仏教教室(1)
仏教の教えの根幹は何か? それは「因果
の道理」だといわれています.ブッダが菩提
樹下で覚った内容もこの因果の法則だったと
推定されています.仏教はこの法則を基に、
体系化が進められて、今日に及んでいます.
ということで、あらゆる受けた被害、暴力に
ついては加害者を怨まないこと.前世で私が
先に手を出したのだ、と信じること.耐える
ことによって私の罪障が消え、加害者に対し
ても復讐という災難を防ぐことができる.こ
こに及んで、過去世からのわだかまりが消え
去るのである.
質問者:先生、質問です.すると何か?阪神淡路大震災
でお亡くなりになったかたは、前世は地震やっ
たんかいな?地震に生れて、おおぜいの人殺し
たんかいな?ええかげんなこと言うてたらあか
んぞ.
回答者:おくやみ申し上げます.
さて、しかし、
ブッダは生を受けたものは遅かれ早かれ死ぬと
説かれました.たまたま罹災者には死が早くや
ってきたのでしょう.
質問者:そんな説明で納得できるか!どないしてくれん
ねん.
回答者:あのう、日本は環太平洋造山帯に位置しています
ので、はじめから地震被害のリスクを背負って
いるのです.ふだんは忘れていることでしょうが
覚悟は必要です.
質問者:覚悟って何やねん?
回答者:我々の何パーセントかは、地震やコロナや事故や
思わぬ災害、病気などで命を落とすかもしれない
という覚悟です.
質問者:それで?
回答者:海の魚ね、始めから、成魚になるまでに、他の大き
な魚に食べられてしまうことを想定して、たくさん
タマゴを産むのです.
質問者:わしらはタマゴか?あほんだら!
回答者:まあ、まあ、落ち着いてお聞きください.
タマゴの譬えがお気に召さなければ、渡り鳥の
群れがたまたま火山爆発を起こした上空を飛んで
いて、その数羽が焼け死んだ、とお考え下さい.
そして、無事免れた鳥たちはこんどは、数羽、
猛禽類のタカに掴まえられて、無事、目的地に
たどり着ける鳥たちはおおくの家族の犠牲を
ともなっていた、ということです.
質問者:何か、お前の煙にまかれてしもうて、わけわ
からんようになったわ.質問のつづきはまた
今度じゃ.
回答者:渡り鳥の前世が火山だったなんて言っていません.
質問者:こら、わけのわからんこというな.また今度な!
回答者:お疲れ様です.