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最高おススメ演技その16 シニアデビュー年のエキシビション「Vertigo」

2015-05-06 | プロアスリート羽生結弦・羽生結弦選手・最高おススメ演技集

 追記:  2015年6月  20歳の 新「Vertigo」の動画を追加しました!

2019年6月    さらに追記2  として、歌詞の本当の意味をつけ加えました。

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最高おススメ演技、その16は、シニアデビュー年(高校1年時)のエキシビション・プログラムだった、「Vertigo」 です。

これは、羽生選手が恥ずかしがって少々抵抗を見せていたことがあったので、載せないでおこうかと思っていたのですが、

昨年発売された切手集の中で、「若干恥ずかしい思い出もありますが」といいつつ、「カッコイイ プログラムなので大好きです」とコメントした羽生選手。

しかもそこで選ばれた写真は、なぜか、この写真だったということで、 

  これ → 

 

いや~もう、羽生選手は!(爆笑) よりにもよって、なぜこれを・・・! 面白すぎますよ!

・・・と、言いたいところですが、いやいや、 「本当に多方面に気を遣っているんだな…」と しみじみ。 

しかし、私としてはこれをもって、羽生選手からの事実上の 「これを宣伝してもOK!」の許可が出たようなものだと勝手に判断させて頂きまして、ここに改めて堂々とご紹介したいと思います。

 

 

さて、このプログラム、「Vertigo」は、U2 というグループが歌っているのですが、これを選んだのは、当時のコーチ兼振付師の、阿部奈々美先生。

そして、注目したいのは、これを選んだ理由が、U2(ユーツー)と、羽生選手の名前「ゆづる」の愛称、「ユヅ」が、似ているから、とかいう、

ネット上でおやじギャグを連発しているという、どこかの羽生ファンでさえ、猛烈にビックリしたというほどの、まさかのオヤジギャグな理由!!

 

ああ、さっそく「Vertigo」(めまい)が起きてきたわ・・・ というアナタ様には、覚悟をもって(?)この演技を見て頂きたいと思います。(笑)

 

最初におススメしたいのは、衝撃の2010年NHK杯の時の演技。 元気一杯の15歳です!   ↓ ニコニコ動画 (動画主様、拝借します!) 

 

 

これをやる羽生選手を初めて見た時の私の感想は、まさに、「度肝を抜かれた!」 の一言に尽きます。

 

ショートの「白鳥の湖」で、驚異の表現力と柔軟性、集中力、美しさを、そして、フリーの「ツィゴイネルワイゼン」では、15歳にしてまさかの4回転トーループを成功させるという、驚きの技術力と才能、将来性を、シニアデビュー早々で見せつけてくれた羽生選手。

ところが羽生選手は、試合の時の、白鳥やツィゴイネルワイゼンをやったのと同じ人だとは思えないような、クラシック路線とは真逆のロックに合わせ、衣装も表情も、完全に別人モードでご登場。

試合のプログラムとは真逆に、直線的で硬い動きを駆使しながら、最初っからエネルギー全開で滑りだしました。 

しかも、こんなロックな曲の中でまで、まさかの「レイバック・イナバウアー」を堂々と、「ヘ~イ!」っていうノリでやってくれちゃった羽生選手。

これ ↓

 

 

それまで、「レイバック・イナバウアー」というのは、優雅さの代名詞だと思っていた当時の私の驚きと言ったら・・・ とても言葉に表せません。(笑)

しかも直後に、ハイドロブレーディング(hydroblading, 略してハイドロ、羽生選手はハイドロブレードと呼んでいるようです)を見事にこなして魅せ、その後に、女子の象徴・ビールマンスピンまでもを、エキシビションの中でまでやってくれるサービス精神の満点さと、そのやる気。

レイバック・イナバウアーと、ハイドロブレーディングと、ビールマンスピン、驚異の柔軟レベルのシットスピン等を全部一つのプログラムでこなしてくれちゃう男子選手は、羽生選手が初めて。さらに15歳で既に4回転も跳べるとか、もうあり得ない!という感じで…。

羽生選手はそれらを当たり前のようにこなし続けてきたので、今では驚かなくなった人も多いかと思いますが、これって異常事態だったんです。

まだ15歳だとは言え、さすがはプルシェンコ選手に憧れ続け、プルシェンコ選手につぐ若さで世界ジュニア選手権の王者になった羽生選手、最後には、そのプルシェンコ選手が得意だった、まさかの「高速・頭ブンブンふりスピン」(笑)まで披露。

 最後の最後まで、「げげげ!」な演技を見せてくれました!

 

しかも、かなり楽しそうなのが良かった!(笑) 

技術的には、男女の枠を軽く超えながら、私が好きな技を次々と素早く、「出し惜しみせずに」 息もつかせぬ勢いで見せてくれた羽生選手に、

もう驚きすぎて目を真ん丸にして、「あぜーん、呆然、ぽか~ん」みたいな状態だった私でしたが、

終わってみたらなんだか凄く楽しくなっていて、「いや~!今、ものすごいものを見たわ!」という、今までにない満足感で一杯になっている自分に気が付いて、羽生選手の凄さに驚嘆しました。

 

まさに色々な意味でVertigo (めまい)」を起こすようなプログラムを披露してくれた、15歳の羽生選手。

 

その凄い才能と、多彩なプログラムをこなせる変貌自在性は、やはり「プルシェンコ選手」を思い出しますが、さらに柔軟性が高いという特異性により、「今までの常識を完全に超えた」選手だという印象を決定づけてくれたのが、このプログラムでした。

 

また、このプログラムを見ていた時に強く感じとったことがあります。

それは、「たとえ複数のプログラムをもってしても、とても見せきれないであろう程の羽生選手の才能や本当の凄さを、

なんとしても、エキシビションを使って、世間に少しでも示しておきたいと願う、コーチ&振付師の強い意志」————みたいなもの。

 

基本的には、背伸び気味の振付の入ったプログラムよりもは、年齢相応なもののほうが、本当の魅力が出るからより良いと思っている私ですが、 

このプログラムの、普通じゃない技の詰め込み具合を見て、この少年に対してどれほどの期待がかけられているのかがよくわかりましたし、また、それを出来ちゃう羽生選手を見て、感動せずにはいられませんでした。

同時に、あまりにも意欲的に見えた、羽生選手の演技に対する姿勢についても、試合のプログラムに続いて大いに衝撃を受け、

そんな、見たことのないほどの才能が「溢れるように光り輝いていた」15歳の少年に、ただただ圧倒されたというのが、当時の私の正直な感想です。

 

 

次にご紹介するのは、フリーで4回転トーループを決め、初出場の16歳なのに2位となり、銀メダル獲得した、2011年4大陸選手権の時のエキシビション。

 

 

 

 

さて、この演技で私が個人的に一番おススメなのは、2011年ネーベルホルン杯のエキシビションの、次の演技です。↓

高校2年・16歳になっている羽生選手。 2011年の震災後。

さすがに何度もやってきて慣れているのか、あるいは年齢が少し上がったせいか、落ち着いて演技していて無理がなく、余裕が感じられ、コケてもそれさえも演出にしてしまうような絶妙な対応は、さすがの一言です。(笑)

適度な脱力感があるのに、何故か全力感もあるという、この不思議さ。

衣装も良いかなと、個人的には思います。

レイバック・イナバウアーも、前年度よりも、よりキレイになってきています。

 

 

一つ目のジャンプ、アクセルを珍しく失敗してしまいますが、その失敗の仕方が、なんと両足を180度開脚して氷の上をクルクルと滑り、回転しながらまた起き上がっているという・・・

男子にあるまじき、驚愕のレベルの柔軟性をここでも発揮してくれて、なんとも貴重な一瞬を見せてくれました。

 

次のものは、同じ演技を、違う角度から撮影されたものです。 上の動画よりもは、よりアップで、羽生選手が見られます。 

 

観る角度によっても、同じ演技や技を見ても、印象が少しずつ異なってくる、そんな 「楽しさ」を 味わってみるも面白いかな、と思います。

 

 

追記:

2015年 ファンタジー・オン・アイス幕張で、20歳になった羽生選手が、久しぶりに 「新・vertigo」として、演技してくれました!

 

かつて私を驚かせた、「ヘ~イ!」というノリが斬新だったレイバック・イナバウアーを、これまた、「ヘ~イ!」というノリだけはそのままに、ユヅ・ランジとでも言うべき「へ型・変形ランジ」の新型(手の位置を上と横)に変更して新たな魅せどころを作り、さらにはビールマン・スピンを取りやめてあります。

腰の負担を減らし、なおかつ、より「男っぽさ」を本気で追求した形の演技になっています。

男女枠を軽く超えてしまった軽快で全力な天才少年の演技ではなく、成人して力強くなり、余裕と安定感を感じさせつつもパワフル、という演技です。20歳になった身体のことを考えれば、ビールマン・スピンを避けて正解だろうと思いますし、これはこれで素敵ですし、とてもカッコイイですね!

途中、かつてのプルシェンコ選手とそっくりのポーズをとって休止をしてみせる、過去にはなかった箇所は、その場にいたプルシェンコ選手へのリスペクトを表したのではないか思います。

途中で投げキスが投入されていますが、うっかり見逃しそうになる素早さだったので、「日本人による、不自然な投げキッス絶対反対派!」の私としては、とりあえず、「ぐ、ぐう・・」とだけ言っておきます。(笑) (←ぐうの音はとりあえず出た(笑)、という意味!)

 

こちらが、終了後のインタビュー ↓   (動画前半はVertigoなので、動画後半がインタビューです)

http://www.dailymotion.com/video/x2s1uwm

「ちょっとした男の色気というか、大人の色気というか、そういうものを出せれば」と・・・ 羽生選手から珍しく「色気」発言が飛び出します。

「まだ恥ずかしいですけど」「でも、恥ずかしさみたいなものは克服できたかなと思う」と、揺れる男心(?)を表明しますが、相変わらずまだまだ恥ずかしかったようで、質問されると、「そこはあまり触れてもらいたくないところなんですけれども」と、インタビューで再び大いに照れ笑いしながら答えた羽生選手。

「止まっている写真」はOKだったけど、「動いているオレ」の恥ずかしさは、また全然別物だったようです。

 まあ、羽生選手の、そういうところが良い… ということで。(笑)

 

 

 

追記その2:  2019年6月追記

ここからは、打って変わって、このEX「vertigo」が、本当は、かなりシリアスな内容の歌詞であることをご紹介したいと思います。

五輪2連覇するまでも、した後も、羽生選手は大変な状況を駆け抜けて来ましたが、今日のような羽生選手の未来を予告していたかのような歌詞内容。

頂点に立つことで、知らなければ良かったと思うような世界の実態が見えてしまい、知り、嘆く。でも、悪魔の支配下への強烈な悪魔からの誘惑を拒否し、本物の神にのみひざまずき、従う宣言をして終わっている歌なのです。

途中で出てくる歌詞は、聖書の中でも有名な、悪魔がイエスを誘惑して、自分の支配下におさまるかを試した時のセリフそのままがわざと使われていて、つまり、悪魔の戦略を聖書が暴露している箇所なのです。

(参考聖書箇所)マタイによる福音書4章8〜11節より  新約聖書

更に、悪魔はイエスを非常に高い山に連れて行き、世のすべての国々とその繁栄ぶりを見せて、「もし、ひれ伏してわたしを拝むなら、これをみんな与えよう」と言った。すると、イエスは言われた。「退け、サタン。「あなたの神である主を拝み、ただ主に仕えよ」と書いてある。」そこで、悪魔は離れ去った。すると、天使たちが来てイエスに仕えた。

 

聖書をある程度知っている人たちには、一発で通じる歌詞。

この歌の主人公は、その「イエスが受けたのと同じ誘惑」を、悪魔から受けたことを示唆しています。

そして歌のラストで、本当の愛を教えてくれた存在、Your loveの、Youとは、十字架につけられて自分の罪を身代わりに背負ってくれた神、イエス=キリストを指します。

自分は、「あなたにだけひざまずく」、つまり、悪魔ではなく、愛を教えてくれた本物の神、イエス=キリストにのみひざまずき、従って生きていくことを宣言して、悪魔の誘惑を退けて終える歌が、この「vertigo」なのです。

だから、当時、選んできた阿部コーチはすごいな、と私は内心思ってました。(笑)(勧めたのは阿部コーチの旦那様で、スケート靴のブレード職人として羽生選手を支えていた吉田さんだったそうですけど。)

フィギュアスケートの天才少年の未来を暗示し、しかも神への徹底服従と、悪魔への高らかな勝利宣言で終わっているこの歌を、シニアデビュー年に全力で滑っていた羽生選手の姿を、私は決して忘れないでしょう。

羽生選手はこの演技の当時、いつも十字架をつけて滑っていました。

当初このページを書いた時は、まだ書くべき時期と思っていなかったので、あえて歌詞の意味の詳細に触れるのは避けてきたのですが、ついにその時期が来たかなと思い、追記しました。

 

真の神様は、過去も未来も全ての事情をもご存知というのは、本当ですね…!