アカデミー賞受賞の演技派路線を貫くと思われていたリーアム・ニーセンは、今やスタローンやシュワちゃんも真っ青な最強アクションスターへ変貌し、もうすっかり板についた感があります。
中でもこのリュック・ベンソン一家とタッグを組んだ「96時間」シリーズは彼の一番の当り役にして、事実めちゃくちゃ面白い。
と、いうわけでその完結編にあたる3作目が公開とあっていそいそと観てきました。
公式HP↓↓↓
http://www.foxmovies.jp/96hours/
せっかく2作目あたりから復縁しそうになっていた元ヨメが序盤いきなり、リーアム親父の家で殺害されます。で、嫌疑は彼にかかるのですが、うまく警察の追跡をかわし、リーアム親父は警察に追われつつ、真犯人を追うという展開に。
まさにヒッチコックの「北北西へ進路をとれ」のケイリー・グラント状態。「北北西―」は怪しい美女が犯人捜しをサポートしますが、本作では愛する娘がサポート。娘が味方
前2作は家族を拉致(Taken)したテロ組織を、CIA秘儀を駆使して皆殺しするお話しでしたが、今回はその真犯人そのものが解りません。
なので、シリーズ中ちょっと異色の作品に仕上がっています。監督は2作目のメガトン監督でさらにパワーアップしたド派手なアクションシーン満載なのですが、特徴である悪の「瞬殺」快感度は下がっています。まぁその分スリル感はアップしてるのですが、なんだかフツーのアクション映画になっちゃった感はあります。
また、ベンソンの脚本上も前2作はヨーロッパ(1話パリ、2話イスタンブール)を舞台に、孤独ながらリアルなスパイテクニックを駆使して、必殺仕事人みたいに一人また一人と悪をやっつけていく面白さがありましたが、今回はミステリー要素が加わったフーダニット(真犯人はだれか?)もの。
しかも、異国情緒たっぷりに米国人一人で奮闘という構図が、ホームのLAで元CIAのお仲間たちがサポートするから、ミッションインポッシブルみたい。
まぁ、面白いには違いないんですが、このシリーズじゃぁ無くても・・・・って感じですかね。
ただ特筆すべきは、この映画はシリーズ3作目ながら、前2作を観ていなくても全く問題なし!! わざわざ前2作をチェックしなくても、クリアにストーリーは理解できます。
まぁ、なんのかんのと言ったって、ただただひたすら楽しめることは請け合いです。
是非劇場へ!!
TOHOおいらせ フォーラム八戸 どっちでもやってます、今なら。
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で、もう一本。 「ゴーンガール」
公式HP↓↓↓
http://www.foxmovies-jp.com/gone-girl/
で、もう終わりそうな「ゴーンガール」。
実は昨年中に観ていたのですが、更新さぼっていたので、さらっと紹介。
こちらも、妻殺しの嫌疑をかけられた男の重厚なミステリー、どちらかと言えばサスペンスでしょうか。
米国の田舎(ミズーリ州)暮らしている、ダン(ベン・アフレック)は妹のバーで一杯ひっかけて家に帰ると、妻エイミー(ロザムンド・バイク)がいなくなっているワケ。で、なんだか争った形跡あります。
日本の失踪者を探すTV番組(テレビ公開捜査)みたいなのを利用して、視聴者に情報を求めていく夫ダンですが、メディアから逆に「妻殺し」の嫌疑をかけられ、あれよあれよと言う間に全米注目の悪者に仕立て上げられていくんですねぇ。
これが、この夫婦の二人の出会いからの軌跡(妻視点)がフラッシュバックで挿入されて、あの「ロス疑惑」っぽいミステリーの謎はますます深まっていくのですが・・・・・
・・・・・これねぇ、途中まで「真相はどーなんだべぇ?」って観客は興味シンシンで観ているのですが、後半いきなり真相が明かされます。ヒッチコックの「めまい」みたいにね(おっと、これ以上言えねぇ、言えねぇ)。
で、物語はミステリーから一気にサスペンスへ急変!!
ここいらへんから、異常な夫婦の話だと人ごとみたいに見ている観客もしまいに、自分ら夫婦も・・・・・ってなっていくわけ(だから、これ以上これ以上言えねぇ、言えねぇ)。
派手なアクションこそ全く無いにもかかわらず、見ごたえたっぷりな秀逸なミステリー大作です。
まさに、現代アメリカの世相(いや日本も)を映したような見事な脚本と重厚なデヴィッド・フィンチャ―監督の演出が楽しめる一本です。
これも、見逃したらもったいないっす。
是非劇場へ!! フォーラム八戸だけかも。