角岸's blog (Kadogishi s' blog)

酒、酒&映画・・時事問題?

アイスクリーム充填

2011-10-25 17:05:43 | 乳製品
アイスクリームは加工食品の中で実に不思議な地位を占めています。
なんと「賞味期限」がない!んです。

なので、製造も不定期となります。
で、今日はたまたま、アイスの充填作業の日でした。

これは、前日作ったアイスクリームのミックス原液。
材料は生乳、生クリーム、卵、糖分。事前に殺菌し、4℃くらいに冷やしておいたものです。

氷らせる前のアイスの原液なんですが、某ホテルの仕入担当の人が味見したところ、
「これは、デザートのソースとして使えますよ!」だって。

これを、フリーザーにかけます。
つまり、原液を回転させながらフリージングするのですが、この作業でアイスに空気を入れていくわけです。
この、空気の含有率をオーバーランといいます。

空気が入れば入るほど、アイスの舌触りが軽くなり、我々のもうけ幅も上がるのですが、味に重厚さが無くなっていくんです。
かといって、オーバーランが低すぎると、べったりと重すぎるアイスになるんですよね。
ここの、オーバーランのかけ具合が難しいところです。

10分もすると

ソフトクリームのようなフワフワのアイスが出来上がるわけです。
オーバーラン15%といったところでしょうか。

で、アイスの自動充填機でカップづめしていきます。

このマシーンは、120ml入りのカップへ、きっちりアイスクリーム115ml充填し、アルミの蓋をする優れ物。
うちの工場1番のハイテクマシーンです。

ベルトコンベアーにのってきたアイスは、化粧用の上蓋をされます。
この先は、人力。おばちゃん二人で、せっせと蓋をします。ここはローテク。


ある一定の数量に達したら、-35℃の冷凍庫へ。急速冷凍します。


4時間たてば、出荷可能です。


飲むヨーグルト②

2011-10-25 11:35:47 | 乳製品
さて、ヨーグルトの基礎というか、根幹はやっぱり「乳酸菌」です。
新鮮な牛乳も大事な条件ですが、我々技術屋にとって「乳酸菌」培養こそ腕の見せどころというヤツです。

で、これがそれ。

詳しくは、説明できない(いわゆる企業秘密というヤツですな)のですが、ともかく手間暇かけて、この状態まで(?)培養します。写真だば、さっぱりわがらネ。栄養豆腐くらいの硬さになります。

前回、ご紹介した、「密閉式培養タンク」の牛乳は一度殺菌され、約40度まで冷やされます。


この、39度~41度の間が乳酸菌のもっとも増えやすい温度帯なわけです。


いよいよ、タンクの中に乳酸菌を投入します。


雑菌が中に入らぬよう、すばやく埴菌作業をおこないます。


この段階では、タンクの中はただただ甘いだけの牛乳のようなものです。
乳酸菌はその糖分をエサとして、どんどん増えていきます。
乳酸菌が増えると、当然酸っぱくなります。それに反比例して糖度は下がります

この、甘さと酸っぱさが、一番バランスの良いときに、40度培養を止めるわけです。

ここのバランスの見極めが一番難しい。何十年やっても緊張する作業です。
醗酵が進みすぎても(酸っぱすぎ)、醗酵が未熟(甘すぎ)でも廃棄せざるを得ないからです。

後は、タンクの温度を40度に維持し、ひたすら待ちます。