角岸's blog (Kadogishi s' blog)

酒、酒&映画・・時事問題?

香納諒一「深夜にいる」

2011-11-05 18:19:17 | ミステリー
短編が6編入って、それも様々な「香納ぶし」が楽しめるファンにはたまらない一冊です。

小説から・・・

「空の青さが目にしみた。とてつもない青さに思えた。
すぐ手を伸ばせば届くところに、雲がぽっかりと浮いている。」
(「道連れ」より)


カッケー!!


なんでも香納先生の初期のころの幻の短編集らしいです。
1997年に刊行されたらしいのですが、文庫本としては今年の夏に初めて出版されたとのこと。
小生も初めて読みましたが・・・・イイですね。ホント香納センセはうまい!

特に気に入ったのが3つ目の「水曜日の黙禱」とこの文庫本の表題にもなっている「深夜にいる」 。

「水曜日の黙禱」は久しぶりに仕事をする、二人の中年ヒットマンの話。
かっこ良すぎるハードボイルドです
無駄な、描写はしないが、すぐその人物像と周りの景色が見えてきそうな巧みな筆致。
殺し屋なのに人間っぽい(甘党で映画ファン)、二人の軽妙な会話。
コレ一編読むだけでも、買う価値のある本です。

「深夜にいる」はこの短編集の中で一番長いミステリーで、それだけに読み応えがあります。
NHK(小説では大日本放送)の深夜ラジオ番組の生放送中にかかってきた自殺予告の一本の電話。
しかも、本当に自殺してしまいます。その電話を放送中にとった老アナウンサーが真相を解明していくというもの。
すでに、サラリーマンとしてのアナウンサーを引退した老人の視点で描かれ、老夫婦の暮らしぶりや息子の就職の心配など、香納センセ(この時30代)も芸が達者だなあとうならされる一編です。

そのほかの、4遍も実にイイですよ。

従業員研修続報「原子力問題について」

2011-11-05 00:18:43 | 時事問題
さて、11月2日の職員研修は前々ご紹介したとおり、あえて、テーマを「原子力問題」として、県内関連施設を研修してまいりました。
で、小生の立場としては、これからは当然原子力発電は減少させる方向へ持って行くべきだし、そうせざるを得ないと思います。

しかし、それは今すぐ原子力発電所を止めるべきという意味ではありません。

あの、3月11日以降に、メディアで喋りまくる反原発評論家やら、反原発芸能人をみると、小林秀雄先生のあの有名な終戦直後の名言を思い出すんですよね。すなわち、

「頭のいい人はたんと反省するがいい。僕は馬鹿だから反省しない」

戦前戦中は態度をあやふやにしていたくせに、戦争に負けた途端、手のひらを返したように、 「私は日本が戦争に負けることは分かったいたんだ」自分を善人ぶってアピールしたエセ文化人に対する小林の言葉です。

分かっているなら、最初から言え!起きてしまってから最初から自分は分かっていたという顔をするなということでしょう

そういえば9月19日に東京明治公園で「さよなら原発!5万人集会」ってのがありました。
あれで、なんとか太郎って人が「原発が必要なら、反原発に6万人も集まるはずはありません!」って叫んでましたよね。で、実際何人集まったのか。こっからオモシロいのが・・・

●主催者発表:6万人!

●警察 発表:2万5千人!


どっちが本当なんだべか?
「5万人集会」開いたはいいけれど「6万人  集まった」というのと「2万5千人 しか 集まらなかった」と言うのとでは天と地ほどの違いがあります。

いづれにせよ、この集会に関して素朴な疑問は、反原発を叫ぶ人はまず、自ずから電力を使わない手本を示すべきです!
たとえば、会場での音響の電力は言うまでもありませんが、あれだけの人間を運ぶ電車の電力!会場でのビラ、集会者が利用する周辺のコンビニなどの小売等の関連電力消費を考慮しているのでしょうか?
しかも、登壇して演説する人の顔ぶれをみると、電力の恩恵に与ってきた人ばかりではありませんか!

繰り返しますが、将来的には原子力発電は減少させるべきでしょう。これが「脱原発」でしょう。

これに対して、今すぐ原発止めろってのが「反原発」です。
みなさんは、どっちが正解だと思います?

で、反原発の人は、以下の数々の疑問にはどうこたえるのでしょう。

1.なんとか太郎の「電力は足りているんです!」と叫ぶのはいいですが、アラブの独裁者から石油を買えば、原子力は要らないという考え方は他国の民衆が困っていても日本国民さえ良ければ良いと聞こえますがいかがでしょう。

2.中国、北朝鮮に残っている原子力発電所はどのように処理するのか?  まず第一に日本が止めたからといって止めるはずはない。
  次に大陸で原子力災害起きれば、一番日本が被害を被る。
  だとすれば、原子力技術の研究は引き続き行い、これらの国を啓蒙すべき。

3.自然エネルギーの具体的な実用化はいつか?  これが、最大の問題です。
  もちろん、一番研究費を割り当てる必要があるでしょうが、この研究に必要な電力も相当あるでしょう。

4. 六ヶ所村などの再処理施設のすでにある、核燃料あれ、どうするんですか?  
今、反原発だの言うのは一番ウケがいいし、もちろんそりゃそうなんでしょうが、何事も現実から出発するしかないのです。

ところで、ルーピー鳩山のCO2の25%削減はどうなったのでしょうか?