さて、巷ではISIS(いわゆるイスラム国)の日本人人質身代金要求問題で大騒ぎですが、本日はこれ(多少関連していて最後にはつながるはず)。
大晦日のサザンオールスターズの年越しライブにおいて、ボーカルの桑田さんが、天皇陛下から受勲された紫綬褒章をポケットから出して、「ハイ、5千円から!!」と会場でオークションにかけた問題。
まぁ、本人はシャレでやったんだと思いますが、当然批判の嵐。
「こんなことするなら、叙勲拒否すればよかった」
「陛下だけじゃなく、他の叙勲者たちに対しても失礼だ」 等々。
フツーにごもっともな意見。 世の中、やって良いことと、悪いことがあります。
我々より大先輩の分別盛りのイイ親父やることじゃぁありません。
これ、インターネットで騒ぎになったと言われてますが、年配の人ほど怒った方多かったのではないでしょうか?
事実、70歳超えるうちのおふくろもめちゃくちゃ怒ってましたからね。(ただ、ネットは使えない)
・・・で、桑田さん本人も「非常識でした」と謝罪。 おふざけが過ぎましたということでこれで終息のハズ。
しかし、しかしねぇ、これを変に曲解して詭弁弄する輩が出るんですよねぇ。
それが、この記事。
前半は普通にこの問題の事実を解説してるんですが・・・・
後半、急変しヘンテコな主張を展開。↓↓拡大
「一般の人たちが(ネットで)個人の表現の自由に圧力をかける側に回るようにようになった」(原文まま傍線小生)
と主張。で、藤田さんと言う人(誰?)の言葉を借り
「大アーティストのサザンが圧力に屈したような印象を与えたことは、表現活動に影響を与えるとの懸念を持っている」
(原文まま傍線小生)
・・・んだって。
えー?
あの、「紫綬褒章をオークションにかける悪ふざけ」って、桑田さんの表現活動だったんですか?
それが、サザンの観客に訴えたいパフォーマンスだとしたら、なんという悪趣味な表現活動でしょうか。
違うでしょう!! 彼らの表現活動の本質は、あの数々のすばらしい「歌」にこそあるはずです。
しかも、最後に別の音楽ライター(誰か名を明かさない)の言葉を借り、
「桑田さんには、平和や政治的なことを歌うトーンを下げてほしくない」(原文まま)
と、論を結んでいます。
????? だから・・・・・誰か桑田さんの歌に、抗議した人いましたっけ?
繰り返しますが、彼は「大人げない悪ふざけをして、(抗議をうけて)その非常識を詫びた」んでしょう。
決して、彼のパフォーマンスの真髄である「歌」そのもの対する、批判やまたそれに対する謝罪じゃありません。
誰が書いたか知りませんが、完全な「論のすり替え」であり、こういうのを「詭弁」と言うんです。
多少、現代文読解する能力のある方なら、すぐ見破れると思いますが、執筆者が物事の本質を曲解し、自分の都合の良いように論をすり替えして、自らの主張を展開するのは、まさに「朝日新聞」の「(原発)吉田所長調書」誤報道と根っこが同じと言えましょう。
(吉田所長をかばうようなふりをして、故人に大変な無礼をはたらいた)
自らの詭弁を正当化するために、サザンの桑田さんをかばうようなふりをして、大変な無礼をはたらいているところまで、そっくりです。
おそらく、「既存メデイア(表現者)へのネトウヨの圧力」という論点を展開したいがために、表現者を「自分」たちから「サザン」へすり替えし、抗議の対象を「悪ふざけ」から「歌」へすり替えし、詭弁(下手くそな詭弁をね)を展開したのだと思います。
しかし、まず今回の問題は冒頭でも書きましたが、抗議者であるインターネット利用者より小生の母みたいに年配の方々の憤りの方が強かったはずで、メディアに従事する者は、当然そこの「声なき声」へ思いがいかなければ、報道者失格と言えましょう。
また、記事の中にある「表現の自由」とは、そもそも一体どこまで、許されるのでしょうか?
小生は、あの例の襲撃を受けた「フランス紙」のイスラム教の「風刺画」が、ユーモアの一線を越えて破廉恥かつ悪趣味だと思いますし、当然イスラム教徒なら、怒って当然でしょう。(だからと言ってテロが良いって訳じゃないですよ)見よ!! この破廉恥な風刺画を
こんなのもあります。 宗教を、信仰の対象の神を冒涜する行為は「表現の自由」として許されるのでしょうか?
また、同紙が我が国の福島の原発問題を茶化した余りに酷い風刺画を発表し、日本政府が抗議したところ「ユーモアが解らない」と突っぱねた件を、この執筆者らはどう思うのでしょうか?
↓↓放射能汚染により腕や足が三本ある力士。リポーター「福島のおかげで相撲がオリンピック競技になった」と言っている。 なんという破廉恥かつ悪趣味でしょうか!! これがユーモア?
あのサザンの記事書いた人はこのフランス紙をみて、憤りを感じないのでしょうか?
これも「表現の自由だから、大いに結構」とでもいうのでしょうか?
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さて、最後に受験生の諸君に小生の愛読書を紹介します。
それがコレ。 中公新書
野崎昭弘 先生 著
「詭弁論理学」
これは、本当に面白い。
あの「男はつらいよ」の寅さんが詭弁論理の権威であることが良く解ります。
勉強の合間に是非一読を。
紹介した記事書いた人も良く読んだ方が良いと思いますよ。