淋しくて隠れ家日記

前向きに生きたい!!

読 「羊は安らかに草を食み」 宇佐美まこと

2021-03-07 08:25:05 | 棚の上の本

 



俳句仲間の益恵86歳、アイ80歳、富士子77歳の3人の老女は
20年来の友人だったとです。

ばってん一番年長で元気もんだった益恵が認知症になったとです。

昔の面影は消え失せた益恵が見せる苦悶の表情と
時折呼びかける聞き覚えの無い女性の名前の謎・・・・。
アイと富士子は益恵の心のつかえば取り除くために
益恵ば連れて終戦後、彼女が満州から引き揚げ暮らしていた地
大津、松山、五島列島へと旅発ったとです。

やがて行く先々で明かされた壮絶なる益恵の生い立ちにアイと富士子は
見知らぬ女性ば探すべく最後の目的地へと向かったとです・・・・・・。

読んでおって辛くなる過酷な戦時中の物語と
旅先の美しか風景と出会った人達の温かさば交互に描きながら
ミステリも絡んだラストまでの展開は
アイと富士子の友情と老人力?で締められたとです。

 最後の旅ば終えた時、富士子がアイに言った言葉
「別れる辛さより、この世で出会えたことを喜びましょう。」

  
よか本やったです。