藁にもすがる獣たち 曽根 圭介
文字通り瀬戸際に立たされ運にもツキにも見放された男と女たちの物語です。
話の繋がりと登場人物の無駄のない描き方がテンポよく進められて行きます。
月と詐欺師 赤井 三尋
昭和10年の大阪・・・・・ある財閥の男の陰謀で両親を失い
姉までも自殺に追い詰められた修行僧の俊介は
復讐のために寺を捨て大阪へと向かう、そこで俊介は詐欺師「春日」に出会うのだった・・・・・・。
果たして復讐は遂げられるのか・・・・・。
映画を観ているような物語には惹きこまれました。
戦前戦後の大阪や京都の街並みや暮らしが何か良かったです。
京都の旅館「柊屋」・・・・・・懐かしかったです・・・・・(笑)
月下上海 山口 恵似子
偶然、月と詐欺師と同時代の設定でした。
財閥令嬢「多江子」の物語です。
気丈な美貌の画家「多江子」は表紙の通りです。
夫を愛人に奪われゴチャゴチャありまして多江子はまだ戦前の上海に渡ります。
そんでまたもや、新たな男たちが出てきて、ごちゃごちゃありまして、そうして戦後までの
壮大なる恋愛小説でした。
松本清張賞受賞の作者は食堂のおばちゃんの恰好で話題になったそうです。
読メでは昼メロみたいだと言うとる人もおりますばってん
食堂のおばちゃんも昼メロも大好きなオイは「だから何じゃい!」と申し上げたいです。
以上