【ANAクラウン大阪様ご紹介のお客様、サンドラ様】
定食は「 table d'hote」では通じなかった。の巻
【ANAクラウンプラザ 午前8時30分】
山田 : おはようございます。
コンシェ
ルジュさん : おはようございます。
サンドラさんご一行様の
お迎えですよね?
よろしくお願いします。
山田 : こちらこそ、よろしくお願いします。
コンシェ
ルジュさん : あいにくの雨ですね。
傘をお持ちしましょうか?
山田 : ああ、助かります。
じゃ、すんませんけど。
※※※※※※※※※※※※※※※※※
傘を6本、車に積んでいるところへ、
お客様です。
本日は、コロンビアという、
何だかレコード会社みたいな国からのお客様。
母語は、スペイン語なのだそうです。
スペイン語通訳ガイドが
不在ということで、
山田にこの仕事が回ってきました。
ご一行様5名のうち、
英語がわかる人が2名。
この人たちが、
山田の怪しい英語の通訳をすると言います。
そう言う場合は、元の意味からかけ離れて、
ぜーんぜん違う意味に なっている・・・
なんてことがあるので、面白ーい・・
じゃないわ・・・大変だー。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
山田 : Which route would you
like to take, route 1
or Daini Keihan Express Way ?
下を走りますか?高速を行きますか?
ご一行さま : Which is better ?
どっちがいいの?
山田 : ?
(どゆこと?)
ご一行さま : Which do you think is better,
to take the route 1 or
どっちがええんでっしゃろ?
下を走るか、高速か・・
山田 : Which do you choose,
\ 2000 or 30 minutes ?
2000円が惜しいか、
30分ロスがいやか?
ご一行さま : We'd like to save \ 2000.
So the route 1 is fine.
2000円しまつします。
Please take the normal road.
普通の道でたのんます。
国道1号線を東へ。真っ直ぐ東京まで・・・・
行かないよ。 真っ直ぐ、京都へ。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
【京都駅】
お客様、カマチョさまが
USドルを円にしたいとおっしゃいます。
簡単にやってくれる場所は、
京都じゃ、ここ、京都駅の中央
郵便局か、街中(烏丸四条)の
シティバンクになります。
よって、京都駅へ。
伊勢丹側(駅西側、つまり、
西洞院通りから進入)から、
郵便局の前へ着けます。
四点を炊いて
(ハザードランプを点滅させて)待ちます。
・・・・のつもりをしていたが、
気になるので、同行した。
奥様のサンドラさまもご同行。
やっぱり、CD機は使えないようでした。
そこで、係の人に聞くと、
係の人 : ドルを円にですか?
窓口でお願いします。
窓口 : その器械のボタンを押して、
番号紙を取ってお待ち下さい。
順番にお呼びします。
あ、その前に、この紙に、
住所、お名前、お泊まり
のホテル名、そして、
こことここも、書き入れて
下さい。
山田 : Fill in this with your name.
And in this with your address.
And your hotel name comes here・・・
名前と住所。ここやで。
ほんでここにホテルの名前
書きまんねん。ほてから・・
カマチ
ョさん : No creo que tengo・・・
Oh, I don't have my hotel's
address・・・
ノクレオケ・・・ああ、
ホテルの住所もか?
山田 : Oh, leave it blank.
ええやん。書かんでも。
サンド
ラさん : Pued usar el servicio ?・・・
I wonder where is the toillet ?
あのー、おトイレあります?
見渡したが、ない。
(おトイレ、おトイレ、出て来ーい!)
出てくるわけないやん。係の人に聞くと、
ヽ(゚◇゚ )ノ
係の人 : すみません。
この中にはございません。
ポルタの地下
に行って頂ければ・・・
山田 : 行っている間に、順番が来たら?
カマチョさん、
このやりとりの意味が、わかったらしく、
カマチ
ョさん : Would you please guide my
wife to the toillet there?
I think I can manage
it here all alone.
連れて行ってあげて。
ここは、ひとりでできますから。
そういうわけで、
トイレさがしのオプショナルツアー。
そのトイレはあった。ポルタに入ってすぐ。
奥様に
山田 : Can you come back alone ?
ひとりで戻って来れます?
サンド
ラさん : Yes, I think so.
ええ、大丈夫よ。
山田、駅のTIC
(ツーリスト・インフォメーション)
に行って、外国人向けの英語で書かれた
市街地図を人数分の5部もらって来た。
戻ると、ご夫妻は無事、
換金を終え、お車に。
これにて、一件らくちゃく~~
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
【二条城】
我らがツアーは、二条城からスタート。
あいにくの雨です。
全員、傘を差します。
バモス アル カスティージョ !
いくじょ~~。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
しばらく、来ないうちに、
城はあちこち、修復が始まっています。
どこも、かしこも、
白いテントで覆い隠されています。
( どうしたのだ、一体?
秀頼の軍勢に攻め込まれたのか?)
唐門(テントの中に隠れて見えません)
の前で全員集合写真。
ウノ ドス トレス ・・カシャ。
(デジカメはカシャゆわんが)
(-^□^-)
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
【お昼】
山田 : What is your favorite luch ?
(お昼、何がよろしいですねん?)
みなさん : What ?
え?
山田 : Where would you like to
eat for lunch ?
(どこで食べまんねん?)
アナさん : Oh, yes. We'd like to go KFC.
( ケンタッキーフライド
チキンやな。やっぱり。)
北野白梅町の交差点を東に折れたところに、
それはありました。
あいにく、工事関係の車でいっぱい、
なかなか、止めれそうにない
・・・・・と思っていたが・・
あった。一台だけ、止めるスペースが。それは、
「どうぞ、山田さん、ここへお止めなさい。」
と、誘惑していた感じ。駐車違反かも。
でも、工事関係の車のどさくさに紛れているので、
ひっかかることはなかろう。
と、ええかげんな気持ちで、駐車。
「@レッツゴー」
4人がケンタッキーフライドチキンへ。
おひとり、ホセさんは、
そのお隣の居酒屋で、じっと、突っ立ったまま。
山田 : What made you stop ?
何でんのん?
ホセさん: Look。What's this ?
これやん、これ!
山田 : Oh? It's wakadori no
kara-age teishoku.
ホセ : What did you say ?
何やて?
山田 : Wakadori no kara-age,
or fried chicken.
唐揚げでんがな。
ホセ : No, no. Itlooks completely
different from
what KFC serves to us.
ケンタッキーフライドチキンと全然ちゃうやん。
山田 : Then. try ! Earting is believing.
ほな、食べなはれ。百聞は一口にしかず。
ホセ : Did you say "teishoku",. What's that ?
ほんで、ていしょくって、ゆわっはたなあ。
何でんねん?ていしょくゆうのは。
山田 : It's a table d'hote.(ターブルドート)
ターブルドートでっせ。
ホセ : What?
The word is new to me.
What's That ?
何やて?何それ?
山田 : (とにかく、定食ゆうたら、定食や。)
Teishoku is something
this restaurant arrange
so that you can enjoy all in one.
With your dish a cup of
rice comes, tea comes,
miso soup comes, picles comes・・・
何でもかんでも付いてますねん。
味噌汁も、漬けモン
も、ごはんもな。
ホセ : Sounds like a set of meal.
セットか?
山田 : A kind of.
やろな。
ヾ(@^▽^@)ノ
メニューを眺めていたホセさん。
私も一緒にこの居酒屋に 入りました。
私、山田も、
若鶏の唐揚げを食べましたところ、絶品。
うっめー。(回し者ではない)
お値段も手頃、640円とは、うれしい。
(やっぱり、回し者かも)
※※※※※※※※※※※※※※※※※
【金閣寺】
サンチョさん: おーわんだふぉ~ハート(すっげ~)
山田 : Isn't it。
そうでっしゃろ。
金閣寺を背景に全員写真。
山田 : セイ チーズ カシャ
(カシャゆわんちゅーねん)
※※※※※※※※※※※※※※※※
【京都ハンディクラフトセンター】
来るたび、業務縮小で、
売り場が少なくなっています。
段々、淋しいお店になっていきます。
お客様が来なくなった。
原因?もちろん、原発事故。
我等がお客様のホセさまも、
「放射能大丈夫ですか?」
と、くりかえしおたずねでございました。ハイ。
この店には、山田のパンフレットが
置いてあります。
確かめにいったら、
「あれ?置いてなーい。なんで?」
うろうろ、キョロキョロ・・・
「あ、あった。あんなとこに。」
見ると、我らが大先輩、
エンディさまのパンフレットのお隣に
並んで、置かれていました。
やった。何か、これで先輩と
肩を並べたのか?ちゃうで。
パンフレットを並べただけやで。
勘違いしたら、あか~ん。
【清水寺】
※※※※※※※※※※※※※※※※※
午後3時30分。雨の清水寺。
駐車場は珍しく、がら空き。
待たずに、入場。800円なり。
清水寺はん、あ、あんた
とちゃうわ。京都市はん、値下げしとおくれやすな。
長い長い参道の坂道を登ります。
両側には、お土産屋さん。
我らご一向さま。とても、うれしそう。
(コロンビアにはないのか?こういう光景は。)
やっと、仁王門前にたどり着きます。
みなさん : ケ ボニート。 (何て美しいの)
What a beautiful view.
サンドラさん: Look ! What are they doing ?
あれ?何してはんのやろ?
山田 : It's "tainai kuguri".
They look the hall as
inside the body of
Kannon Bosatsu Buddha.
Make a round inside the hall,
and you'll
have a baby with an easy delivery.
体内くぐりですわ。
お堂は観音さんのおなかですねん。
お堂の中、歩いたら、
ベイビーが授かります。
ヽ(゚◇゚ )ノ
お客様、帰りの参道は、
いそいそ、わくわく、うれしそう。
あの店、この店、
寄る店がいっぱーい。
ポケーと突っ立てる山田に、
(* ̄Oノ ̄*)
サンドラさん: Oh, if you like it,
please go back to the car.
We'll be back there at 5:00 pm.
あのー、よければ、
先に車で待ってもらえます?
5時にうちらも、車に戻りますし。
そして、お戻りは、5時30分なり。
(どうせ、そうやろ、
思うた。まあ、えーけどなぁ。)
帰りの五条坂は、だだ混み。
ただのゴミちゃうで。10分かかった。
※※※※※※※※※※※※※※※※
午後5時40分。
さあ、どうやって、ここから、たった20分で、
大阪に戻るか。
(戻れるか!アホー。)
【たまゆら】
帰路も、枚方バイパスです。
「たまゆら」を見て、お客様、
ホセ : I have to buy the work gear.
仕事着を買わなくっちゃ。
山田 : Do you ?
そうなんだ。
ホセ : Would you kindly stop off
at a work gear shop ?
ちょっと、寄ってもええ?
山田 : Of course.
ええよ。
国道1号線に、車が止められる
スペースはありません。
厚かましくも、よその会社の駐車場を拝借。
待つこと、10分。お戻りです。
サイズの合うのが、なかった、といいます。
一見、普通の体格なのに、
ないときは、ないんだねー。
※※※※※※※※※※※※※※※※※
雨の宵の国道。動きません。
(動け~、こら~。)
心で叫ぶゴタ。
午後7時45分。
ホテルに戻ってきた。はれほれひれはれ~~
おしまい。
※※※※※※※※ 山田 錦(ゴタ) ※※※※※※※バイバイ、またね
2014年 7月12日 (土)
【ホテル・ニューオータニ ロビー 午前9時】
こう、何度も、ここのお仕事を
させてもらっていると、
ゲストリレーションズでは、
ゴタの顔を知らない人は、いなくなりました。
そして、山田のお迎えのお客様が、
シュワルツさんであることも、みなさん、
ご存じの呈。
お客様は、アメリカ人家族。
ただし、お母様が、日本人。出身校は、
桃谷の
「プール女学院」
なのだとか。
お生まれは、昭和8年。もちろん、戦争体験者。
午前9時頃から、みなさん、お集まり。
お母様の日本名は、谷田さんです。
シュワルツさんというのは、
長女の旦那さんのお名前です。
Schwarz というのは、ドイツ語系の名前。
しいて、日本語に
すれば、
「黒田さん」
でしょうか。schwarz とは、黒い、という
意味の形容詞です。
マリア・カラスと並び、嘗て、一世風靡した
エリザベート・シュヴァルツコップは、
Schwarz + Kopf 黒い + 頭
さて、黒田さん一家と、山田。
無事、ホテルから、
JR大阪城公園駅まで、たどり着きました。
何が、恐かったか?
それは、山田は、きょう、はじめて、
ニューオータニから、
大阪城公園駅まで、歩いたということ。
あらかじめ、ホテルのロビー係に、
場所と行き方は、聞いていたが、
到着するまで、不安であった。
【JR大阪城公園駅】
さて、駅まで、たどり着いたので、あるが、
「どこが、入り口やねん。」
その駅舎は、どこかの、大きな倉庫のよう。
手前、右前方から、
つながっている遊歩道が、この倉庫の2階で、
合流している。2階は、賑やかな呈。
ヾ(@^▽^@)ノ
黒田の
お母様 : ねえ、ガイドさん、
この階段を歩いて上がるのですか?
私は、足腰が弱いので、できたら、
エレベーターがいいのだけど。
エレベーターが、あるのか、
ないのか、そういうことは、
初めて、ここに来た山田には、
よくわからない。
山田 : 最近、ここには
来ていないので、どうだったか、
忘れてしまいました。
探してきましょう。
娘さん : 大丈夫です。私が、支えて、上がります。
足も腰も、使わなければ、
ますます、だめになっちゃうじゃない。
黒田の
お母様 : そうね。そうだわね。上がりましょう。
ちょっと、辛口の娘さんではあるが、
動作は、若々しく機敏。
山田が、健康なら、
片方を支えても、よかったのですが、
この日、山田も、あまり体力に自信は、なかった。
山田、最近、少し歩いただけで、
息切れがするようになりました。
「強心症」
かなと思って、造影剤を点滴して、
大きな機械で、チェックを受け、
今、検査結果を待っているところ。
まあ、この今の体重、80kgを何とか、
減量するのが、先決でしょうな。
軽四輪に、10トンの荷物を積んで、
走り回っているようなもの。
そら、へこたれまっせ。
さて、2階には、キップ売り場があり、
改札口がありました。
上がってきて、正解でした。よかった。
と、
思ったのも、つかの間。
また、今度は、階段を降りるようになっています。
線路は、したにありました。
当然列車も、下に走っています。
【教訓】
線路のないところに、列車はやってこないだろう。
仕方がないので、降りた。
だが、今度は、エレベーターがあったので、
山田と、黒田の女将はんは、
このエレベーターで降りた。
そうして、撮った写真が、冒頭の左の写真。
正面真ん中が黒田の女将はん。
これから、天王寺まで、
環状線に乗って、お出かけです。
オレンジ色の列車がやってきました。
これが、大阪環状線です。
大坂市内をぐるりと一周しています。
乗り間違えても、大丈夫。必ず、一周してきます。
ただ、近年は、関空行きやら、大和路快速やら、
得体の知れない列車も、走っているので、要注意。
こういうのに、ひっかかったら、一周してくれません。
とんでもない、場所に連れて行ってくれるヨ。
【心得その1】
乗る前に、行き先を確認しましょう。
ただし、天王寺までは、どれに乗っても
大丈夫。
【心得その2】
つまり、線路のポイントが切り替わる駅を
通過するときは、注意。
(例) 西九条駅: USJ直行列車に注意。
ヾ(@^▽^@)ノ
さて、天王寺まで、行く我々は、どれに乗ってもOK。
そして、乗ったところから、天王寺までは、
1:玉造 2:鶴橋」 3:桃谷 4:寺田町 5:天王寺
4つの駅。
山田 : I'ts 4 stops to go
till Tennoji Station.
駅、4つ行ったら、天王寺でっさかい。
みな
さん : Alright.
オッケー。
【プール学院】
桃谷駅の近く、車窓から、プール学院の学舎がみえます。
山田 : Look through the window
at the school building.
That's your mother's alma mater,
Poole high school.
見なはれ。あれが、お母様の母校、
プール学院でっせ。
イギリス人主教、A.W.Poole に因む校名です。
創立は、1879年。永生女学校として、スタート。
英国聖公会から、教師が派遣され、
ミッションスクールとして開校。
1890年、プール女学院に校名を変更。
【天王寺】
さて、阪堺線の乗り場を探すのに、ウロウロ。
なんで?
山田は、住吉大社には、
何度も、行っているというのに!
なんでって、アホだからですよ。
【阪堺線】
住吉さんへは、どの電車に乗っても、
行くことができます。
「浜寺公園行き」に乗りました。
【住吉大社】
ここは、海の神様。多くの海運業者が、献納しています。
太鼓橋を、えっちらと登ります。
この橋が、住吉さんの象徴ですから。
境内は、「うさぎ」 の石像が
あちこち、たくさん見られます。
住吉の神様のご降臨は、卯の年だったことに因みます
【南海電車】
帰りは、南海本線で、戻ります。難波に出て、
戎橋筋を歩きます。
そして、道頓堀の橋の上。
有名な看板が・・・。
そう、グリコの看板とかが見えます。
黒田さんの思い出の橋。
ミラボー橋が、
アポリネールの思い出の橋であるように。
黒田さんにとって、青春の思い出の詰まった橋。
山田にとっては、
青い灯 赤い灯 道頓堀の~
ここに、黒田のおかみさんの、昔よく行ったという
お好み焼き屋さんがあるといいます。
行ってみました。
「はつせ」 というお好み焼き店です。
。
2011年 7月1日 (金)
6月29日(水)は、京都市内のホテルと、
旅館に、
売り込みに、行っていましたが、
同日、さっそく、仕事の、依頼を受けました。
それが、きょう。
行って来ました、中京区の、老舗旅館
「綿善旅館」
その旅館から、お呼びが、かかりました。
ご案内は、フランス人男性。
「えっ?」
と、思いましたが、旅館の、係の人の話では、
英語での、案内をご希望とのこと。
「うん、そりゃ、そうしてもらわないと、
山田錦の、
ガイドの、ライセンスは、英語なのだから。」
お客様は、商用で、来日。
休暇を利用しての、京都観光だと言います。
商用と、おっしゃっていたので、
匿名で、ご披露させて、いただきます。
ジョルジュ・ベックさん。
国籍は、フランス。
現在、アメリカに、居を構えているそうです。
商用のため、今回の旅行は、
奥様を、アメリカに、残しての旅行です。
※※※
午前9時。スタートです。
山田、その20分前に、到着。
山田 : Good morning,Mr.Beck.
How do you do ?
おはようございます、
ベックさん。はじめまして。
ベックさん: Good morning. Mr.Yamada.
Nice to meet you.
おはようございます、
山田はん。はじめまして。
旅館のロビー。出発前に、打ち合わせをします。
山田の、作成した、日程表に、手直しをします。
ハンディ・クラフト・センターを、やめて、
京都御所の、見学をいれます。
※※※
「 Your passport is necessary
for the application. 」
(申し込みには、パスポートが、必要ですよ。)
ベックさん、パスポートを、部屋に、取りに戻ります。
すっ飛んで、ゆかれました。
※※※
きょうは、山田は、タクシーでは、ありません。
だって、本業は、通訳ガイド。
タクシーは、アルバイト。
と、いっておりますが、
その、仕事の割合いは、タクシー30日に、対して、
通訳ガイドが、1日の割合。
それでも、本業は、ガイドだと、言い張るゴタ。
かなり、ヘンコである。
※※※
拝観申し込みのため、宮内庁の、京都事務所へ。
これは、京都御苑の、中にあります。
日本人観光客は、、当日拝観は、出来ませんが、
海外のお客様は、パスポートを、提示出来れば、
当日拝観が、可能です。
※※※
係員 : Please fill in the application form
with your name and other
necessary information .
( 申し込み用紙に、
お名前とか、書き入れて下さい。)
ベックさん: All right.
(はい。)
係員 : 付き添いの方も、
ご一緒に、見学出来ますよ。
山田 : はい、お願いします。
係員 : そしたら、その申し込み用紙の、
下の欄に、あなたの住所と、
お名前、それから、
年齢を、書き入れて下さい。
そういわれて、書き入れたのですが、
係員 : ここは、書く欄では、ありませんよ。
この外国の方の、
すぐ下の所に、書くのですよ。
山田 : (うるせーやつ!)
はい、わかりました。書き直します。
※※※
係員 : はい、これで、結構です。
では、10分前までに、
御門を、お入り下さい。
※※※
時計は、午前9時10分。
正味40分あります。
この間に、祇園を見学です。
白川に、来ました。
疎水べりの、石畳の道は、
今朝からの雨で、
しっとりとしていて、風情が、ありました。
ベックさん、この雰囲気に、
大喜びのご様子。しきりに、
「エクセレント」
なる言葉を連発されております。
※※※
この柳並木の、白川沿いには、小料理屋が
軒を連ねています。この道のなかほど、
祇園をこよなく愛した歌人、
【吉井 勇】
の、歌碑が、あります。
ベックさんは、カメラをもって、
雨にも、めげず、辰巳神社から
巽橋、紅殻格子の立ち並ぶ、保存地区まで、
あっちで、カシャ、カシャ。
こっちで、カシャ、カシャ。
「 Would you like me to take
a picture or two of you ? 」
( ベックさんも、私が、
撮ってさしあげましょうか?)
「 Not now. Maybe later.」
(あとで、お願い。)
※※
御所まで、片道、15分を見ています。
往復で、30分。
すると、ここで、
ゆっくり出来る時間は、10分。
※※
「 Sorry. A time had come so
soon for us ・・・・・・・」
(すみませんが、もう、実は、・・・・)
「 To go.」
(行かなくちゃネ)
この、「to go 」を、山田と、
ベックさん、ふたり同時に、声にした。ハハハ。
※※※
【御所】
京都御苑は、東西700メートル、
南北1300メ-トル。
周囲の長さは、どれだけでしょう?
小学生でも、答えられますよね?
え?4000メートルじゃないのって?
そうだよ。心配しなくても、正解ですぅ。
そう、だから、タクシーで、1週すれば、
1200円ほど、かかります。
この、広大な、敷地の中に、御所が、あります。
御所は、全部で、3つあります。
1: 京都御所
2: 仙洞御所
3: 大宮御所
そして、普通、御所といえば、
この「京都御所」をさします。
入り口には、
護衛官や、警察官が、立っています。
やはり、山田は、心根が、
ドロボーのようで、ちょっと、緊張します。
午前10時。専属の、
通訳ガイドさんが、やってきました。
英語が、ペラペラ。当たり前だけど、すごい。
山田ですか?舌を巻いています。
御車寄せ、
朱塗りの回廊が、巡らされている紫宸殿、
天皇の、日常の居所である清涼殿、
次々に、廻っていきます。
ゴタは、ホローの通訳です。
檜皮葺の吹き替えの、値段とか、ついつい、
お金の方に、話が、行ってしまいます。
※※※※
午前11時。御所巡りツアーは、終了です。
最後は、元、台所という、広場での解散です。
最後に、我らが、専属ガイドさん、ひとこと。
「Any other question?」
(他に、ご質問は?)
山田、よせばいいのに、聞いてみた。
「 Almost all gables of the palace buildings
have acute angles.
Are there any reasons to do so ?」
( 御殿の建物は、どれも、破風の角度が、
鋭角ですが、意味があるのですか? )
ガイドさん: Oh,yes. They make them that
acute so that the roof
part does not absorb the rain.
( はい。雨が、しみ込まないようにです。)
※※※※
【二条城】
山田 : Mr.Beck, As I told you a while ago,
there's no dungeon
nor castle tower there.
So let's skip it, and turn here to
the right to see the Seiryuen garden.
(あの、さっきも、申しましたが、
天守閣は、ありません。カットしましょう。)
ベックさん: Oh,Mr.Yamada,
I'd like to know how
the atmosphere gives.
(あのう、ミスター・ヤマダ、
私は、その雰囲気を見てみたいのだよ。)
山田 : Oh,Ok,if you insist.
(そうおっしゃるなら、行きましょう。)
※※※※
わずか、30メートル四方ほどの、
小さな、城跡です。
周囲の見晴らしは、よく、後水尾天皇も、
ここの景色を楽しまれたと、いいます。
その当時は、五層の、最上階の窓から、
ご覧になったことでしょう。
※※※
本丸庭園を出て、清流園を歩きます。
ベックさんに、
ハナミズキの話をしました。そして、
「Those trees are the dogwood trees.」
(あの木です。ハナミズキは。)
そういって、指差したのですが、
あとで、係員に、聞いてみたら、あれは、
「クチナシの花ですよ。」
だって。ハハハ。山田、カタナシ。
なーに。どうってことは、ない。
ハナとクチを間違えただけだ。
手と足を間違えたようなもの。
いーってことよ。・・・かな?!
※※※
【昼食】
京都ハンディ・
クラフト・センターをパスしたので、
お昼の、ランチ・バイキングは、
おじゃんに、なりました。
Where would you like to eat your lunch ?
(お昼、どこで、食べはります?)
Leave it all to you !.
(おまかせするよ。)
※※※※
山田に、食事場所を任せると、
ほぼ、100%の割合いで、
和食レストラン「さと」
になります。回し者ではありませんがね。
※※※
ベックさん、メニューを見ながら、
What's this ?
と、山田に聞きます。
山芋のすりおろしのようです。
しかし、恥ずかしながら、
山芋の、英語が、わからぬ山田でありました。
(これでも、通訳ガイドか?アホか!)
しかし、自分を責めても、答えは、出ない。
とにかく、何か、答えないと・・・
That's a wild poteto that's
grated into creamy sauce.
と、言おうとしたのだが、grated を
言い間違えて、slated と、言ってしまった。
何で、イモで、屋根を葺くのだよ!アホか。
まあ、とにかくは、通じたようである。つまり、
( 山芋をすって、
クリーム・ソ-スにしたものです。)
というふうに、(受け止められた・・・と、信じている)
そして、注文したのは、
【まぐろの山掛け丼】と、【温うどん】のセット。
ベックさん、何とか、ご希望の、昼食に、
ありつけたようで、あります。
Oh. excellent !
And price is a very reasonable one.
(いいねえ。値段も、安いじゃない。)
山田: (そりゃ、よござんした。)
※※※
【レジで】
店員さんに、
「支払いは、別々で、お願いします。」
と、いったら、ベックさん、
日本語が、わかったらしく、
「I pay for all 」
(全部、出しますよ。)
山田、ただただ、サンキューを、
繰り返す、オームで、ございました。
富士山麓にも、「さと」にも、
オームは、鳴くのであります。
これを、√5の法則と、申します。
(うそでっせ。)
※※※
.
【金閣寺】
金ピカの建物は、何ですか?
藤原道長の法成寺でーす。
ハイ、正解。(今は無いので、すみません。)
藤原秀衡の金色堂(奥州平泉)でーす。
ハイ、正解。
豊臣秀吉の聚楽第でーす。
ハイ、正解。(これも、今は、ありません。)
きょうの、夕食でーす。
そりゃ、キンピラですわ。
まだ、あるっしょ?
はーい。金閣寺でございます。
息子さんの、義持が、取り払ってしまったが、
義満が、北山殿を享受していたころには、
金閣の二階に、渡り廊下が、あって、
別の楼閣に、繋がっていたといいます。
そして、この金閣は、周囲が、
池で、張り巡らされており、渡り廊下を渡るか、
舟を漕ぎ出るかしないと、行けなかった。
池に阻まれて、行くことの出来ない山荘、
それが、義満の愛した池に囲まれた山荘でした。
とにかく、質素好みの、息子と、派手で、
何事も、大盤振る舞いの、お父さんとは、
色々な面で、意見が、合わなかったようです。
※※※
山田 : Think of a man who enjoyed a boat
playing on this pond with a few of
his 18 concubines every day !
(18人も、お妾さんが、いて、
毎日、お妾さんたちと、
ここで、舟遊びしていたのですよ)
ベックさん: What a man !
(あきれた。)
※※※※
【竜安寺】
境内には、しだれ桜の、木々が、青々と、茂っています。
ベック
さん : The cherry trees ?
(桜かい?)
山田 : Yes, they are weeping cherry trees.
They were bloom during early April
( はい、枝垂れ桜です。
4月の始めに咲いていました。)
ベック
さん : Oh !
(ほう。)
石段の下で、しばし、佇みます。
雨は、あがって、爽やかです。
石段の上には、白漆喰と、
黒の木組みの、庫裡が、見えています。
Let's go !
といって、促します。
本当は、学習中の、フランス語を、
使ってみたいのだが、
今は、仕事。
On y va !
と、言いたかっただけですけどネ。
.
※※※
【竜安寺】
宿では、午後5時頃に、戻りますと、
言って、市内観光に、出ています。
金閣寺を、終了した地点で、時刻は、午後3時30分。
まだ、竜安寺なら、行けます。
金閣寺からの、移動時間は、10分かかりません。
※※※
出発-。
「We have 90 minutes left.
That's enough to see one more site.」
(まだ、もう一カ所、行けますよ。)
「Perfect.」
(ばっちりだね。)
※※※
ここ、竜安寺では、タクシー以外の車は、全て、
上の、遠いところの、駐車場に、追いやられます。
「Would you please get out and wait for me
as I put the car to the upper place.」
(降りて、待っていて下さい。車を上に、置いて来ます。)
「Thank you,Mr.Yamada.」
(すまないねえ。)
※※
車を置いて、降りてきました。
( ありゃ、ベックさんが
いない。どこいったのかな?)
キョロキョロ探していると、
先の、ベンチで、座っています。
※※※
見ると、その前は、「おのみやす」のお茶屋さん。
(あ、買わされてしまったか!)
※※※
Thank you for waiting for me.
(すみませんでした。)
山田、そう言いながら、近づいていきます。
(よかった。まだ、お茶は来ていません。)
スーパーの、試食品と違って、
わざわざ、目の前で、
入れてもらったお茶を飲むと、本当に、
(まあ、買ってやるか。)
という気にさせられてしまいます。
滑り込み、セーフ。
※※※
(おみやげは、無事故でいいの。お父さん。)
わけのわからんことを、ひとり、つぶやきながら、
進むと、やがて、入場券売り場に、やって来ます。
Please buy your ticket at that ticket booth.
(どうぞ、入場切符を、お買い求め下さい。)
I will.
(はい。)
※※※.
1450年、細川勝元が、
義天玄承を、開山に招き、創建された寺です。
ご存じ、枯山水の庭園です。
ベックさん、写真を撮るのに、忙しく、
ゆっくり、縁側に、座る様子は、ありません。
こういうときのために、簡略説明バージョン、
【虎の子渡しパート2】
を、用意してあります。
山田 : When a mother tiger with her
three baby tigers goes across the river,
she is believed to hide one of
her children under her
body like stones here.
お母さんトラが、子供たちを、連れて、
川を渡るときは、
小さい子トラを、1匹、自分の、
影に、隠して渡るのだそうです。
ここの石のように。
※※※※※※※
最後に、山田作成の日程表を貼り付けます。
An example of the tour around Kyoto city
9:00AM
Start at the inn
9:00AM~ 9:30AM moving to Kiyomizu Temple
9:30AM~10:30AM Kiyomizu Temple
10:30AM~11:00AM moving to Gion area
11:00AM~12:30PM Gion area
12:30PM~13:00PM moving to Kyoto Handicraft Center
13:00PM~14:00PM Lunch&shopping at Kyoto Handicraft Center
14:00PM~14:15PM moving to Nijo Castle
14:15PM~15:15PM Nijo Castle
15:15PM~15:30PM moving to Kinkakuji Golden Pavilion
15:30PM~16::30PM Kinkakuji Golden Pavilion
16:30PM~17:00PM Good-bye
午前 9時 お宿出発
午前 9時 ~9時30分 移動 (清水寺へ)
午前 9時30分~10時30分 清水寺
午前10時30分~11時00分 移動(祇園へ)
午前11時00分~12時30分 祇園
午後 0時30分~ 1時00分 移動
午後 1時00分~ 2時00分 京都ハンディクラフトセンター
午後 2時00分~ 2時15分 移動
午後
※※※※※※※※※※
山田 錦
ある年の7月2日(水)
「軍曹殿、橋です。橋が見えます。」
「よし、あの橋だ。
山田上等兵、あれを、爆破するのだ。」
「はっ。では、このダイナマイトを、
さっそく、仕掛けましょう。」
「よし、夕方までに、爆破してしまうのだ。
敵の戦車は、今夜、移動をするという情報が、
入った。
「行きましょう。軍曹殿。」
「よし、行くぞ。」
⏁⏁⏁⏁
「どうだ、山田上等兵。
全ての橋桁に、ダイナマイトを仕掛けたか?」
「あと、この最後のダイナマイトを
仕掛けたら、完了です。」
「よし、導火線を、あの巨岩の
裏にまで、引いていこう。」
「軍曹殿、敵のジープが、来ます。」
「隠れろ。」
⏁⏁⏁⏁
「ヘイ、ユー。
ソコデ ナニヲ シテイル ノダ?」
「しまった。見つかったか。」
「やむをえん。山田上等兵、貴様、
英語が、出来ると言っていたな。
幸いにも、我々は、
軍服を着ていない。
地元の、農民だと言って、ごまかせ。」
「ワタシタチハ ヒャクショウ デス。
ナニモ アヤシク アリマセン。」
「フーン、ドウダカナ。
ヨシ、ポケット ニ ナニガ アルカ
シラベテヤル。
ゼンブ、ココニ ダセ。」
「山田上等兵、何と言っているのだ?」
「何か、パケット通信料が、
どうの、こうのと言っています。」
「ハヤク シロ。 オレハ
キ ガ ミジカイ ノダ。」
「おい、山田上等兵。何と言っているのだ?」
「エーイ、メンドウナ ヤツメ。
コンバット軍曹、コノ モノラヲ レンコウシロ。」
⏁⏁⏁⏁⏁
【敵方、野営キャンプ】
ナンダーカ少佐の取り調べ。
地図、磁石、家族の写真、・・
「ドウミテモ、地元ノ農民トハ オモエナイ。
オマエタチハ、ニホン兵デハ ナイノカ?」
「(おい、山田上等兵、通訳しろ。)・・」
「(はっ、お前たちは、
家族思いだ、と言っております。)・・」
「その通りだ。ナンダーカ少佐。
我々、日本人は、農民であれ、軍人であれ、
みな、
家族思いなのさ。
(おい、山田上等兵、英語に訳して、伝えろ。)」
「ワレワレ、日本人ハ、ヨカッタ。
ヨカッタ。・・・カナ?」
「ザンネンナガラ、オマエタチヲ、コノママ、
帰エスワケニハ、イカナイ。
オイ、
コンバット軍曹、コノ2名ヲ、収容シロ。
農民デアルコトガ、ハッキリ ワカルマデ
収容ダ。」
⏁⏁⏁⏁⏁⏁
⏁⏁⏁⏁⏁⏁
「軍曹殿、あの、ジープを
かっぱらって、脱出しましょう。」
「だが、山田上等兵。
見張りの歩哨を、どうして、欺くのだ?」
「軍曹殿。大丈夫であります。
自分は、今週の占いは、大吉であります。
とくに、
ドライブに、好機あり、と出ております。」
⏁⏁⏁⏁⏁⏁
「おい、山田上等兵、やっとの思いで、
ジープに辿り着いたのだぞ。
さっさと、動かして、ずらかるんだ。」
「う、運転の仕方が、わからない。」
「何をたわけたことを、言っているんだ。
貴様は、元、タクシー運転手だと、
言っていたではないか。」
「それにしても、たくさん、
レバーが、付いているなあ。
この、レバーは、何だろう。
あっ、ワイパーか。 これは、何だろう。
うわっ。バックした。うわー、止まらない。
ブレーキは、どれだ。あーっ、あーーー・・」
ガッシャーーン
⏁⏁⏁⏁⏁⏁
「おい、山田上等兵、大丈夫か?」
「はい、大丈夫であります。軍曹殿、お怪我は?」
「大丈夫だ。それにしても、山田上等兵、
貴様、英語も出来ないし、
運転もできないではないか。
このふたつが、貴様の、2階級特進の理由だったのだ。
部隊に戻ったら、覚悟しておけ。
二等兵に、戻ることになるからな。」
「年齢も、18歳に、戻して下さい。」
「ばか者。 おや? 山田上等兵。
見ろ、後ろを。ぶつけた、建物は、格納庫だったぞ。」
「うわー、すごいです。
戦車が、いっぱい、ありますよ。
これが、全部、今夜、
あの橋を渡るのですね。」
「そのようだな。山田上等兵、急ごう。
早く、あの橋まで、戻って、任務を完了しよう。」
⏁⏁⏁⏁⏁⏁⏁
「軍曹殿、なぜ、歩いて戻るのですか?
あのジープで戻れば、早いじゃないですか?」
「貴様のような、へたくそな運転では、
また捕まってしまうだろう。
川床を下って行くぞ。
一番安全だからな。」
「あれっ、軍曹殿。飛行機が、やって来ますよ。」
「敵機だ。山田上等兵。あの、ブナの林に、隠れよう。」
「すみません。ブナの木って、どんな木なのですか?」
「そんなこと、言っている場合か!
さっさと、あの、林へ、逃げ込むのだ。
哨戒機に見つかると、
機銃掃射されて、今度こそ、命はないぞ。」
「軍曹殿、お言葉ですが、
自分は、金比羅さんの、お守りを、もっております。」
「だから、そんな話は、あとだ。急げ。」
「うちのネコは、・・」
「ネコも、あとだ!
(貴様、必ず、二等兵に、降格させてやる!)」
⏁⏁⏁⏁⏁
「軍曹殿、ほら、あれ。
ボートがありますよ。あれで、川を下りましょう。」
「うむ、しかし、・・」
「橋を爆破する人間が、ボートひとつ、
なくなるのを、気にするのですか?急ぎましょう。」
「・・・仕方がない。不本意ではあるが、そうしよう。」
⏁⏁⏁⏁
「軍曹殿、橋です。戻ってきました。」
「うむ、爆薬の仕掛けが、
気づかれていなかったら、よいのだが、・・・」
「あります。ほら、仕掛けは、そのままです。」
「よし、岩陰に隠した
あの爆破ボタンのところへ、急ごう。」
⏁⏁⏁
「日が、暮れてきたな。
山田上等兵、準備は、いいか。わしが、合図したら、
そのボタンを押すのだぞ。」
「はっ。」
「おっ。敵の戦車が、来たぞ。よし、今だ。押せ。」
「押します。」
カチャッ。
パーン。 パーン。
パーン。
パーン。
「何だ、これは、花火じゃないか。
おい、山田上等兵、貴様、
ダイナマイトと花火を間違えて、持ってきたのか?」
「え?えー。」
空にきれいな花火が上がりました。
パーン。
2012年 7月1日(日)
【甲賀忍者屋敷】
昨日、お客様と、別れ際に、
お客様: Yamada san, we'd like you to take us
to the ninja village tomorrow.
Kohga ninja village that you
were talking about while ago.
( 明日、さっき、あんたが言っていた
忍者村へ、連れて行ってよ。
甲賀とか言っていたところへ。)
山田 : ガッピョ~~~ン。なぬ~~?
そういう尻切れトンボ的終了でしたが、
とりあえず、今朝は、
午前10時にお迎えです。
一応、甲賀村に備えて、
タクシーの手配を試みたが、
どこにも断わられました。
つまり、距離制限にひっかかる、
とのことなのです。
最近は、きびしいらしい。
で、どこのタクシーもダメ~という中、
我らが桃山タクシーさんが、引き受けて下さい
ました。
本日のコースは、
【アランヴェールホテル~甲賀忍者屋敷~
~ 甲賀忍者村~彦根城~京都駅八条口】
推定、350kmの旅程。
こんなグランドツアーは山田、
初めてなのです。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
午前10時。 アランヴェールホテル。
すでに、ロビーには、昨日のおきゃくさま。
山田 : Good morning !
おきゃく
さま方 : Hi !
ニューヨークの朝も、
オーストラリアの朝も、握手で始まる。
山田 : Good news for you !
I at last found out the taxi that take us to ..
( ニュース速報です。
やっと、一台のタクシーが・・・)
お客
さま : The Kohga ninja village !
(行ってくれるんだね、甲賀忍者村へ。)
【一路、東へ】
五条通りを東へ。一路、山科へ。
山田 : Do you know Onono Komachi ?
the most beautiful woman
Japan ever produced ?
(小野の小町って、知ってはります?
めっちゃ美人の人。)
お客様
Tomさん: No, we have not any idea.
(さあ、そんなんわかりません。)
お客様
ジーウェル
さん : No. who is it ?
(誰でんねん?)
山田 : Onono Komachi, the most beautiful lady
in the Japanese history.
She is one of top three beauties
in the world along with Yokihi
in China and Kleopatra in Egypt.
(小野の小町ゆう人は、楊貴妃や
クレオパトラぐらいの美女です。)
ジーウェ
ルさん : Did she live around here ?
(この辺の人でっか?)
山田 : Yes.
(さよだんねん。)
There were a lot
of men who sued for her.
Fukakusa no shosho was one of them
who asked her the marriage
(男、いっぱい、言い寄りましてんけど、
とくに、あの深草の少将がね。)
Komachi demands 100- time-visit
to show his passion.
And Fukakusa agrees and pays
visit 99-time night.
But, at the final night,
it snowed hard. Fukakusa fell down
on the way to her residence, and died.
Komachi, hearing his death, cried.
And she remained shingle all her life.
(小町はね。100日彼女のもとに
通えって言ったんです。
それで、深草の少将は、通いました。99日。
その最後の日は雪でした。
深草の少将は途中、行き倒れ
となって、息を引き取りました。)
( 小町ねえさん、そのことを聞いて、
泣きました。そして、生涯独身を貫きました。)
お客様、その家はどこだ、とお聞きです。
「小野じゃ。遠回りになるから、止めようよ。」
と、アドバイス。
「また、日本に来たとき、行きましょう。」
.
※※※※※※※
【甲賀忍者屋敷】
1時間足らずで、忍者屋敷に到着。
手裏剣投げの体験は300円。
お薦めしようと思っていたが、
あれは、子どもだまし。
距離が短かすぎて面白くなーい。
屋敷には敵を欺くための様々な仕掛けがあります。
不思議のひとつに、オートロックの
掛かる窓がありました。
その窓は、普通に締めると、
ロックが掛かってしまい
追っ手が、まごついているすきに、
逃 げるという逃げ窓。
紙切れのようなモノを窓の隙間に通すと、
ロックが解除されます。
180度回転する壁。
その中が隠し部屋になっている。
そのほか、いたるところ、秘密の通路があります。
展示品は、実際に使ったと
いわれる様々な、忍者の小道具です。
お客様、ことごとく、
カメラに収めていらっしゃいます。
(撮影可)
※※※※※※※※※※
【甲賀忍者村】
甲賀忍者屋敷から、3,7km、
山の中に、部落があります。
ここが、忍者村。
最近までは、忍者ではないけれど、実際に、
お武家さんが住まわれた家屋跡です。
入場料金は、ひとり1000円。
受付入り口には、怖そうなおばさま。
山田 : すみません。
ガイドで付き添いますので・・・。
受付 : え?ああ、添乗員さんか?
山田 : はい。
受付 : ふん、ほなら、あんたは、
パンフレット要らんな。入り。
山田 : あ、ありがと。
※※※※※※※※※※※※※※
入ると、何にもありません。
さすが、忍者だ。家も、
木の葉隠れしてしまったか!
つづら折れの坂道を降りていって、
右手、ようやく藁葺きのお屋敷が見えました。
忍者屋敷か、お化け屋敷か、ようわからん。
屋敷の中は資料館になっています。
お客様 : What for ?
(どうして使いまんねん?)
山田 : The sickle and chain of this type was
mainly used for climbing walls.
You hook this crooked part on
the top edge of a wall.
(この手の鎖鎌はでんな。壁(とか塀)
をよじ登るのに使いまんねん。
この曲がったとこをでんな。
壁のてっぺんに、ひっかけまんねん。)
お客さま : Are these used actually by ninja ?
(ここのん、みんなホンマに
忍者が使うたものでっか?)
山田 : (Who knows ! ) Yes,Mr.Zeawell.
They are genuine
items ninja really used.
(知らんがな。) はい、もちろんですとも。
実際に使われたものですよ。
しばらくして、屋敷の係の方が来られて、
「ご説明いたしましょうか?」
今まで、適当に答えていたことを、
係員に確かめた。合ってた。よかった。
うそをガイドしていなくて、よかった~!
※※※※※※※※※※※※※※※
忍者村というからには、あちこちに、
忍者屋敷があります。次に行った屋敷では、
一定人数がそろうたび、
係員が屋敷の説明をしています。
係員 : では、説明をはじめさせていただきます。
まず、この天井をご覧下さい。
上には、一本のロープがかかり、
棟木からこの天井を吊しております。
山田、逐次通訳を始める。
山田 : Look at the ceiling. Back above,
there's a rope by which
the ceiling is suspended.
静まりかえって、みなさん、
山田のへたくそな
英訳に耳を傾けておられます。
山田 : ( いやだわ~。
抜き打ちテストをされているみたい。
どうせ、私の英語は
こんなものよ。
聞き苦しいなら、誰か変わってよ!)
係員 : 敵がこの部屋に入るやいなや、
上にいる忍者がロープを切り落とします。
天井は、敵の頭上に落ちる、
という仕組みです。
山田 : As soon as the enemies enter this room,
the rope is cut from above by another
ninja. The ceiling falls
down on enemies' head.
敵が、この部屋に入ったら、
上で待ち構えている忍者
がロープを切って、
天井を敵の頭の上に落とします。
【囲炉裏端】
何と、囲炉裏の灰が、スライド。
その下に、秘密の通路が!
やっと、逐次通訳の時間が終了
説明して下さった係員が
山田の方に、近寄ってきます。
( え?
何か誤訳していたか?
恥ずかしうまい!)
係員 : お仕事は、何をなさっているのですか?
山田 : 通訳ガイドの専業です。
(というか、他に就職できまへんのや!)
係員 : わあ、やってみたい仕事です。
山田 : (アホかいな。この日記読んでみなはれ。
いっぺんに、そんな気ふっとぶわ。)
そうですか。
じゃ、ガイド試験がんばって受けて下さいね。
応援いたします。
【信楽焼きのたぬき】
おみやげ売り場のお屋敷に行く途中、
信楽焼きのたぬきが、ずらり、
並んで立っていました。
愛嬌のある狸です。
お客様、たぬきの大きなキ◯◯マを見て、大笑い。
山田 : These are Shigaraki pottery.
The potters are near here,
about 30- minute-drive.
信楽焼きですわ。窯元は車で、
30分ぐらいのとこです。
まあ、寄ってもいいけど、そうすると、
彦根城を割愛することになります。
なにぶん、お客様は、もう、
午後5時30分の「のぞみ」の指定席を買って
います。何が何でも、5時29分までに、
八条口で降りるのだと、おっしゃいます。
そして、冗談半分に、名古屋に行くので、
彦根で降ろしてくれ!と
言っておいでです。(本心だったかも?)
【彦根城】
国宝です。
大阪城の中が、鉄筋コンクリートなのに比べて、
こちらは、江戸時代 のお城がそのまま残っています。
天井には、大きな梁が、ドゴ~ン。
説明に入ろうとしましたが、意外に難しい。
石田三成とは、どういう人物か、という説明。関ヶ原の合戦の説明。
などなど、下ごしらえが必要。
佐和山城、長浜城、小谷城から資材を調達して
出来た城。城主、石田三成は
大阪城での勤めが忙しく、
普段は、父、正継がお留守番。
関ヶ原合戦後、徳川方に落ち、
井伊直政が入城。以下、幕末まで、井伊家が
歴代城主となった。
ああ、あいにくの雨で、琵琶湖の景観は
楽しむことは出来ませんでした。
午後2時40分。
博物館に立ち寄るかどうか、迷う。
時間は微妙です。食事時間
をカットすれば、立ち寄り可能。
お客様、あきらめて、
レッツゴーランチじゃ~、と
仰せです。仰せに従って、レストランを探す
・・・・・・
が、なかなか、思うようなレストラン
がない。
ドライ
バーさん : ああ、あそこに、一軒ありますけど。
山田 : あれは、中華ですね。だめだ。
お客様 : Oh, that's OK ! Let's go and eat !
あ、ええやん。行こ、行こ。
長崎チャンポンのお店でした。
ベリグ~ですわよ~ん。
長距離走行のドライバーさんを
ねぎらって、お誘いしました。
「どうぞ、ご一緒に。」
そして、お勘定のとき、
ドライバーさんの分を出そうとしたとき、
山田の分も、ぜ~んぶ、
お客様が、出して下さいました。
実に、お客様は神様です。
そして、午後4時45分。
無事、京都駅八条口に到着。
ミッション コンプリーテッド。
全走行 350km。
所用 7時間。 グランドツアー終了。
全員、握手。何か楽し~! また来てね~
※※※※※※ 山田 錦