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衆院選後の岸田政権経済政策の課題と期

2021-11-26 18:27:43 | 日記
  • コラム 
  • 木内登英のGlobal Economy & Policy Insight
衆院選後の岸田政権経済政策の課題と期待

#木内 登英

2021/11/01

経済の成長力、潜在力を高める経済政策を最優先に

10月31日に投開票が行われた衆院選では、自民党は公示前の276議席から減らしたものの、単独過半数の233議席を大きく上回り、国会を安定的に運営できる絶対安定多数の261議席を確保した。

有権者から予想以上の支持が得られたことを背景に、岸田政権はこれから政策を本格稼働させる。

公明党や自民党内での異なる意見に大きくは影響されず、岸田政権が発足以来掲げてきた、いわば岸田色が強い政策を、当面は推進させることが予想される。

岸田政権は経済政策で「新しい資本主義」、「成長と分配の好循環」、「令和の所得倍増計画」などを掲げている。

具体的な内容は未だ明らかではないが、賃金引き上げと所得格差縮小がその中核にあるのだろう。

この点では、今回の衆院選で野党が掲げてきた経済政策案と大きな違いはない。

経済政策は、短期のコロナ対策と中長期の政策とを明確に区別することが必要だ。

過去30年程度を振り返っても、労働分配率や所得格差を示すジニ係数はほぼ横ばいであり、日本で著しく格差が拡大した証拠は見られない。

少なくとも格差縮小は、経済政策上の最優先課題ではないだろう(コラム「分配政策よりも経済のパイを拡大させる成長戦略が優先課題」、2021年10月4日)。

日本経済が抱える最大の問題は、経済の潜在力、成長力が低下を続けていることだ。

日本経済の成長率が低いこと、労働生産性上昇率が低下を続けていることが、賃金が上がらない最大の要因である。

それこそが、多くの国民が経済に閉塞感を感じ続けている背景である。

その問題を解決しない限り、賃金を引き上げる政策は持続的に機能するものとはならない。

企業が自ら進んで賃金を引き上げる経済環境を作り上げることが重要
先行きの成長期待が乏しい中、中期的に人件費が経営を圧迫しかねない賃上げに、企業は慎重にならざるを得ない。

岸田政権は法人税の優遇措置を拡大することで、企業に賃上げを促す考えである。それは安倍政権以来実施されてきた政策であるが、上手くいってはいない(コラム「税優遇で企業の賃上げは促されるのか」、2021年10月11日)。

政府は、分配のパイを広げる、つまり成長力を高め、労働生産性を高める政策を最優先すべきだ。

それを通じて、企業が自ら進んで賃金を引き上げる経済環境を作り上げることが何よりも重要である。

そうした環境が整わない中で仮に企業に賃上げを強いれば、企業は収益見通しの悪化から設備投資を抑制し、経済の潜在力を損ねてしまうだろう。

それは賃金の上昇を妨げることにもなるのである。

短期的なコロナ対策では所得再配分が必要に

他方、コロナ問題が格差を短期的に拡大させたことは確かであり、それに対する追加の対応は当面の経済政策としては必要だろう。

通常の景気悪化とは異なり、コロナ禍が業績に追い風となっている企業、所得が増えている労働者も少なくない。

ほぼすべての企業の業績、労働者の所得環境が悪化する通常の景気後退とは大きく異なるのが、コロナ下での経済環境の特徴だ。

そこで、余裕のある企業、労働者から大きな打撃を受けた企業、労働者に所得を回す、再配分政策が必要となる。

こうした再配分政策の一環が、コロナ対策の財源確保に他ならない。

現状のように、コロナ対策を国債発行で賄い続けると、その負担は将来世代に転嫁されていき世代間の不公平感を高めることになる。

さらに将来世代の財政負担が高まれば、その分将来の需要が弱まり将来の成長期待が下がって、企業は目先の設備投資、雇用、賃金を抑制してしまう。

復興特別税制度を参考に、負担能力に配慮した形で法人税、所得税に時限的に上乗せするような財源確保の手段について、政府は速やかに議論を始めるべきだ。

一律給付金はコロナ問題が生んだ格差を縮小させない

他方、現在の休業・時短の協力金制度を通じた事業者支援では、幅広い業種が支援先から漏れてしまっている。岸田政権が掲げる、業種・地域を限定しない新たな給付金制度は必要ではないか。

個人の支援については、まず既存のセーフティーネットの機能を高めることで、コロナ禍で所得環境が悪化した人を支援することが重要だ。

仮に、追加の給付金制度を導入するのであれば、対象を絞り込み、最も支援を必要とする人にお金を届けることが重要である。

一律給付金のように、対象者を幅広く設定すると、支援を必要とする人に十分なお金が届かないか、いたずらに財政環境を悪化させてしまう。

なんといっても、一律給付金ではコロナ禍によって拡大した所得格差は縮小しない。

政府はコロナ対策を中心にした追加経済対策、補正予算編成を検討している。

  1. 昨年度に使われずに今年度予算に繰り越された異例の30兆円超の繰越金をまずは再度しっかりと精査し、必要のないものは減額補正を行うべきだ。

それと組み合わせることで、補正予算の規模は抑えることができるはずだ。

人口対策、デジタル化などに期待

中長期の経済政策は、構造改革、成長戦略を通じて経済の成長力、潜在力を高めることを最優先とすべきだ。今回の衆院選挙では、与野党ともに、経済政策上の構造改革、成長戦略の優先順位は概して低く、当面のコロナ経済対策、特にバラマキ的な政策議論に終始した印象だ。

信頼できる構造改革、成長戦略を政府が打ち出すことで、企業の成長期待を高めることが重要である。

その観点からは、出生率向上などの人口対策、コロナ禍で崩れてしまったインバウンド戦略の再構築などが有効ではないか。

それ以外に、コロナ問題を奇貨として経済の効率を高める構造改革の推進も重要だ。
その一分野がデジタルである。

10月に発足したデジタル庁は、行政のシステム統合などを推進することに当面の力点が置かれているが、民間部門でのデジタル推進も重要だ。

コロナ禍でリモートワーク、ワーケーションなどに需要が高まっている今こそ、民間部門でのデジタル化推進のチャンスである。

岸田首相が、従来からデジタル田園都市国家構想を掲げ、郊外、地方での5G普及を重視している点は評価したい。

また、現金利用に伴う感染リスクが警戒される現在は、キャッシュレス決済を前進させる好機でもある。

それは、経済の効率化に貢献し、また個人がデジタル社会により馴染んでいく入り口ともなるのではないか。

キャッシュレス化推進には、中央銀行がデジタル通貨を法定通貨として発行する中銀デジタル通貨(CBDC)の発行も検討されるべきだ。

岸田首相も日本銀行による中銀デジタル通貨、デジタル円の発行を支持している。

コロナ禍を奇貨とした成長戦略、構造改革推進を

さらに、リモートワークが浸透する一方、感染リスクへの警戒がなお根強い現状は、東京一極集中是正を進める好機でもある。

東京の人口が集中し過ぎたことで、東京の経済効率は低下しているとみられる。

また、人口集中による託児所不足などの問題が東京の出生率を低下させ、日本全体の人口問題をより深刻にさせている面もあるだろう。

政府は、省庁の地方移転を積極化させることで東京一極集中是正を主導すべきだ。

人口あるいは企業活動が地方に広まることで、地方に埋もれた土地、交通インフラ、人材などがより活用され、それは日本全体の経済効率を高めるだろう。

来年夏の参院選挙でも、経済政策を巡って与野党が分配と賃上げの政策を競い合う構図が続きそうだ。

しかし、直接賃金を引き上げる政策は、経済の歪みを強めるだけでうまく機能しない。

企業が自ら賃上げを進めるような経済環境を作り出すことが、回り道のようで実は賃上げの近道である。

そのためには、経済の効率を高め、企業の成長期待を高める構造改革、成長戦略を政府は強く推し進めるべきだ。

また、国債の累積自体が将来世代の需要を奪い、中長期の成長期待を押し下げてしまう面があることから、財政健全化策も重要な長期戦略の一環と位置づけるべきだ。


執筆者情報
  • 木内 登英
    エグゼクティブ・エコノミスト






歴代大統領選の6回中5回で「100日前の世論支持率トップが “勝利”」=韓国

2021-11-26 18:17:15 | 日記
歴代大統領選の6回中5回で「100日前の世論支持率トップが “勝利”」=韓国

11/26(金) 16:07配信

今月29日で、韓国の次期大統領選挙(2022年3月9日)が「D-100」(あと100日)となる。

 与野党候補者たちによる大統領選レースが本格化する中、各世論調査にも熱い視線が注がれている。

最近の支持率をみると、最大野党“国民の力”のユン・ソギョル(尹錫悦)候補と与党“共に民主党”のイ・ジェミョン(李在明)候補が、首位を争う接戦を繰り広げている状況である。

 韓国社会世論研究所(KSOI)が今月23~24日に実施した調査結果によると、ユン候補の支持率が42.0%・イ候補が39.8%と集計された。

 これまでの歴代大統領選挙をみると、D-100の時点で支持率トップであった候補が、ほとんど当選の栄光を受けていることがわかった。

 きょう(26日)韓国の新聞社“ヘラルド経済”が、世論調査企業“韓国ギャラップ”による1992年以降の調査を分析した結果、計6回の大統領選において投票から約100日前に実施された世論調査で1位となった候補のうち、5人が次期大統領になっている。


唯一の例外は、2002年のノ・ムヒョン(廬武鉉)元大統領であった。 

政界関係者は「今回の大統領選では、まだ『誰が優勢だ』と言うのは難しい状況だ」とし「イ候補は『デジャンドン(大庄洞)開発特恵問題』、

ユン候補は『告発教唆疑惑』に対する特別監察が進められていて、また第3勢力との単一化などによってもいくらでも局面がひっくり返る可能性がある」と語った。
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文政権は「腐敗し無能」、大統領選出馬表明の前検事総長が「反政権の象徴」に

2021-11-26 18:05:07 | 日記
文政権は「腐敗し無能」、大統領選出馬表明の前検事総長が「反政権の象徴」に

2021/06/30 09:25

【ソウル=建石剛】

韓国大統領選への出馬を表明した 尹錫悦ユンソクヨル 前検事総長(60)は、29日の記者会見では 文在寅ムンジェイン 政権の批判に終始した。

「反政権の象徴」という最大の強みを前面に押し出した形だが、政策での独自色も求められる。
クリーン

 尹氏は記者会見の冒頭、

「崩壊した自由民主主義と法治、公正の価値を再び立て直す」と宣言し、
「身内に甘い」と批判される文政権を「腐敗した無能な勢力」とこき下ろした。

 尹氏は2人の保守系大統領経験者、 朴槿恵パククネ 、 李明博イミョンバク の両氏を立件した経験を買われ、2019年、文氏から検事総長に抜てきされた。

だが尹氏は政権に 忖度そんたく せず、就任直後に文氏最側近のチョグク元法相を捜査して辞任に追い込んだ。

 尹氏は後任の 秋美愛チュミエ 前法相(62)による懲戒請求もはねのけた。

スキャンダルが続発する文政権と対立する姿は、国民にクリーンなイメージを抱かせ、いつしか次期大統領候補の筆頭に押し上げられていた。

「政治哲学は同じ」

 尹氏は今後、保守系の最大野党「国民の力」と合流し、野党統一候補を目指す。

全国規模の組織と資金力を持つ政党の支援を得て、大統領選を乗り切る構えだ。

 「国民の力」は今月11日、若い 李俊錫イジュンソク 氏(36)が代表に就任し、勢いを増す。

党によると、代表選出後の5日間で新規の党員は約1万2000人に上った。

新規党員の半数以上が40歳代以下といい、若年層への浸透がうかがえる。

 左派系与党「共に民主党」は、 李在明イジェミョン 京畿道知事(56)や 李洛淵イナギョン 元首相(68)といった有力候補を抱える。

一方で「国民の力」は、党内に目立った候補がおらず、尹氏の入党は政権交代への必須条件だ。

尹氏は、「政治哲学では考え方が同じだ」と入党に意欲を示し、李代表も「電撃的で速度感ある歩みを期待する」と応じた。
弱み

 ただ、尹氏にも弱みはある。

この日の会見で、尹氏は北朝鮮問題や、米国との対応など、外交や安保の重要課題について具体的な言及を避けた。

日韓関係の改善に意欲を示した場面もあったが、これも文政権批判の延長線上と言える。

 検事として積み上げた約26年のキャリアは清廉潔白さを示す強みである一方、

政治経験ゼロという弱みの克服が、今後の課題になる。
来年3月の大統領選までに、明確な国家観を打ち出せるかどうかが問われる。


韓国野党候補 日本大使に関係改善の必要強

2021-11-26 17:52:37 | 日記
 2021/11/26 16:06

韓国野党候補 日本大使に関係改善の必要強調

【ソウル聯合ニュース】

韓国で来年3月に実施される大統領選の保守系最大野党「国民の力」候補、尹錫悦(ユン・ソギョル)前検事総長は26日、ソウル市内の党本部で相星孝一・駐韓日本大使と面会した。

 尹氏は「韓日関係が円満に解決してこそ日本にいる45万人の在外国民が暮らしやすくなる」と述べ、関係改善の必要性を強調した。

 尹氏は12日にソウル外信記者クラブでの記者会見で、

文在寅(ムン・ジェイン)政権の対日外交について、「対日関係を国内政治に巻き込んだ」として、「現政権に入ってから対日外交がほぼ壊れた」と批判していた。

 尹氏は相星氏に「韓国語を勉強し、(韓国)文化に関心が高いと聞いたが、私と共通点が一つある」とし、

「好きな曲が(歌手)シン・スンフンさんの『見えない愛』だと聞いたが、私の十八番だった」とあいさつ。

相星氏の出身が鹿児島であることに触れ、「以前、(体に)良いと言われ、鹿児島産の酢を食後に希釈して飲んだことがある」と紹介した。

 尹氏は面会後、記者団に「リラックスして、韓日関係の未来のため、良い言葉を交わした」と雰囲気を伝えた。


聯合ニュース

「脱貧困」目指す中国 無理な投資で莫大な負債 データ捏造も

2021-11-26 17:34:44 | 日記
「脱貧困」目指す中国 無理な投資で莫大な負債 データ捏造も

2020年10月21日 06時00分

中国政府は2020年中の「脱貧困」を最優先の政策課題に掲げる。

中国共産党・政府は、これを絶対に達成しなければならない目標と設定。
このため無理に投資を拡大し莫大な負債を抱えたり、貧困関連のデータを捏造したりする自治体もあると中国メディアは伝えている。

新型コロナウイルス流行に伴う経済の停滞もあり、習近平指導部は締め付けに躍起だが、中央の目標と地方の現実との隔たりが大きくなる恐れもある。(白山泉、写真も)

◆「良い生活は住居から始まる」
中国で最も貧困が深刻とされるのが四川省涼山イ族自治州だ。

記者は中国政府が国内外のメディアを対象にした取材旅行に参加。9月に現地に入った。

四川省涼山イ族自治州甘洛県で、政府が貧困家庭を移住させるために建設した住宅

「良い生活は住居から始まる」。

涼山イ族自治州トップの林書成共産党委員会書記はこう強調した。

同州は貧困に苦しむ人に住居を建設し移住させる政策を実行。16年以降、人口の7%にあたる35万人を移住させた。同州越西県に昨年建てられた集合団地には、数十キロ先の山村から移転した約6600人が住む。

その一人の男性、五呷子さん(25)は「近代的な家に住める。結婚して家を建てることが今の夢だ」と語った。

団地内で停電などを修理するのが現在の仕事。

月給は1000元(約1万5000円)だが、さらに条件の良い仕事をスマートフォンで探している。

四川省涼山イ族自治州で、山村から都市部に移住し「夢が広がった」と言う五呷子さん

2児の母、何建秀さん(27)は以前、広東省で出稼ぎをしていたが、今は2人の子どもと一緒に暮らす。

「商業施設で化粧品などの買い物をするのが楽しみ」と話した。

◆四川省「対策に15兆円近く投じた」

涼山イ族自治州を含む四川省全体では13年時点で、人口の1割弱の625万人が貧困に苦しんでいた。

これが19年末には当時の30分の1以下の20万人に減ったという。

四川省トップの彭清華書記は記者会見で「省の民生費予算の65%は貧困対策。

投じてきた金額は1兆元(約15兆円)近い」と説明した。

四川省だけでなく、地方のトップは脱貧困の目標達成をアピールする。

チベット自治区トップの呉英傑書記は今月15日の記者会見で、地区内の全人口が昨年末段階で基本的に貧困状態を脱したと主張。

脱貧困の達成基準は年収4000元(約6万円)以上だが、自治区内の貧困地区の平均年収は9328元(約14万円)に達したとも強調した。

四川省涼山イ族自治州甘洛県で、以前は貧困家庭が住んでいた住居
◆地方政府の強いプレッシャー
ただ呉氏は否定するものの、同自治区に対しては「思想教育を含む強制的な職業訓練がある」との国際社会からの批判がある。

さらに巨大建築物などへの無理な投資で、膨大な負債を抱える自治体も出てきた。

中国系政府メディアなどは7月、貴州省の貧困地域の独山県の負債が例年の歳入の40倍に当たる400億元(約6000億円)に達したと伝えた。

また同省では、貧困地域からの住民の移住が計画の30%しか進んでいなかったのに完了したと報告した県もあったという。

背景にあるのは地方政府の強いプレッシャーだ。

脱貧困の目標設定は大都市が中心だった中国の投資を地方にも振り向ける効果にはつながった。

だが、その「中身」については注意深く見ていく必要がありそうだ。

 中国の脱貧困政策 2020年中に、国内から貧困人口をなくすことを目標に定めた中国政府の政策。

15年に明確化された。

中国政府は、貧困人口が12年末の9899万人から19年末には551万人に減ったとする。

ただ20年は新型コロナウイルスの流行が貧困人口の減少に悪影響を及ぼす恐れもある。