北海道常呂郡訓子府町にあった日ノ出駅は、根室本線の池田駅と石北本線の北見駅とを結んでいた全線単線非電化の旧国鉄池北線(140.0km)の仮乗降場として、1947(昭和22)年2月11日に開業しました(開業時は網走本線に所属)。
1950(昭和25)年1月15日に一般駅に昇格後は、単式ホーム1面1線の他に貨物側線を有し、駅の裏手にあった訓子府石灰工業への貨物線も有していました。 しかし、その後の日ノ出駅の貨物・荷物取扱いの廃止とそれに続く1986(昭和61)年11月1日の駅の無人化により、単式ホーム1面1線だけになりました。
一般駅の昇格時に建てられた木造駅舎は、無人駅化後もそのままの姿で解体されずに残っていましたが、北海道ちほく高原鉄道に転換後の1998(平成10)年11月に新しい駅舎に建て替えられました。
日ノ出駅が属していた池北線は、1980(昭和55)年12月の国鉄再建法(日本国有鉄道経営再建促進特別措置法)施行による特定地方交通線選定の際には第2次特定地方交通線に選定されますが、営業キロが140kmもあった長大路線であったため地元の自治体が特別な配慮を求めたことや、沿線道路が未整備だったため、冬季の代替輸送に問題があるなどの理由により、1984(昭和59)年6月22日に一時廃止承認が保留されたものの、その後、運輸省(現在の国土交通省)の調査結果を受けて1985(昭和60)年8月2日に追加廃止承認されてしまいます。
しかし、池北線は長大4線(名寄本線・標津線・天北線・池北線)の中では最も営業係数(100円稼ぐのに必要な費用)が低かったことと沿線自治体や住民の熱意により、1988(昭和63)年11月14日の対策協議会において第3セクターとして存続することに決定しました。
そして池北線は、1987(昭和62)年4月1日の国鉄分割民営化により北海道旅客鉄道(JR北海道)に承継された後、1989(平成元)年6月5日に第3セクターの北海道ちほく高原鉄道に転換されますが、2006(平成18)年4月21日に同鉄道が経営悪化で廃止されたことにより、日ノ出駅も廃駅となりました。
<日ノ出駅の年表>
・1947(昭和22)年2月11日:網走本線のの仮乗降場として開業
・1950(昭和25)年1月15日:一般駅に昇格して、貨物・荷物取扱い開始
・1961(昭和36)年4月1日:網走本線のうち、池田~北見間が池北線に改称されたことに伴い、同線の所属となる
・1962(昭和37)年4月1日:駅の業務委託化
・1982(昭和57)年9月10日:貨物取扱い廃止
・1984(昭和59)年2月1日:荷物取扱い廃止
・1986(昭和61)年11月1日:駅の無人化
・1987(昭和62)年4月1日:国鉄分割民営化により北海道旅客鉄道(JR北海道)に承継される
・1989(平成元)年6月4日:北海道ちほく高原鉄道ふるさと銀河線の駅となる
・1998(平成10)年11月11日:木造駅舎を解体し、新駅舎に改築・使用開始
・2006(平成18)年4月21日:北海道ちほく高原鉄道が廃止されたことに伴い、廃駅となる
(駅 名 標)
(日ノ出駅駅舎)
撮影年月日:1989(平成元)年3月19日