晴らしい演奏でも大金はたいて聴きたいとは思わないかな・・・
というわけで、オケコンの2楽章の金管アンサンブルとかベト7の2楽章とか、感動したところもありましたが、さんまんえんの価値があったかというとやっぱり微妙だったかな・・・(汗)
まあ、ウィーンフィルの音を生で聴くことができて良かったということで。
しかし、ウィーンフィルを先に聴いてしまったらハードル上がっちゃうかな、と思ってた来月の都響のオケコン、そんなにハードル上がらなかったので(汗)結構楽しみになって来たかも。(2日前にあった読売日響のオケコンは評判良かったようです・・・)
クリーヴランド管のチャイ5で感動させてくれたアンドリュー・グラムス氏がどんな指揮をしてくれるのかも楽しみです。