「きことわ」 朝吹 真理子 (芥川賞受賞)
141頁の薄くて小さい本のサイズは手のひらに
優しく馴染み、特に考えることも疲れることも無く
短時間で読み終える事が出来ました。
又、
貴子(きこ)と永遠子(とわこ)以外の登場人物の少なさと
25年前のあの日のことだけを語られる文体の無駄の無さに
おしなべてエコを感じ取ることができました。
ひるがえり
賞金金額1ページ当たりイクラかの換算は、
読後にしばし「きこと、とわこ」の夢のお話しの余韻に
ひたれなかった俗人のする事です。
私はそんな人が許せないけど理解はできるのであります。
「煙が目にしみる」 石川 渓月
日本ミステリ文学大賞新人賞
地元の新聞に紹介されとった本でした。
西日本一の歓楽街、博多は中州を拠点に、しがない街金業者の小金欣作は
ひとりの少女を助けた事から地元で悪評高い暴力団と対決してしまう・・・・・。
すべて博多弁やったとです。
言葉も場所もよう分かります。
そいばってん、あえて作者に言わせてもらうなら、博多の女の人たちはそこまでは方言は言わんし、その方言もどこかおかしいですばい。
東京出身の作者さんは3年間福岡に勤めておったて紹介されとったばってん、その3年間で自分が面白かった博多弁ばことさら強調しすぎた気がするとです。
そいけん何か知らんばってん、東京んもんが、面白がって
博多弁ば喋っているごたる気がしたとです。
だけん
吉田修一の「悪人」の方言がオイの中にスッと入ってきたとは吉田氏が九州は長崎出身やったとかも知れんとオイは勝手に思い込んでしまったとです。
そいばってん物語はおもしろかったです。