ここ半年で読んだ本で印象に残った本です。
「永遠の0 (ゼロ)」百田 尚樹
前にお勧めした「BOX」と同じ作者です。
同じ作者だと知らずに購入したのですが、作風が全く違うので同じ作者だと知った時驚きました。
現代の若者が祖父の事を調べて行くに従い戦死した祖父や当時の兵士達の実像を知って行く物語です。
戦争と言う個人では抗えない環境で普通の人が何を考え行動したのか、本当のところは経験した方しかわかりませんが、概念やあるべき論などではなく、迷いながらも生きる為に人を殺さねばならない普通の人に焦点をあてて描かれてゆきます。
作者と私が同世代のせいでしょうか、私はこの小説が描く思いに共感を覚えました。
是非読むべし
「 風の中のマリア」百田 尚樹
これは著者見て購入、期待通りの面白さ。
主人公がスズメバチというのが独特。人間は出てきません。
嫌われ者スズメバチにおもわず感情移入。
みつばちハッチのようにほのぼの感は全くなくスリリングな戦いの一生。
生態がリアルに書かれていてお勉強にもなります。
読むべし
「八日目の蝉」角田 光代
名作。 と思う。
前半と後半のコントラストがよい。
「おろそうと思っていた。だって不可能だ。・・・・けれど、緑の季節に生まれると聞いたとき、その気持ちが一瞬でふっとんだ。・・・この子は目を開けて、生い茂った新緑を真っ先にみなくちゃいけない。」
子供に対する母親の気持ち。男にはわからない。だからこういう台詞にぐっときてしまうのかも。
読むべし
「警官の血」佐々木譲
面白いのだが、それは舞台が上野や谷中と言った地元の知った地名だからこそかもしれない。親子3代に渡る警官の物語。
戦後から現代に至る世相や実際にあった事件を上手に物語りに絡めている所も興味深い。
3代にわたって引きずる事件の発端も実際にあった谷中墓地の5重の塔火災。
その脇に今も駐在所はあり、作中に出てくる店や場所などあそこだとピンとくる。
テレビドラマを見逃したのが残念。
人により読むべし
「のぼうの城」
「忍びの国」
「小太郎の左腕」
和田竜
面白い。読みやすいです。でも文庫か図書館で読めば十分かも。
新刊で購入してずっと本棚へ入れておきたいとまで感じないということ。
時代小説なのだがちょっと出来すぎな感じ。
テレビや映画の原作にするに丁度良い感じ。
3冊の中では「忍びの国」が一番好きです。
人により読むべし
「ワイルドソウル」垣根涼介
はじめ、ワイルドスワンに対抗して韓国の民主化運動の話かと思った。ソウルは魂の意味なのね(笑)
ストーリーは大した事ないのだが、背景にあるブラジル移民の真実が衝撃。
知らなかった。本筋より物語はじめのこの辺りを描いた部分が一番よかった。
国策でブラジル移民を推奨した国と外務省の無責任さとそういう過去があったことを知らない自分を恥じ入りました。
読むべし
「告白」
「少女」
「贖罪」
湊かなえ
何の気なしに買ったのだがめちゃ面白!
新しい才能が出てきたという感じですが3冊とも似たような傾向。
初めて読んだ「告白」は衝撃的でしたが、2冊目3冊目は暗い側面を持つ人間というテーマは同じなので印象薄い。
あ、でも読んでいるときは面白いです。
東野圭吾的な感じですかね?
作者の才能はすごく感じる。今後の作品も期待。
是非読むべし
「と銀行」森功
ノンフィクションです。
大阪梅田の駅前の再開発、明らかな建築基準法違反な高速道路が突き抜けるビルなど、バブルを駆け抜けたドン小西邦彦と三和銀行の癒着をまとめた本
本人は亡くなっているからこそ世に出す事ができたのでしょう。
ただ、それでも差しさわりの無い無難な事のみという印象は受けます。
実際はもっと大勢の人間が絡んでいるはずなのですが、今はかけないのでしょう。
人により読むべし
「ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない」黒井勇人
どうでもよい本、「電車男」に通じる。
なぜ印象に残っているかと言うと私の勤める業界と同じだから。
かなり笑える。
まぁ笑えるのはこの本の会社ほどひどくない会社に勤めているから。
でもすごくわかるんだよね。
事実だから...
似たような現状にある人達はこの業界いっぱいいるのでそういう方々は笑えないでしょう。
人ごとだから笑えるのです。
その意味でもブラックな感じ。
気分しだいで読むべし
「猫を抱いて象と泳ぐ」小川洋子
無名のチェス名人の話。
チェスをメインに据えた小説ってかなり難しいとおもうのだが、そこは小川洋子さすがです。
他人から見ればみじめな一人ぼっちの人生に見える主人公なのですが、チェスとわずかだが真の理解者が数人いれば幸せを感じる主人公に自然と心が寄り添ってゆきます。
ラストはあっけない死で終わるのですけど、表舞台に立たせてあげたかったなぁと読んでいて感情移入しちゃいました。
読むべし
「哂う合戦屋」北沢秋
軽い読み物。読みやすいし時代物が好きなら面白い。
漫画を読んでいるような感じがする。
最後の最後にこの表題が生きてくる。最後の数行を書きたい為に延々と物語をつづったんだなぁとわかる。
気分しだいで読むべし
「マエストロそれはムリですよ」山形交響楽団
地方のパッとしないプロ楽団が駄目もとで頼んだ指揮者の元奮闘するノンフィクション。
今では毎年東京公演まで行いCDまでリリースする元気な楽団へ。
小説ではないのですが、それだけにリアルな出来事として元気をもらえる。
東京公演今度いってみようかな?
くじ引きでさとう錦(さくらんぼう)がもらえるらしい。
知人は去年当たったとか。
人により読むべし
「サウスバウンド」奥田英朗
めちゃ面白い。前半は中野、後半は沖縄が舞台だが、前半が断然良い。
同じ作家をこの後続けて読んだがこれが飛びぬけてよい。
むかしはこういう変わり者おやじいたなー。
映画も見たけどこれは駄作。最悪だった。
是非読むべし
「官僚たちの夏」城山三郎
テレビは面白かった。
小説はどうでしょう。作者の登場人物への感情移入がされていないので人によっては飽きてしまうかもしれません。内容は結構よいとおもいますけど。
テレビは官僚達を好意的に描いていたのですが、小説では公平な視点で登場人物の言動を描いているので、そこから何を感じ取るかは読者次第です。
戦後日本の発展に大きく寄与した事実は事実として描く一方で、非常に独善的で世間常識からずれている姿を感じ取れます。
読むべし
長い日記になりました。
書くのに飽きたのでこれくらいでおしまい。
「永遠の0 (ゼロ)」百田 尚樹
前にお勧めした「BOX」と同じ作者です。
同じ作者だと知らずに購入したのですが、作風が全く違うので同じ作者だと知った時驚きました。
現代の若者が祖父の事を調べて行くに従い戦死した祖父や当時の兵士達の実像を知って行く物語です。
戦争と言う個人では抗えない環境で普通の人が何を考え行動したのか、本当のところは経験した方しかわかりませんが、概念やあるべき論などではなく、迷いながらも生きる為に人を殺さねばならない普通の人に焦点をあてて描かれてゆきます。
作者と私が同世代のせいでしょうか、私はこの小説が描く思いに共感を覚えました。
是非読むべし
「 風の中のマリア」百田 尚樹
これは著者見て購入、期待通りの面白さ。
主人公がスズメバチというのが独特。人間は出てきません。
嫌われ者スズメバチにおもわず感情移入。
みつばちハッチのようにほのぼの感は全くなくスリリングな戦いの一生。
生態がリアルに書かれていてお勉強にもなります。
読むべし
「八日目の蝉」角田 光代
名作。 と思う。
前半と後半のコントラストがよい。
「おろそうと思っていた。だって不可能だ。・・・・けれど、緑の季節に生まれると聞いたとき、その気持ちが一瞬でふっとんだ。・・・この子は目を開けて、生い茂った新緑を真っ先にみなくちゃいけない。」
子供に対する母親の気持ち。男にはわからない。だからこういう台詞にぐっときてしまうのかも。
読むべし
「警官の血」佐々木譲
面白いのだが、それは舞台が上野や谷中と言った地元の知った地名だからこそかもしれない。親子3代に渡る警官の物語。
戦後から現代に至る世相や実際にあった事件を上手に物語りに絡めている所も興味深い。
3代にわたって引きずる事件の発端も実際にあった谷中墓地の5重の塔火災。
その脇に今も駐在所はあり、作中に出てくる店や場所などあそこだとピンとくる。
テレビドラマを見逃したのが残念。
人により読むべし
「のぼうの城」
「忍びの国」
「小太郎の左腕」
和田竜
面白い。読みやすいです。でも文庫か図書館で読めば十分かも。
新刊で購入してずっと本棚へ入れておきたいとまで感じないということ。
時代小説なのだがちょっと出来すぎな感じ。
テレビや映画の原作にするに丁度良い感じ。
3冊の中では「忍びの国」が一番好きです。
人により読むべし
「ワイルドソウル」垣根涼介
はじめ、ワイルドスワンに対抗して韓国の民主化運動の話かと思った。ソウルは魂の意味なのね(笑)
ストーリーは大した事ないのだが、背景にあるブラジル移民の真実が衝撃。
知らなかった。本筋より物語はじめのこの辺りを描いた部分が一番よかった。
国策でブラジル移民を推奨した国と外務省の無責任さとそういう過去があったことを知らない自分を恥じ入りました。
読むべし
「告白」
「少女」
「贖罪」
湊かなえ
何の気なしに買ったのだがめちゃ面白!
新しい才能が出てきたという感じですが3冊とも似たような傾向。
初めて読んだ「告白」は衝撃的でしたが、2冊目3冊目は暗い側面を持つ人間というテーマは同じなので印象薄い。
あ、でも読んでいるときは面白いです。
東野圭吾的な感じですかね?
作者の才能はすごく感じる。今後の作品も期待。
是非読むべし
「と銀行」森功
ノンフィクションです。
大阪梅田の駅前の再開発、明らかな建築基準法違反な高速道路が突き抜けるビルなど、バブルを駆け抜けたドン小西邦彦と三和銀行の癒着をまとめた本
本人は亡くなっているからこそ世に出す事ができたのでしょう。
ただ、それでも差しさわりの無い無難な事のみという印象は受けます。
実際はもっと大勢の人間が絡んでいるはずなのですが、今はかけないのでしょう。
人により読むべし
「ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない」黒井勇人
どうでもよい本、「電車男」に通じる。
なぜ印象に残っているかと言うと私の勤める業界と同じだから。
かなり笑える。
まぁ笑えるのはこの本の会社ほどひどくない会社に勤めているから。
でもすごくわかるんだよね。
事実だから...
似たような現状にある人達はこの業界いっぱいいるのでそういう方々は笑えないでしょう。
人ごとだから笑えるのです。
その意味でもブラックな感じ。
気分しだいで読むべし
「猫を抱いて象と泳ぐ」小川洋子
無名のチェス名人の話。
チェスをメインに据えた小説ってかなり難しいとおもうのだが、そこは小川洋子さすがです。
他人から見ればみじめな一人ぼっちの人生に見える主人公なのですが、チェスとわずかだが真の理解者が数人いれば幸せを感じる主人公に自然と心が寄り添ってゆきます。
ラストはあっけない死で終わるのですけど、表舞台に立たせてあげたかったなぁと読んでいて感情移入しちゃいました。
読むべし
「哂う合戦屋」北沢秋
軽い読み物。読みやすいし時代物が好きなら面白い。
漫画を読んでいるような感じがする。
最後の最後にこの表題が生きてくる。最後の数行を書きたい為に延々と物語をつづったんだなぁとわかる。
気分しだいで読むべし
「マエストロそれはムリですよ」山形交響楽団
地方のパッとしないプロ楽団が駄目もとで頼んだ指揮者の元奮闘するノンフィクション。
今では毎年東京公演まで行いCDまでリリースする元気な楽団へ。
小説ではないのですが、それだけにリアルな出来事として元気をもらえる。
東京公演今度いってみようかな?
くじ引きでさとう錦(さくらんぼう)がもらえるらしい。
知人は去年当たったとか。
人により読むべし
「サウスバウンド」奥田英朗
めちゃ面白い。前半は中野、後半は沖縄が舞台だが、前半が断然良い。
同じ作家をこの後続けて読んだがこれが飛びぬけてよい。
むかしはこういう変わり者おやじいたなー。
映画も見たけどこれは駄作。最悪だった。
是非読むべし
「官僚たちの夏」城山三郎
テレビは面白かった。
小説はどうでしょう。作者の登場人物への感情移入がされていないので人によっては飽きてしまうかもしれません。内容は結構よいとおもいますけど。
テレビは官僚達を好意的に描いていたのですが、小説では公平な視点で登場人物の言動を描いているので、そこから何を感じ取るかは読者次第です。
戦後日本の発展に大きく寄与した事実は事実として描く一方で、非常に独善的で世間常識からずれている姿を感じ取れます。
読むべし
長い日記になりました。
書くのに飽きたのでこれくらいでおしまい。
連続コメントでお恥ずかしいですが
百田尚樹さんはホントにいいですね!
「永遠の0」は正直言うと中盤ちょっとダレましたが
「BOX!」「風の中のマリア」は寝食忘れて読みふけるにふさわしい小説、引き込まれました。
百田さんの作品多くないのですが、
どれも名作ですね。
多作しなくてもよいので、今後も素晴らしい作品を世に出して欲しいです。