初掲載 4月22日
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「神の言葉は生きており、力を発揮し、どんな両刃の剣よりも鋭く、精神と霊、関節と骨髄とを切り離すほどに刺し通して、心の思いや考えを見分けることができるからです。
さらに、神の御前では隠れた被造物は一つもなく、すべてのものが神の目には裸であり、さらけ出されているのです。この神に対して、わたしたちは自分のことを申し述べねばなりません。」
(ヘブライ人への手紙 4章12,13節 新約聖書 新共同訳より)
羽生選手が自らプロデュースしたアイスショー「Continues ~ with Wings~」
ファンへの感謝と凱旋公演となった、このアイスショーの最終日の最後に羽生選手がした告白は、
生中継だったことで、カットされる心配もなく、多くの人に言ったことそのままを伝えられる唯一のチャンスでもあったので、 羽生選手はきちんと考えたうえで、意図的に発言したものだと私は思っています。
「うっかり言っちゃた」のでは決してない。
この日のアイスショーの中で、羽生選手は自分で、「自分の言葉がマスコミにどう切り取られるか」を確認して研究している、というようなことさえも語っていました。
「研究熱心ですみません」(笑)と付け加えて笑いに変えながら、あえてそう語ってくれたと、私は思いました。
羽生選手が、本当はずっと伝えたかったことを、あの機会に伝えたのだと、私はそう思っています。
まず、羽生選手の長年の猛烈な憧れであるプルシェンコさんのことを、どれだけ知っているかということは、羽生選手を理解するうえで、非常に役立つと思いますので、
プルシェンコ・ファンの間では以前から非常に有名な、プルシェンコさんの言葉を集めたこちらの動画を、ぜひご覧ください。(ニコニコ動画にも、同じようなものがありますし、英語版もあります。)
プルシェンコさんの発言は、もちろんこれだけではないし、長年の現役生活の間に、もっとたくさんの、色々なものがあります。(この発言は、主に2006年のトリノ五輪で金メダルをとった頃のものかと思います… その後、プルシェンコさんはさらに結果的には10年以上現役生活を続けますので、立場や考えも色々変化はしていきます。)
だけど、羽生選手の立場も心理も、これに限りなく近いものがある… そのように考えておいた方が、羽生ファンは、羽生選手への理解が少しは深まるのではないかと思います。
プルシェンコさんは、今回、五輪前後から突如バッシングの対象となったザキトワ選手に対しても、その技術の抜き出た凄さを徹底的に褒めつつも、世界選手権の後、「君はロボットなんかじゃない。人間だ。」という感じで、一生懸命擁護していました。
精密機械だのロボットだのと、およそ女性のフィギュアスケーターに対して投げかけるとは思えない表現で色々言われていたザキトワ選手に、温かい言葉を投げかけていました。
一方で、羽生選手には、日本であるからこそ余計に厄介に生じてくる、日本特有の問題というのが、多々ありましたし、今もあります。
(プルシェンコさんには、ロシア特有の複雑な事情なども、沢山沢山あると思いますが…)
まず、羽生選手が最終日に最後の最後に言った言葉について、正確に書き出してみました。
「ほんとに、なんか、一時期、週刊誌の問題とか、色々あった時に、『なんで僕生きているんだろう』って、何回… 何回も死のうともしました。
… でも、でもね、ホントに、みんなこうやっていっぱい応援してくれているし、何よりぼくが幸せなのは、自分が憧れている方が… 方々が みんな、自分にメッセージをくれて…
震災の当時もすぐだったけど、『ユヅは大丈夫だよ』って、ね、コメントくれて、ホントに有難かったし、スケートやってて良かったって、
ホントに今は、生きてて良かったなって、ホントに思ってます。(笑)
それでは、本当に、ありがとうございました。」
羽生選手のこの告白で、一番最後の最後に語った言葉の中に、「震災の当時もすぐだったけど、」という言葉があるのは、
東日本大震災直後に、プルシェンコさんが「ユヅは大丈夫だよ」ってツイッターで書いてくれたことが、どれほど有り難かったかということをも言いたかったんだと思います。
知っている方々も沢山いらっしゃると思いますが、実は平昌五輪で金メダル獲得後に、一部の「他のスケーターのファンを名乗りながら、羽生選手のアンチ活動をしている人々」が、そのプルシェンコさんの当時のツイッター内容を根拠に、羽生選手は震災当時、実は被災地にいなかったのに嘘をついている、などというデマを流したのです。
そのプルシェンコさんの言葉を、「羽生選手が大震災当時被災地にいなくて、実は他の場所に他の選手たちと一緒にいたことの証拠」として、「やはり羽生は被災者を装い、震災を利用しただけの詐欺だ」などという、
私から見ればもう、呆れ果てて失笑するしかないほどの酷いデマを飛ばして、ついでに羽生選手の被災後の行動にまで侮辱を加えていたのを、羽生選手は見ていたのか、誰か関係者から聞かされたかで、知っているのでしょう。
羽生選手は、この手の嫌がらせを、それはもう執拗に執拗に執拗にやられてきました。
(実はもう何年も前からこの震災絡みでの嫌がらせはずっとあったのですが)
羽生選手は、そういったものをずっと耐えてきた状態です。
羽生選手にとっては、最高の憧れのプルシェンコさんが、大震災直後という、最も動揺も激しく、辛かった時期に自分のためにやってくれた善意の行動を、酷いデマの吹聴のために逆に利用され、被災地にいなかった証拠かのように吹聴されたわけですから、どれほど、当時それが羽生選手にとって有り難かったかも、(プルシェンコさんにもファンにも)伝えたかったんだと思います。
羽生選手は実際に3.11の時、アイスリンク仙台にいて被災しており、その時の詳細は、自叙伝にしっかりと書かれていますし、今までも何度も様々な形で語ってきていて、ファンなら当然知っていることです。
蒼い炎 | |
羽生 結弦 | |
扶桑社 |
↑ この本に書かれていますし、今までも他のインタビュー等でも、さらなる詳細を語っています。
読んだことのない方は、どうぞ。
他にも、今まで色々なインタビューなどで、繰り返し、震災当時のことは語ってくれています。
「大震災が起きた日は、羽生選手は、学校が試験休みの日だったので、昼間からアイスリンク仙台で滑っていた。
生まれて初めて、氷が波打つという信じがたい光景を見て、自分の足であることもできない体験をした羽生選手は、同じくリンク上にいたご友人に必死でしがみついて、恐怖でひたすら泣きじゃくった。(ご友人は泣かずに気丈に頑張っていたらしい。)
天井からもバラバラとモノが落ちてきてすごい恐怖だった。 一端揺れが収まった時、スケート靴を履いたまま 必死で外へ逃げ出したけど、エッジをむきだしのまま歩いてしまったせいで、スケートのエッジはボロボロに。
外に出て逃げていたら、雪が降ってきて、とても寒かった。
コーチが追いかけてきて洋服をもってきてくれて、お姉さんが羽生選手を迎えにダッシュで来てくれて合流した。
避難所へと向かう途中も、市内の様変わりした光景を見て 大変なショックを受けた。」
…というのが、何回かの羽生選手の証言を聞いた私がおおよそ把握している、羽生選手の、東日本大震災が起きた直後の状況です。
羽生選手はさらに、都築コーチのもとでお世話になりながら、各地のアイスショーを転々としていた時も、ホテルを転々とする生活の中で、心身疲れ果て、色々なことを思って、ホテルの部屋の中で、何時間も涙が止まらなくなり泣き続けたことが何度かあったと、告白しています。
羽生選手は、大震災の当時は 仙台の泉区にいたわけですから、津波にはあっていません。
でも、羽生選手は一度も、自分が津波被害の生き残りだなどと語ったことはありませんが、そのように羽生選手が嘘をついたなどとする愚かなデマをも、散々流されてきました。
(※ 2011年‐2012年シーズンのSPは、「悲愴」で、海の波をイメージした衣装になっていましたから、そのように誤解している外国のファンやマスコミなどはいるかもしれませんし、そもそも東日本大震災は、巨大地震と巨大津波の両方をセットで、外国記事では扱われていることが多いので、そう誤解している解説者などもいたかとは思います。)
この手の震災絡みのデマは、ここしばらくは沈静化したと思われましたが、平昌五輪後に、再びこのデマを蒸し返してきた異常な人々が沢山いました。
しかし、平昌五輪から羽生選手を知った人や、初めてファンになったような人たちには、真偽がわからなくて、一瞬でも動揺させられる内容だろうと思いますので、そんなことをいつまでも執拗に書かれるのを耐えがたいと思うのは、人として、当然の感情ではないでしょうか。
この手の震災絡みの嫌がらせの数々は、2011年の頃からもう数え切れないほどあり、特に酷くなったのは2012年に羽生選手がカナダに渡ってからです。
大抵は、海外の英語記事を「間違って日本語に翻訳し」(わざとやっているかもしれませんし、単に英語力が不足しているのかもしれませんが)、それを根拠として、羽生選手への誹謗中傷につなげているものです。
しかし、元の英語が理解できれば、その「デマっぷり」「翻訳のウソっぷり」は簡単に見抜けます。
これを昔から今に至るまで、いつまでも執拗にやっているのは、主に他選手やスケーターのファンを名乗っていて、羽生選手のアンチ活動を堂々とするような人たちですから、
そこから、今回の羽生選手の発言の「ファン同士の争い」という言葉にもつながっているだろうと思います。
しかし、一つ書いておきたいのですが、このような「異常なまでに執拗なアンチ活動」をしている人たちというのは、ただ単に誰か他のスケーターのファンだからとかいう、そんなことが本当の理由ではなくて、
本当の理由は、全然別のところにあるということです。
(これは別の記事で色々書いていますので、そちらをどうぞ。)
2012年に、羽生選手がカナダのクリケットクラブに渡ったことを、「裏切った!」と騒いだ当時の羽生ファンがいました。
主な理由は、羽生選手がそれまで、仙台出身だから仙台で頑張りたい、とか、仙台から金メダルを取りたい、などの発言を何度もしていたことが影響していましたし、他にも大きな理由がありますけど、結果的にカナダに渡った決断を「批判し」て騒いでいた当時のこれらの声は、羽生選手を深く傷つけていたと思います。
だからこそ、羽生選手は、余計に必死に頑張ってきたと思います。
でもその結果、ソチ五輪の金メダル後の会見で、「金メダルをとったけど、結局自分は被災地のために何もできていないのでは…」という無力感に悩まされた羽生選手ですが、
それは、羽生選手の純粋な思いがあればこそ、そう思わせ、悩ませたのです。
大震災直後、人を助けるボランティアをするためにスケートなんかやめるべきでは、とさんざん悩んだ羽生選手ですから、その心理は容易に理解できますね。
「週刊誌の問題とか色々あった時に」という発言については、
該当しうる「週刊誌」のねつ造ものはあまりにも沢山あり、ありすぎて困るほどですけど、(苦笑)
羽生選手に対して出された、「ねつ造 婚約記事」などはその一つであり、その典型だろうと思います。
(羽生選手は会見で、「火のないところに煙は立たないというけれども、火もない、煙もない、本当に何もない」と根本からあの内容を真っ向否定しました。 )
内容はかなり酷いもので、羽生選手の人間性や個性を、根本から否定してあざ笑い、侮辱したような内容に満ちていましたので、その点でも深く傷つかれただろうと私は思います。
ただ、実はこういったことは羽生選手に限らず、フィギュアスケートのトップ選手(浅田真央さんや高橋大輔さんなど)は かなりやられてきた、侮辱・名誉棄損も含む「ねつ造記事」の類であって、この問題に関してだけは、決して羽生選手に限らないし、フィギュアスケートだけにも限らない問題ですし、人権侵害レベルが酷いので、
今後のフィギュアスケート界の後輩たちにも大きく影響していく問題だと思うので、そういった未来のことも考えて、羽生選手はあえてこう発言してくれただろうと、私は思います。
長年、フィギュアスケートの男子を見ている方は知っているかと思いますが、日本の男子フィギュアスケートは、本田さん、高橋さん、織田さん、小塚さんを含め、みんなそれなりに日本の中にある「偏見」と闘ってこなければならず、高橋さんや織田さんなどは、子供時代にフィギュアスケートをやっていたことで、からかわれたりいじめにあっていたり、ということを告白してくれたことがあります。
羽生選手にも、当然あったことでしょう。
今回、平昌五輪で、本田武史さんも、高橋大輔さんも、そして特に織田信成さんなんか、メダルセレモニーの直後にそれはもう激しく泣かれていましたけど、
羽生選手が今シーズン乗り越えてきた痛みや困難がどれほどのもので、あの怪我の状態で滑ることがどれほど大変で、また、どれほどのプレッシャーがあったかを理解できるからだけでなく、
彼らが通ってきた時代の、男子シングルに対する世間の眼差しや、放送も深夜が中心だった時代を経てきたことを思えば、
この平昌五輪での素晴らしい結果や、羽生選手が成し遂げたことの意味が、本当に感慨深く、感動の一言だったからだろうと、私は思います。
諸先輩方が、総力を挙げて応援してくれたのは、羽生選手もきっと嬉しかったのではないでしょうか。
私が、羽生選手の過去の映像を見てきた中で、一番胸が痛く、本当に切なくなったことのある映像は、
小学生ぐらいの羽生選手が、カメラに向かって、「大ちゃん(=当時の高橋大輔選手のこと)みたいに、カッコよく撮って~!」って、無邪気に甘えながらカメラマンにしゃべっている映像を見た時でした。
この甘えん坊で無邪気だった笑顔を、待ち受けていた未来は、どんなものだったでしょうか。
ソチ五輪以前の羽生選手を知っている方々なら、わかるかと思います。
…ただ、ソチ五輪の金メダル獲得の時、羽生選手が発揮できた試合での強さというのは、
長いこと国内で「アウェイ」な状態を耐え抜いてきて、経験し続けてきたからこそ、
生み出されたものだったように私は思いました。
その時、それまでに羽生選手を見てきながら感じていた私の悲しみや心の痛みや、やりきれない想いは、
神様への感謝と感動、悲惨な出来事にも深い意味があることへの強い希望へと、変えられました。
羽生選手は、「週刊誌の問題とか色々あった時に」という言い方をされたので、週刊誌のねつ造や嫌がらせ記事はもちろんですけど、それだけでなく、それ以外にも色々あった様々なことをも、全て含めていると思います。
フィギュアスケートのファンの中には、「羽生ファンで他のスケーターのアンチ」や、「特定スケーターのファンで、羽生選手のアンチ」の両方がいますから、今回のアイスショーに呼ぶメンバーを決める時も、
恐らく羽生選手はそこまで配慮して、色々大変だったのではないかと想像されます。
でも、結果的には、素敵なメンバーになったと思いますし、ショーも本当に素晴らしかったです!!
もう一つ。
羽生選手には「ファンという名によって行われる暴力」も存在してきました。
これには、正確には、2種類あります。
一つ目は、羽生選手をだますためにファンを名乗っているだけで、実はアンチな人々による、完全な嫌がらせ目的の、酷い人権侵害行為の数々を行ってきた人々。
羽生選手に対しては以前から、
「羽生ファンを装った、発狂的アンチによる 深刻な嫌がらせ」を行う、悪質なものがあります。
例えば、ソチ五輪以前に、 わざわざファンを装って羽生選手に手紙を書き、演技の悪口や苦情を書いて、当時の真面目な羽生選手サイドから返事をもらい、その内容を読んで仲間内であざ笑っていたというほどの、超のつく、信じがたいほど悪質な人々がいました。
ハッキリ言って異常なレベルです。
完全に「いじめ」といって良いでしょう。
私は2012年の頃から気が付いていますが、こういう異常なまでのことをする人たちや、異常なアンチ活動を先導する人たちの特徴は、みなオカルトに関わりがあること。
羽生選手に対する執拗な攻撃をしている人たちや、それらを扇動している人たちは、(羽生選手が高校生の頃からずっといるのですが) そのプロフィール蘭に必ずと言ってよいほど、オカルトに関わっていることが私から見れば明確にわかる「何か」が書かれていたり表示されていました。(だからこそ、私はある記事を何度もUPさせてもらっています。)
だから、この人たちに何の力が働いているのかよくわかります。
羽生選手は、これについては聖書に基づいた、こういう問題に対する正しい対処法で対処していくのがベストと思います。
もう一つは、本当のファンによる、「プライバシーの詮索しすぎの行為」や、「感謝の強要」等から結果的に起きてくる、羽生選手にも本来あるべき個人の自由を完全に奪う行為。
数年前、羽生選手が単に未来について「結婚願望がある」と語っただけで、大騒ぎになったことがありました。
20歳の青年が、結婚願望があると答える。… 別に、普通のことですよね?
それなのに、あらゆる憶測が流れ、勝手な妄想や思い込み等から、「裏切られた」などの声までいくつもあがって色んなことを書かれ、「結婚願望があります」という、極めて一般的な言葉さえ、羽生選手が答えにくい状況になってしまったこと。
それが、今回の平昌五輪から帰国直後の会見で、「将来家族を…」などという質問を聞かれた時に、
「…なんと答えてよいのかわかりません。」「ファンの皆さんに裏切られたって言われるかもしれないから」となどと、羽生選手が答えた理由につながったと思うのです。
マスコミは、「羽生選手がファンに配慮」なんて書いていたし、確かにそう書くしかないだろうとは思うのですけど、
どう見ても私には、羽生選手の苦渋の言葉だったように感じましたし、
私は、そんな風に答えさせてしまう状態は、ちっとも良い状態じゃないと思いました。
それなのに、事情を知らない一般人から、「自分でアイドルと勘違いしているのでは」などと批判している声もあって、さらに気の毒になりましたけど、そうではなくて、
羽生選手は、実際に過去に、一部のファンにそのように散々言われてしまった経験があるのです。
それで配慮して、そのように答えたと思います。
そして、一部のファンの そういう姿勢が結局、羽生選手が最も嫌がる 「ねつ造記事連発」につながってきたのは明らかですから。
ねつ造記事はねつ造記事で、それを書く側が一番悪いのは、もちろん、言うまでもないことですが。
今回、「色気というと僕は好きじゃない」と初日にわざわざ言ったり、「答えたい質問を選ばせてもらった」と二日目に答えていたのは、ツイッターでわざわざ募集した質問の中に、明らかな嫌がらせや、明らかに羽生選手が傷ついたり嫌がったりするとわかるようなものをわざわざ書いている人たちが何人もいましたので、それを避けたかったと思われますし、意思を表明したのだと私は思いました。
そもそも「平昌五輪の内容に限ります」とわざわざ注意書きをしていたのは、余計なプライバシーにまで踏み込まれすぎるのを避けたかったからだと思いますが、それなのに、そういうことをあえて聞くような質問を書いていた人たちが残念ながら何人もいました。
それが最終日には、「すみません、僕の一存で勝手なことをしました」(…だったかな?)となぜか謝る羽目になり、出来るだけ多くの質問に答える、などという展開に変わったのですが、それを言った時の羽生選手は明らかに辛そうな表情を一瞬見せたので、羽生選手の本意ではなかったのだろうと感じました。
羽生選手に、自分が知りたい質問を何でもかんでも見境なく答えてほしいと思っているファンや、
プライバシーの細部まで根掘り葉掘り知りたいと思っているファンは、
自分が絶えずそのように、誰かに質問され詮索され、自分でコントロールする権利さえなく、プライバシーやねつ造情報を、マスコミはもちろん、ファンを名乗る人たちにさえ、世界中に一瞬でバラまかれるような生活を送ってきた 羽生選手の気持ちを、考えてみたことがあるでしょうか。
羽生選手はアイドルじゃないし、ロボットでもないし、ファンの奴隷でもない。
真剣に試合をしてきたアスリートであり、フィギュアスケーターです。
いくら羽生選手が「応援を感謝」してくれるからって、それを当たり前に思い、
いきすぎた要求や感謝の押し売りをしたら、ただの暴力になってしまいますので、気を付けたいですね。
羽生選手にも、ロシアの ザキトワ選手みたいに、「…その質問はいい質問ではないわね。」と
キッパリと言い返して拒否する権利ぐらい、認めてあげなければならないし、
五輪2連覇した王者の羽生選手だからこそ、
今後の日本の後輩たちのことを考えても、
「選手は何でもファンの要求に答えなければならない」かのような間違った先例を作ったり、
そういった土台を作ってはダメだろうと私は思います。
最終日は、羽生選手への質問コーナーが終わった後、最後にリンクから消えていくとき、
「辛いこといっぱいあるけど頑張ろう!」と背中を向けたまま、わざわざ叫んでみせた羽生選手の姿を観て、
2日目の様子との大きな違いに、私は胸が痛くなりました。
羽生選手は「Continues ~with Wings~」の最終日の最後に、
現役中はここまでプロデュースするのは難しいかもしれないけど、いつか引退したらその後は、またこのアイスショーを続けていきたいと思っているということと、
それでこのアイスショーが、「皆さんの幸せの一部になれたらいい」という理想を語ってくれました。
羽生選手は、「何一つ、無駄なことはない」ということを、このショーで表現したかったと語り、
「自分は決して強いわけじゃない。だけど、自分の弱さを知っている。」と語り、
最後に、「何回も死のうとしたことがあった」とまで告白したのは、
単に表面的なものだけで メンタルが強いとしか思われていない一部の人たちからの嫉妬やバッシングも含めて、
自分にもきちんと心があるということ、誰でもそういうものだということ、
それでも、そういうものを乗り越えて来られたということを知ってもらい、
今、もし、「死にたい」とか、「死のうとしている」人がいたら、
自分もそうだった、でもそれを乗り越える希望がある、ということこそを伝え、
もし、周囲にそのような人がいそうだったら、
誰かがその人の気持ちに気が付いてあげてほしいという思いをも込めながら、
生中継であるがゆえに、「あと何分残っているか」をとても気にして、
その短い時間内で、伝えられること、伝えたいことを必死で伝えようとしてくれていたと思います。
選曲も衣装も振付も構成も、よく考えられていたと思いますし、
本当に、とてもとても素敵なアイスショーでしたし、
今まで見たことのある中でも、一番良かったかも…と私は思いました!!
羽生選手、ありがとう…!!
羽生選手の周囲に、優しい希望の光が、どんどん広がっていきますように…!!
ソチ五輪の時に続いて、今回も、金メダルの報奨金の全額を被災地に寄付したという羽生選手。
そんな羽生選手にも、そして被災地にも、
この世の全てをご存知の神様からの、大いなる祝福が注がれていきますように…!!
主イエス=キリストの御名によって祈ります。アーメン。
「いかに幸いなことか。
神に逆らう者の計らいに従って歩まず
罪ある者の道にとどまらず
傲慢な者と共に座らず
主の教えを愛し
その教えを昼も夜も口ずさむ人。
その人は流れのほとりに植えられた木。
ときが巡り来れば実を結び
葉もしおれることがない。
その人のすることはすべて、繁栄をもたらす。」
(旧約聖書 詩編 1章1~3節 新共同訳より)
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