8月15日: Hero'sのインタビュー動画を追加しました。
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クリケットクラブで行われる、羽生選手の公開練習とインタビュー。
羽生選手は新フリーで、4回転を5本跳ぶ予定でいることを明かしました!
まあ、これは予想通りで、私は特に驚きませんでしたが、
ちょっと驚いたのは、フリーも過去プログラムのSEIMEIだとのこと。
ショートは、当初の発表通り、「バラード第一番」で変更なしのようなので、
表向きは、両方とも2年前の完全な再演ということに、なってしまいますね〜〜 うーん・・・
両方っていうと、さすがに… 賛否両論噴出しそうですね…
バラード第一番は、かなり変わっていましたので、フリーのSEIMEIも振り付けをどこかをガラッと変えるのか、あまり変わらないのか…?と思っていましたけど、
羽生選手の練習の様子と、インタビューでの様子が一部収録された ニュース動画はこちら。
あまり映っていないので、まだ良く判りませんね。
試合まで、全体がどう変わっているのか、どう「新SEIMEI」を見せてくださるのか、楽しみにしたいと思います。
Web sportiva に出てきた、羽生選手のインタビュー発言はこちら。
以下、羽生選手の言葉だけ抜粋です。
「今年もフィジカル面では特に特別なことはしていないですけど、通しの練習や質のいい練習を何回もやっています。ケガが一番の敵なので、とにかく質のいい練習をして、質のいいケアをして……。質のいいジャンプを跳び続けていれば必然的にケガも少なくなってくると思うので、そういう意味でもかなり気をつけて練習をしています」
「ショートのバラードに関しては、少し迷いがあったかもしれないですけど、『SEIMEI』 に関しては2015-16年シーズンにやっていい演技ができた時から、このプログラムを五輪シーズンに使おうと決めていたので、迷いはなかったです。だからこそ、昨シーズンは曲を何にしようかと迷いました。和風でいきたいなと思っていましたが、和風にし過ぎると前のシーズンにかぶってしまうかなと思ったりもしました。その意味では『SEIMEI』を、今シーズンへ向けて温めておいたという感じです」
「今のイメージは、最初、4回転ループと4回転サルコウを跳んで、そのあとに3回転フリップとスピン、ステップ、後半の1発目に4回転サルコウ+3回転トーループ。そのあとに4回転トーループ+1回転ループ+3回転サルコウをやって、4回転トーループ。その後はトリプルアクセルの連続ジャンプをやり、最後は普通の構成であれば3回転ルッツです。でも、リカバリーを考えて練習ではトリプルアクセルを2本やっています。どんな状況でも対応できるように、後半の構成は常に高いレベルでやるようにしています」
「4回転ルッツも跳べますし、練習でもそこそこやっていますけど、今はそれを入れようとは考えていないですね。今のこの構成でしっかりきれいにまとめること。とはいっても後半に4回転を3本入れているから去年より確実に構成は上がっています。その意味でも、まずはひとつの『SEIMEI』をしっかり完成させたいなと思っています」
SPのバラードもSEIMEIも、それを選ぶ大きな要因になったのは「やっぱり自分に合っているな」と思ったことが一番だという。自分が滑っていて無理をすることなくその曲に溶け込めているような感覚があるので、それが最大の決め手だと話す。
「新しい曲を選んでも『ああやって、こうやって』となると、毎年毎年けっこう難しいものがあるんです。でもこのシーズンはそういうことをやっている時間はないと思って……。新しいものをやって、最初のうちは『初々しいね。これから滑り込んでいけば良くなるね』というものではなく、五輪シーズンだからこそ最初から『このプログラムは素晴らしい』と思わせるものにしなくてはいけないと思うんです。
その意味では、自分がこの曲をどう演じられるか、どういう風に感じているのかというのをより深められるようになっていると思います。何回も何回も聴き込んでいるからこそ、どういう風にこの曲を演じようとか、どういう風にジャンプを跳ぼうとかいうことまでを含めて、練習ができています。このふたつは自分自身、呼吸のしかたなどを含めて何よりも自分でいられるプログラムなので、すごく滑っていて心地よいです。ジャンプやスピン、ステップなどのすべての要素も自分として演じられるプログラムなので、余計なことを考えずにすむと思っています」
「表現のことをすごく考えるキッカケになったプログラム」
「ソチ五輪の前はあれもやらなきゃいけない、これもやらなきゃいけないという感じでいっぱいいっぱいだったのかなと感じます。でも、今はこうやればいい、ああやればいいという自分の道みたいなものが、すごくハッキリしてきたんじゃないかなとも思います。もちろん、4年前も金メダルを獲りたいと思っていましたけど、今はもっといろんなものを求められるようになっている。
今は、4回転は種類も数も求められているし、そのうえでスピンやステップもいいものをやらなければいけない。さらに、それだけではなく技と技の間の部分もたくさん練習していかなければいけない。だからこそ、この3年間でいろんなことを練習してきたし、今はその多種多様な部分をさらに磨いていかなくてはいけない。そういったいろんなものがあるからこそ、自分のスケートの理想的なものが見えてきているのかなという気がします」
Hero's の番組での、羽生選手のインタビュー動画は、こちらです。
曲は、特にいじっていなくて、前のままだという羽生選手の発言のようです。
2015年当時の世界最高得点をとった、この「SEIMEI 」は、
羽生選手が、元の音楽を、ピッチもテンポもかなり変えて羽生選手が自分で試行錯誤しながら音源を編集し、
(フィギュアスケートの音楽編集担当で有名な矢野さんが、羽生選手の細かい指示を受けて直接的にはやったようですが)、
二人で結局30バージョンものパターンをつくって試行錯誤した結果、もっとも良いと思われたものを採用したので、
羽生選手にとって、ジャンプも跳びやすく、タイミングも合うように作られている、特別な曲になっています。
良い作品にしたり、高評価を得ることが、難しいと言われた「和」風プログラムの、ここの部分こそが、最も勝因となったところだと私は思うので、羽生選手としても、「自分のベスト」に編集されたこれを、あまりいじりたくはないでしょうし、
この「SEIMEI」の曲が、最も「自分らしくいられる」のも当然だし、最も心地よく滑りやすいのも、当然です。
だから、羽生選手には、最もやりやすいプログラムだろうと思います。
だって、当時、羽生選手がわざわざ、そのように作り直したわけですから。
だから、音楽はほぼそのままなんだろう・・・とは思うのですが、
逆に、それこそが、観る側が聞いていて飽きないかどうかが、難しいところになるかな、とも思います。
外国人から観ての目新しさや、斬新さはこの年はありましたけど、2年目以降は、長い年月を経ても、多くの人に評価され続けたような、フィギュアスケートやクラシックの王道曲などとは異なるので、
その辺を、「羽生選手の演技そのもの」で魅せ、超えてみせないといけなくなるかと思います。
ショートもフリーも、それぞれのプログラムの、過去の衣装も評判が良かっただけに、それを超えるものを作る必要が出てきますので、そこもまた、なかなか難関になりそうかと。
上手くいったら、それだけでもフレッシュになり、さらに高評価になるかもしれないけど、
「私は、前のほうが良かったと思う」というような反応が、必ず一定数は出てくる可能性も高くなるわけですし、
難しいだろうけど、羽生選手自身が納得できるかどうかで、頑張って欲しいと思います。
インタビュー記事を見ると、新しい曲に馴染むまで試行錯誤している暇はないので、
すでに上手くできているものからスタートして、ジャンプ構成の難化に集中する!ということのようですね。
体調は良いとのオーサーコーチ談なので、それが何より嬉しかった・・・ と書きたいところなのですが、
正直、激化する4回転競争に伴う、身体の負担を考えての総合戦略と、決定なのだろうとも、私は思いました。
羽生選手は、一度大怪我を負っていますので、まだ怪我をしたことのない選手とは、同じようには出来ないと思うので。
非常に現実的に判断したのでしょう…
SEIMEIについては、最高得点を出したあの時から、五輪でこれを滑ろうと決めていた、とのこと。
最高得点を出していたあのときは、羽生選手が素のままで滑っていたような感じでしたからね。(笑)
そこが、良かったのだと思いますが。
でも、これだと、オーサーコーチが五輪用に温めていたという音楽とやらも、それだと、そもそも検討の対象外だったということでしょうか。
読売新聞によりますと、
「結弦はあらゆる期待に応えたいと全力を尽くしている。シーズン前の状態としては、今までで最高だ。あと半年でどこまで成長できるか楽しみにしている。」
とのオーサーコーチ談です。
・・・「あらゆる期待に応えたい」といっても、新プロを見たかったという、フィギュアスケートでは「普通の」期待には、応えていないわけですが。(笑)
「また」と思われないようにしたい、との羽生選手の発言でしたし、何が決定的に違ってくるのか、観てみないとわかりませんが、
これは完全に「新」プロだと思われるようなものに出来る自信があるなら、ぜひ頑張って欲しいですね。
グランプリ・ファイナルの時のあれは、あれで一つの完成形だったと思っているので、下手にいじるのも難しいと思いますが、
ジャンプ構成だけでなく、いろんな意味でも、完全にあれを超えたと思わせられるものが出来たなら、それはそれですごいことかもしれませんが、超えられなかったら、逆効果になる危険性もあります。
こちらは、ニュースゼロのインタビュー映像。
あんまり数字にとらわれすぎて、大切なものを見失わないようにしてほしいですね。
これなら最高点を絶対に超えるだろうから安心、っていう選び方は、ちょっとまあ、あまり王者らしくないかなとは思ったのですが。
それだけ緊張を強いられる闘いだというのは間違いないのでしょう。
ネイサン選手も、4回転を6本入れるという情報が入っています。
五輪シーズンですし、各選手とも、本当の全戦略まではオープンには話さない可能性も高いのでは?と私は思います。
ところで、ハビエル選手もオータムクラシックに出ることになったそうで、そっちの方が、ええ?!っていう驚きです。
B級大会なのに、史上最高レベルのB級大会になるわけで。
初戦から大変なシーズンですね。
エキシビションが、デビッド・ウィルソンさん振付なのか…??
試合まで、楽しみにしたいと思います。(笑)