奈良県警本部長、涙ながらに辞意表明「責任の重さに押しつぶされそうに」安倍元首相銃撃死で引責
[2022年8月26日9時13分]
奈良県警本部で行われた記者会見で辞意を表明した鬼塚友章本部長(共同)
安倍晋三元首相が奈良市で銃撃され死亡した事件を受け、奈良県警の鬼塚友章本部長が25日、県警本部で記者会見を開き、辞意を表明した。
辞職は30日付で「責任を痛感している。国内外の多くの方々に多大なるご不安、ご心配をおかけし、心よりおわび申し上げます」と述べた。
警察庁が警護の不備を指摘する検証・見直し結果を公表したことについては「本事案を防ぐことができなかったことを猛省し、諸対策を着実に実践しながら、新たな警護体制を構築していくことを誓う」と話した。
会見では大勢の報道陣を前にハンカチを手にして目に涙を浮かべ、何度も頭を下げた。
「亡くなったとの知らせを受け、衝撃と責任の重さに押しつぶされそうになる毎日だった。
事態の重大さに鑑み、職を辞して責任を取るべきだと判断した」と語った。
また「奈良県警は必ず信頼を取り戻して県民や国民の皆さまのお役に立てるように歯を食いしばってやっていくので、応援をお願いします」と話し、会見場を後にした。
国家公安委員会は安倍氏の的確な警護計画を作成しなかったなどとして、鬼塚本部長を減給100分の10(3カ月)、県警の松浦克仁警備部長を減給100分の10(1カ月)の懲戒処分にした。
松浦警備部長も30日付で辞職する。
県警も警備部参事官の男性警視(60)ら4人を減給や戒告の懲戒処分とし、現場を管轄する奈良西署署長の50代男性警視ら3人を本部長訓戒や本部長注意とした。
参事官の男性警視は9月2日付で辞職する。(共同)