【中央時評】貧しい高齢者、若者の未来にさせるのか=韓国(1)
2/9(木) 12:03配信
大韓民国で老いるということは恥ずかしさだ。若く見えるという社交辞令が乱舞し、1歳でも若く見えるようにするという服と化粧品が人気だ。
「老」の字は最初から忌避対象になり、官庁でも老人は「オルシン(高齢者、お年寄りなどの意)」という単語に代替された。
その騒がしい恭敬の裏には
「トゥルタク(話すと入れ歯がカチカチなることを揶揄した言葉)」「老人虫」「年金虫」などのような高齢者をさげすむ「嫌老語」が広がっている。
老いることをさらに恥ずかしくさせるのが貧困だ。
65歳以上の韓国の高齢者10人中4人は「相対的貧困層」だ。
中位所得の半分にも満たない金額で暮らす。
この数値は経済協力開発機構(OECD)加盟国のうち断然トップだ。
OECD平均の13.5%(2019年)の3倍に上る。
それでも所得下位70%の高齢者に支給される基礎年金が導入され良くなってこの程度だ。
各種経済指標でいつのまにかOECD上位圏を占めることになった韓国だが、この誇らしい数値を作った高齢者に返ってきたものは恥ずかしい統計だけだ。
問題は高齢者の現在が若者の未来という事実だ。
韓国の66歳以上の相対的貧困率40.4%は18~65歳の貧困率10.6%の4倍に近い(統計庁『韓国の持続可能発展目標(SDGs)履行報告書2022』)。
その格差が先進国のうち高齢者貧困率が比較的高い側のスイスやオーストラリア(それぞれ2.5倍)、日本(1.5倍)を圧倒する。
全人口よりむしろ高齢者の貧困率が低いフランスやオランダのような国との比較は考えることすらできないことだ。
韓国の若者たちが老いて貧しくなる危険性がそれだけ大きいという意だ。
話が長くなったのは、国民年金の所得代替率をさらに高めなければならないということを言いたいからだ。
現在国民年金の名目所得代替率は42.5%だ。
基金枯渇を遅らせるため毎年引き下げてきた。2028年までに40%まで低くなることになっている。
しかし生涯平均月給400万ウォンの人が国民年金で160万ウォンほど受け取れると考えれば誤算だ。
実際にはその半分程度だ。
名目所得代替率は40年間の加入を前提とするが、平均国民年金加入期間は18.7年にすぎない。
そのため実質所得代替率は22%水準にとどまる。
いま国会年金改革特別委で議論される2本の軸は保険料率と所得代替率だ。現在9%の保険料率を高めようというのは意見がまとまりそうだ。しかし所得代替率に対しては分かれる。民間諮問委員会は溝を埋められないまま現行維持案と引き上げ案を並んで提示した。