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試合では出しきれない才能の片鱗を見せるスケーターたちと、それぞれに豊かな個性の咲き方

2017-06-13 | フィギュアスケート全般について

 

 

ファンタジー・オン・アイス2017幕張で、羽生選手は素晴らしい演技を披露して下さいました。

 

解説が言っていたように、ショーの雰囲気を、「ここは試合会場か」というほどの、

並々ならぬ真剣さと緊張感で会場を一変させることが出来るのは、羽生選手が本当に全身全霊で取り組んでいるからなのでしょう。

 

試合のチケットはきっと激戦になって、見ることが出来ない人もかなり増えるであろう今年、

選手たちが人生をかけて、最も本気で取り組む、「五輪でのショートのプログラム」の演技を

(まだ完成形ではなかったとしても、)見る機会が増えたのは、有り難いことかな、と思います。

 

 

一方で、試合では必ずしも、あるいは決して、発揮しきれないような特異な才能を主に持っている選手やスケーターも沢山いて、

そんな才能の片鱗を見せて下さった演技を、複数のアイスショーの演技から、少しだけここに載せてみたいと思います。

 

 まず始めは、最近世界中のショーに引っ張りだこだという、エラッジ・バルデ選手。

 

「ファンタジーオンアイス2017幕張」では、大黒摩季さんと、彼女の代表曲「熱くなれ」で滑って下さいましたけど、

これを見れば、なぜ世界中のショーに引っ張りだこなのか、よくわかります。

バック・フリップが跳べるスケーターというのは、やはり何か身体能力というか、筋肉の質が違うのでしょうか。

すごく躍動感があって、リズム感も優れていて、なおかつ、本当に楽しそうですね。

大黒摩季さんとのコラボが、とても合っています。

羽生選手とはまたちょっと違った、氷上での身体能力のずば抜けた高さが、とても良くわかる楽しい演技でした!

 

 

次に、ピアニストの清塚信也さんが弾き、大黒摩季さんが歌い、アンナ・ポゴリラヤ選手が滑って下さったこちら。

 

これは素晴らしいコラボでしたね。

清塚さんのピアノも、大黒さんの歌も、ポゴリラヤ選手の個性も、それぞれが良く引き立て合って、それぞれが素晴らしかったと思いました。

特に、大黒摩季さんの歌… パワフルでソウルフルな歌が得意なイメージの強い彼女ですが、このような「自分の持ち歌」ではない、しっとりとした曲も、こんなに素晴らしく心を込めて歌って下さって、感動しました。

ある程度の人生経験がないと出せない良さと深みが響いてくるようで、とても素晴らしかったと思います。

ポゴリラヤ選手は、「フィギュアスケートの女王とは、こうあってほしい」というようなイメージ像に近いものを沢山持っている選手で、だからこそというか、彼女のもつ繊細な側面が試合の結果に結びつかないことも時々見られるのですが、

こういう演技でその繊細さが生かされているのを見ると、見ている側も嬉しいですね。

色んな思いがあふれたのでしょう… 演技の最後には泣いています。 そんなところもまた彼女の魅力かなとも思います。

 

 

こちらは、私が大ウケしてしまった、織田さんと大黒摩季さんのコラボ「あなただけ見つめてる」

 

珍しくカッコつけた系の演技で最初からノリノリの織田さんですが、冒頭の場面で下を向いている姿も、

突然指を指したポーズも表情も、どこかおふざけ感が満載で、面白くて大ウケしていた私ですが、

突然指さされた女性の驚き度に、二度笑ってしまいました。 

でも、あれは驚きますよね。(笑)

氷上に移動すると、今度は さわやかに演技して下さいました。

織田さんは、現役の頃よりも、演技もさらに充実して見えますし、生き生きしていますね。

織田さんほど、実力の割に五輪と縁がなかった選手もなかなかいないのでは、と思うような、実に驚くほどの試練を、

トリノ五輪、バンクーバー五輪、ソチ五輪、と、3度のチャンスとも通らされた織田さんでしたが、

(出場できたのはバンクーバー五輪だけとなりましたが…)

そんなところは、彼の今の優しさや活躍につながっているように思いますし、演技にもにじみ出ているように思います。

 

 

こちらは、ついに現役のまま30歳を迎えた、カロリーナ・コストナー選手の演技。

新シーズンのエキシビションだそうです。

 

ベテランの美しさがにじみ出る、一つ一つの動きが素晴らしいです。

今回でもジャンプに失敗がありますが、長年の現役生活で、大きな試合では必ずしも、本番に強いタイプとは思われなかったコストナー選手でしたが、ここまで長く現役を続けていけば、それなりの実を実らせていくものですね…!!

やはりスケートが好きだからこそ、なのでしょう…  その姿勢だけでも、観る者に感動を与えてくれます。

 

 

 

 

こちらは、プリンス・アイスワールドで披露された、町田樹さんの演技「ドン・キホーテ」

これは凄い! これはもう、本当に氷上のバレエと言って何の遜色もないでしょう!!

氷上のバレエを目指していることはわかっていましたけど、ここまで本格的に、完全にバレエ化させたかったのか…!という驚き。

町田さんはこういうのがやりたかったのだね… と思うと、あの引退も、納得です。

 

羽生選手とは、今は違った道を歩んでいる彼ですが、なんか見ていて嬉しくなりましたね。

 

それぞれの個性の違いは、見ていて本当に面白いですね。

 

 

こちらは、プルシェンコさんの今年の、別のアイスショーの演技。 

過去のじゃなくて、「今年の」というのが驚きです。

何度大怪我して、大手術をしても、復活してきては驚かせ続けた驚異の彼ですが、

引退を決めたとはいえ、それでもまだこんなに滑れるのか…と驚かされます。

さらにプルシェンコさんが本当に凄いのは、

彼はたとえほとんど滑っていなくても、たとえ身体能力が全盛期とはかなり違っていたとしても、

その魂と霊だけで、むしろさらにすごい演技が出来る… 正真正銘の真の芸術家だとハッキリわかる演技をするところです。

 

やはり皇帝と呼ばれてきただけのことはあります。

ひょうきん系だったり、笑いを誘うようなコミカルな演技も大いに得意で、ふざけたことや、

冗談もとても良く言うプルシェンコさんですが、

本気で演技をさせた時には、やはり外のスケーターや選手たちとは、全然次元が違ってきますね…。

 

 

で、こちらが、その対極演技とも言うべき、プルシェンコさんの爆弾演技。

 

今さら説明はいらないですね。

この演技は、なんと10年ぶりだそうです。

これは、プルシェンコ・ファンの方々からのリクエストだったそうですが、

今も継続してプルシェンコ・ファンとして残っている人たちの中には、これをまた見たい人たちがいるのだな…と思いました。(笑)

( この演技で爆撃されてしまい、ファンを名乗らなくなった人たちも、当時はいましたからね。)

 

改めて見て、「うーん、やはりこれはプルシェンコさんだからできる個性だよね…」としみじみと思いました。(笑)

 

この客席の女性は、ノリが良くて良かったですね!

 

 

 

こちらは、新シーズンのハビエル選手のショート演技「チャップリン・メドレー」

 

羽生選手と対極な個性が際立つプログラムですが、ハビエル選手の良さが出ていましたね。

この回ではジャンプは失敗していますけど、ハビエル選手は、滑りが本当に上手くなり、その技術力が特に際立っていました。

また、以前とは比較にならないほど表現面が本当に上手くなっていて、改めて驚きましたね。

ハビエル選手が、このプログラムがとても好きだというのが、とても良くわかる演技… 

見ていて、試合用のプログラムだという気がしませんでした。

そして、羽生選手とは全然違う個性…  こういう味は、羽生選手にはないものですよね。

素晴らしかったと思います。 4年前とは別人のようです。

なかなかハイレベルな五輪になるだろうな…と思わされ、選手たちは大変だな…と思いました。

見る側は、良い演技が沢山見られるのは、楽しいと思いますけど…

 

 

最後に、羽生選手の演技を。

色々見ていて、素晴らしい演技は沢山あるのですが、

やはり私は羽生ファンなんだな…とつくづく思うのは、羽生選手の演技を見た時です。(笑)

 

 

圧巻でしたね。

今まで、羽生選手とは違う個性のスケーターの演技を色々見ましたけど、つまりは羽生選手の個性も、他にはないものですから…。

色々なタイプの演技がこなせてしまう羽生選手ですけど、

どんなもので勝負をかけるべきかというのは、本当に難しいところですが、

やはり羽生選手に際立っているのは

なかなか見られないほどの真剣さかもしれません。

 

4回転を跳ぶことも含めて、ショーでこんなに本気で演技している人を、見たことがないような気がします。(笑)

(他の人が本気じゃない、などという意味ではありません、もちろん。)

 

特に、プルシェンコさんの「爆弾」演技の直後にこれを見ると、そのギャップの凄さに、笑えてくるほどです。

(プルシェンコさんも、ものすごく本気であれをやっていると思います、もちろん。(笑))

 

 

最後に、ポゴリラヤ選手が滑ってくれた「ROSE」の、元の曲の、英語歌詞と日本語訳のついた動画を張っておきます。 

 

 

 

なかなか素晴らしい歌詞ですね。

 

人の生い立ちには色々あって、「自分なんか…」という思いで生きていらっしゃる方も、それなりに大勢いるかと思います。

 

でも、親がどんなであろうとも、自分の出生につながる「親の事情」がどうであったとしても、

そのこととは関係なく、人という存在は皆、一人一人が神様の目には「尊く」「唯一で」「愛されている」存在であり、

目的をもって造られたのだ、と聖書は語っています。

 

「種」は、自分が一体どんな花を咲かせるのか、知りません。

でも、その中には、きちんと、どんな花になるべきかの情報が、予めプログラミングされているのです。

 

人には好みがあるし、相性もある。

興味も違えば、特技も違う。

悲しみも、人生において通らされる試練も、それぞれ違います。

それも、意味があって、目的があるからこそ、だと聖書は語ります。

 

 

神様の目に、「たんぽぽ」と「バラ」の花に優劣はなく、「赤いバラ」と「黄色いバラ」に、優劣もありません。

 

赤いバラなのに、「黄色になれ!」と言われると困難で、どんなに努力しても、そこだけは無理だったりします。

 

桜なのに、スミレの花になろうとすると苦しくなり、生きるのがとても辛くなってきます。

 

努力してもどうしても無理な時は、進むべき道やあり方が間違っているだけの可能性も多々あります。

 

 

 

お一人お一人が、咲かせるべき、素晴らしい花を咲かせられますように…!!

 

 

「野原の花がどのように育つかを考えてみなさい。

働きもせず紡ぎもしない。

しかし、言っておく。

栄華を極めたソロモンでさえ、この花の一つほどには着飾っていなかった。

今日は野にあって、明日は炉に投げ込まれる草でさえ、神はこのように装ってくださる。

まして、あなたがたにはなおさらのことである。」


(イエス=キリストの言葉   ルカによる福音書 12章27節~28節 新約聖書:新共同訳より)

 


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