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日本全体の平均世帯年収は552.3万円!年代別・世帯別の中央値を大公開します

2023-02-13 18:10:55 | 日記
更新:2022.12.23

日本全体の平均世帯年収は552.3万円!年代別・世帯別の中央値を大公開します

執筆者
中村 翔也
ファイナンシャルプランナー

所有資格ファイナンシャル・プランニング技能士3級 専門分野・得意分野保険全般・金融全般・通信全般

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世帯年収とは、生計を共にする人の年間収入を合計した金額のことです。
家族それぞれに収入があれば、その額を合わせた額が世帯収入となるので、共働きか片働きかでは大きな差が出ます。
結婚をしたり子供が産まれたりすると、一般的な世帯年収の平均値が気になるもの。
そこで、本記事では総務省や厚生労働省が公開している統計データをもとに、さまざまなケースごとの平均世帯年収を大公開していきます。

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統計データを参照する際に重要な指標となる「平均値」と「中央値」の違い
はじめに、統計データを参照する際には「平均値」と「中央値」の2つの指標があることを理解しておきましょう。
平均値と中央値の違い
  • 平均値:全世帯の所得を合計して等分した場合の数値
  • 中央値:所得を低いものから高いものへと順に並べて、2等分する場合の境界値
平均値とは
平均値は、すべての数字の合計を均等に分けたときの数値です。
一般的によく使われる言葉ではありますが、平均値を計算する際に飛び抜けた数字がひとつでもあると、その数値は大きく変動します。
たとえば、1・3・6・8・11・13・20という7つの数字がある場合、これらの平均値は「(1+3+6+8+11+13+28)÷7=10」です。
世帯年収を語る上で外せない「収入」は、職業や年齢、個々人によって大きな差があります。
仮に9割が年収300万円であっても、残りの1割が2,000万円以上の収入を得ている場合は、平均値が引き上げられてしまいます。
一部の高収入の人によって平均値が引き上げられてしまうと、現実的な数値との隔離が発生してしまう恐れがあります。
中央値とは
一方の中央値は、所得を低いものから高いものへと順に並べて、2等分する場合の境界値のことを指します。
たとえば、1・3・6・8・11・13・20という7つの数字の平均値は「10」ですが、中央値は7つの数字をちょうど半分にした場合の境界値なので、このときの中央値は「8」となります。
一般的に、平均値よりも中央値のほうが数値としては低くなるので、調査対象のちょうど中間に当たる数値を知りたい場合は、平均値ではなく中央値を参照すべきといえます。
これらを踏まえた上で、日本全体の平均世帯年収と、世帯年収の中央値を見ていきましょう。

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日本全体の平均世帯年収は552.3万円
厚生労働省が公開する「2019年 国民生活基礎調査の概況」によると、2018年時点における日本全体の平均世帯年収は552.3万円であることがわかっています。
一方、日本全体の平均世帯年収における中央値は437万円となっています。

参照:Ⅱ 各種世帯の所得等の状況|2019年 国民生活基礎調査の概況|厚生労働省
この金額は、共働き世帯や母子世帯(父子世帯)、高齢者世帯など、さまざまなケースにおける平均世帯年収の平均値です。
上記の表を参照すると、平均所得金額以下の割合は日本全体の61.1%に上ることがわかります。
一方で、2009年〜2018年の世帯平均年収の推移を見ると、全世帯における平均年収の数値はそこまで大きく変わっていません。

※高齢者世帯:65歳以上の者のみで構成する、または18歳未満の未婚の者が加わった世帯のこと※児童:18歳未満の未婚の者のこと参照:Ⅱ 各種世帯の所得等の状況|2019年 国民生活基礎調査の概況|厚生労働省

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年代別の平均世帯年収
日本全体の平均世帯年収に続いて、年代別の平均世帯年収について確認していきましょう。
年代別の世帯年収比較を見ると、「29歳以下」が最も低い数値となっており、そこから年齢を重ねていくことで平均所得金額が上がっていきます。
2019年の調査においては、「50〜59歳以下」の年代が756万円と最も高い数値となっており、そこをピークとして60代・70代と徐々に平均所得金額が下がっていきます。
※スマホの方は表をスワイプできます
年代別の平均世帯年収年齢平均所得金額
29歳以下362.6万円
30〜39歳以下614.8万円
40〜49歳以下694.8万円
50〜59歳以下756.0万円
60〜69歳以下566.0万円
70歳以上394.6万円
65歳以上(再掲)425.4万円
参照:Ⅱ 各種世帯の所得等の状況|2019年 国民生活基礎調査の概況|厚生労働省
年齢を重ねることで平均所得金額は上がっていきますが、それと同様で健康上のリスクも高まっていきます。
厚生労働省が公表する「令和元年(2019)人口動態統計月報年計(概数)の概況」では、世代別の死因順位を公開しています。
※スマホの方は表をスワイプできます
世代別の死因順位年齢第1位第2位第3位第4位第5位
20〜24歳自殺不慮の事故悪性新生物心疾患先天奇形等
25〜29歳自殺悪性新生物不慮の事故心疾患脳血管疾患
30〜34歳自殺悪性新生物心疾患不慮の事故脳血管疾患
35〜39歳自殺悪性新生物心疾患不慮の事故脳血管疾患
40〜44歳悪性新生物自殺心疾患脳血管疾患肝疾患
45〜49歳悪性新生物自殺心疾患脳血管疾患肝疾患
50〜54歳悪性新生物心疾患自殺脳血管疾患肝疾患
55〜59歳悪性新生物心疾患脳血管疾患自殺肝疾患
60〜64歳悪性新生物心疾患脳血管疾患肝疾患自殺
65〜69歳悪性新生物心疾患脳血管疾患肝疾患不慮の事故
参照:令和3年(2021)人口動態統計月報年計(概数)の概況|厚生労働省
上記の表を見ると、40代以降は「悪性新生物(がん)」「心疾患」「脳血管疾患」で亡くなってしまう人が多いことがわかります。
年齢が上がって所得金額は増えるものの、それに合わせて月々の医療費や保険料の負担額が増加していることも伺えます。

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家族構成別の平均世帯年収
家族構成別の平均世帯年収についても確認していきましょう。
家族構成別の平均世帯年収
  • 夫婦(共働き)の場合
  • 夫婦(片働き)の場合
  • 3人家族(子供1人)の場合
  • 4人家族(子供2人)の場合
  • 母子・父子家庭の場合
  • 高齢者世帯の場合
夫婦(共働き)の場合
総務省が公表する「家計調査年報(家計収支編)2021年(令和3年)」によると、夫婦共働きの場合における、1ヵ月あたりの平均実収入は605,316円です。
これを年収に換算すると7,263,792円となり、そのうちの約60.3%は世帯主男性の収入、約39.7%は配偶者女性の収入、残りの数%は家賃収入や内職収入となっています。
夫婦(片働き)の場合
夫婦共働きのときと同様、総務省の「家計調査年報(家計収支編)2021年(令和3年)」を参照すると、夫婦二人で専業主婦(夫)がいる場合の、1ヵ月あたりの平均実収入は547,786円となっています。
年収に換算すると6,573,432円となり、夫婦共働きの場合と比べて、約108万円の差があることがわかります。
なお、これらは「平均値」をもとに計算した数値であり、2021年度の調査では「中央値」が公表されていませんでした。
また、お住いの地域や職業によって実数値が異なるので、あくまで参考程度に留めておくようにしましょう。
3人家族(子供1人)の場合
総務省の「家計調査年報(家計収支編)2019年(令和元年)」では、夫婦+子供1人の3人家族の場合の1ヵ月あたりの実収入も公開されています。
夫婦共働きの3人家族の場合は、1ヵ月あたりの実収入が599,864円となっており、年収に換算すると7,198,368円です。
一方、専業主婦(夫)がいる場合の3人家族では、1ヵ月あたりの実収入が568,721円で、年収換算で6,824,652円となっています。
世帯年収の平均を比較すると、共働きの場合と片働きの場合とで、1,344,960円もの大きな開きがあることがわかります。
意外とお金があるように見えますが、子供が生まれた後は何かとお金がかかるので、家族環境によってはこれだけの世帯年収でも不十分な可能性も考えられます。
収入を増やすことに加えて、日々の生活費を見直すことで余裕のある生活が送れるようになるので、以下の記事も合わせて参考にしてみてください。

3人家族の生活費平均はいくら?節約方法や資産形成の考え方まとめ2023.01.11

4人家族(子供2人)の場合
3人家族の場合と同様に、総務省の「家計調査年報(家計収支編)2021年(令和3年)」を参照すると、夫婦+子供2人の4人家族の場合における実収入もわかります。
夫婦共働きの4人家族だと、1ヵ月あたりの実収入が666,757円となっており、世帯年収は平均8,001,084円です。
一方、専業主婦(夫)がいる場合の4人家族は、1ヵ月あたりの実収入が595,319円で、世帯年収に換算すると平均7,143,822円となります。
子供に兄弟ができることで何かと出費も増えるので、4人家族の場合も、日々の生活費を見直して余ったお金を貯蓄に回すことを心がけましょう。

4人家族の生活費平均はいくら?節約のポイントや注意点をわかりやすく解説2023.01.11


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母子・父子家庭の場合
厚生労働省の「2019年 国民生活基礎調査の概況」によると、母子・父子家庭の場合の平均世帯年収は306万円であることがわかっています。

参照:2019年 国民生活基礎調査の概況|厚生労働省
母子・父子家庭の世帯年収は、上述の3人家族や4人家族の場合と比較すると400〜500万円ほどの差があります。
仕事をしながら1人で子供を育てていかなければならないため、親族の協力が得られない場合には、経済的・時間的にも非常に厳しい環境に置かれていることが伺えます。
高齢者世帯の場合
65歳以上の高齢者世帯の平均世帯年収は、厚生労働省の「2019年 国民生活基礎調査の概況」によれば、およそ312万円であることがわかっています。
高齢者世帯の収入には年金も含まれているので、場合によっては貯蓄を取り崩しながら生活することを強いられてしまうかもしれません。

参照:2019年 国民生活基礎調査の概況|厚生労働省
以下の記事で老後資金の貯蓄方法や、効率の良い投資運用方法について解説しているので、老後の生活が不安な人は、合わせて参考にしてみてください。



韓国経済「0%台成長」展望相次ぐ…頼れるカードは中国なのか (下)

2023-02-13 17:35:39 | 日記
韓国経済「0%台成長」展望相次ぐ…頼れるカードは中国なのか (下)

2/3(金) 7:12配信

1月26日、記者会見に臨む韓国のチュ・ギョンホ(秋慶鎬)経済副首相兼企画財政相(c)news1

【02月03日 KOREA WAVE】

韓国銀行も成長率展望値(1.7%)を近く下方修正すると予告している。 

イ・チャンヨン(李昌鏞)総裁は先月13日の記者懇談会で「これまでの指標を見るとそれより低くなる可能性が高いと思う」と話した。

 ただ、韓国政府は成長率1.6%との展望を維持している。

昨年の基底効果と中国のリオープニング(経済活動再開)の影響などで、下半期には徐々に状況が改善されるとの見方だ。

 一方で、中国のリオープニングによる効果は制限的だという分析もある。

漢陽大学経済学部のハ・ジュンギョン教授は次のようにみる。 「中国のリオープニングが韓国の輸出を増加に導く効果は限定的だ。

最近、低調な半導体景気をどれだけ克服できるかが輸出におけるカギだが、大きな期待をする雰囲気ではない」 

中国の経済活動再開が世界的に需要を引き上げ、原材料価格を再び高め、輸入価格に否定的影響を与えかねない――こんな憂慮もあるという。
 景気の鈍化を考慮し、韓銀が10月基準金利の引き下げに乗り出す可能性も提起されている。 

韓銀は先月13日、今年初の金融通貨委員会を開き、基準金利を年3.5%と従来より0.25%ポイント引き上げた。

だが、通貨政策方向の決定文では、従来の「金利引き上げ基調」を「緊縮」に修正しており、市場では事実上、金利引き上げサイクルが終了したという観測も広がっている。 

(c)KOREA WAVE/AFPBB News
KOREA WAVE

2/3(金) 7:12配信

1月26日、記者会見に臨む韓国のチュ・ギョンホ(秋慶鎬)経済副首相兼企画財政相(c)news1

【02月03日 KOREA WAVE】

韓国銀行も成長率展望値(1.7%)を近く下方修正すると予告している。 
イ・チャンヨン(李昌鏞)総裁は先月13日の記者懇談会で「これまでの指標を見るとそれより低くなる可能性が高いと思う」と話した。

 ただ、韓国政府は成長率1.6%との展望を維持している。

昨年の基底効果と中国のリオープニング(経済活動再開)の影響などで、下半期には徐々に状況が改善されるとの見方だ。

 一方で、中国のリオープニングによる効果は制限的だという分析もある。

漢陽大学経済学部のハ・ジュンギョン教授は次のようにみる。

 「中国のリオープニングが韓国の輸出を増加に導く効果は限定的だ。最近、低調な半導体景気をどれだけ克服できるかが輸出におけるカギだが、大きな期待をする雰囲気ではない」

 中国の経済活動再開が世界的に需要を引き上げ、原材料価格を再び高め、輸入価格に否定的影響を与えかねない――こんな憂慮もあるという。

 景気の鈍化を考慮し、韓銀が10月基準金利の引き下げに乗り出す可能性も提起されている。

 韓銀は先月13日、今年初の金融通貨委員会を開き、基準金利を年3.5%と従来より0.25%ポイント引き上げた。

だが、通貨政策方向の決定文では、従来の「金利引き上げ基調」を「緊縮」に修正しており、市場では事実上、金利引き上げサイクルが終了したという観測も広がっている。 

(c)KOREA WAVE/AFPBB News
KOREA WAVE

韓国経済「0%台成長」展望相次ぐ…頼れるカードは中国なのか (上)

2023-02-13 16:21:51 | 日記
韓国経済「0%台成長」展望相次ぐ…頼れるカードは中国なのか (上)

2/3(金) 7:12配信

釜山で進められるコンテナ荷役作業(c)news1

【02月03日 KOREA WAVE】

韓国の主要証券会社や銀行、経済研究所の間で、今年の韓国の成長率が1%以下になるとの悲観的な展望が相次いでいる。

民間消費の減少、投資萎縮、輸出不振など三つの指標が振るわない「三重苦」が止まらないためで、昨年末に政府が打ち出した1%台の成長見通し(1.6%)を楽観的だとみるものだ。

政府は「景気低迷はない」と強気を崩していないが、結局のところ中国経済以外に頼れるカードがないのが現実だ。

 韓国銀行によると、昨年第4四半期(10~12月)の民間消費は3四半期ぶりにマイナスに転じ、前期比0.4%減少した。

統計庁が毎月集計する小売販売は昨年9月から11月まで3カ月連続で前月比減少傾向を示した。

物価高と高金利、不動産など資産価格の下落の影響で消費不振は続く見通しだ。
 ◇投資縮小の流れ 投資指標も低迷している。韓銀によると、設備投資の伸び率は昨年第3四半期(7~9月)の7.9%から第4四半期は2.3%へと縮小した。

昨年末、全国経済人連合会が売上高トップ500の大企業を対象に調査した結果、投資を昨年より縮小するという回答が19.2%となり、拡大するという回答(13.5%)を上回った。

景気減速への懸念から、企業は投資を減らす流れにあるとみられる。 

輸出は昨年10月に減少に転じて以来、3カ月連続マイナスを記録した。

関税庁によると、年が変わっても流れは変わらず、今年1月1~20日の輸出は前年同期比2.7%減少し、輸入は9.3%増加。

貿易収支は102億6300万ドルの赤字を記録した。

 新韓投資証券研究員のハ・ゴンヒョンとキム・チャンヒの両氏は、経済の先行きに関する報告書で「年間成長率は1%を下回る可能性が高くなった」と評価した。

 オランダの銀行大手INGグループも最近「2023経済展望レポート」で成長率が0.6%にとどまるとの見通しを明らかにした。

ING銀行ソウル支店のカン・ミンジュ首席エコノミストは昨年11月の記者懇談会で

「韓国経済は対外需要が重要な要因だが、2023年の米国と欧州の成長率がそれぞれマイナス0.4%とマイナス0.7%で逆成長するだろう」とし、今年の韓国の成長率を0.6%と展望した。

 韓国・建国(コングク)大金融IT学科のオ・ジョングン教授も「経済成長の主要要因である輸出・消費・投資を全般的に考慮すれば、今年の韓国成長率は0%台に低くなる可能性がある」と指摘する。

 (c)KOREA WAVE/AFPBB News
KOREA WAVE




格差大国「韓国」、不可解な退職年齢の急低下 過酷な実情とは?

2023-02-13 11:03:19 | 日記
海外02022/04/10

格差大国「韓国」、不可解な退職年齢の急低下 過酷な実情とは?
  • 著者アレン琴子

    OECD(経済協力開発機構)の最新調査によると、韓国の実質退職年齢(Effective Age Of Labour Market Exit)がコロナ禍のわずか2年間で6.6歳下がったという。
同国は、所得水準が日本を超えるなど急発展を遂げている裏で、65歳以上の半分が貧困生活を送っている格差大国でもある。

高齢者の自殺率もOECD加盟国の平均の3倍と極めて高い。それにもかかわらず、なぜ実質退職年齢が下がったのか。

日本の実質退職年齢はOECDで最も高い

この調査は、経済活動から完全に退いた40歳以上の労働者の年齢に基づき、実質退職年齢(Effective Age Of Labour Market Exit)を算出したものだ。

2020年のOECD加盟国の平均は、男性63.8歳、女性62.4歳。実質退職年齢が最も低かったのはルクセンブルクの男性(59.2歳)とギリシャの女性(58.1歳)で、最も高かったのは日本とニュージーランドの男性(68.2歳)と日本の女性(66.7歳)だ

OECD加盟国の平均は1970年以降、低下に転じ、2000年に男性61.4歳、女性59.7歳を記録。その後、高齢化にともない再び上昇を続けている。

「日本より高齢者就労率が高い」という現実

そもそも、実質退職年齢が高い国と低い国があるのはなぜなのか。

退職後や年金受給開始後も何らかの形で賃金を得ている場合は退職していることにはならない。

極端にいうと、実質退職年齢が高い国=公的年金受給開始年齢を過ぎても働く高齢者が多い国ということになる。

その理由として、少子高齢化にともなう労働力の確保や健康寿命が延びたことによる就労意欲の高まり、公的年金支給開始年齢の引上げなどが挙げられる。

国連(UN)の統計によると、日本に次いで少子高齢化率が高いドイツやイタリア、スペインの実質退職年齢は、それぞれ日本より4.3歳、5.65歳、6.7歳低い。しかし、これらの国においても高齢者の就労率は増加傾向にある。

このような中、実質退職年齢を短期間で大きく下げたのが韓国だ。

2016年は男性が72.0歳、女性が72.2歳、2018年は男女ともに72.3歳と、OECD加盟国の中で最も実質退職年齢が高かった。
ところが2020年は、男性66.7歳、女性64.9歳へ低下した。

韓国でも少子高齢化が加速しているが、現時点で総人口に対する65歳以上人口の比率は日本の6割にも満たない。

それにもかかわらず、高齢者の就労率は2020年までの10年間で19%以上増加し、10人中3.5人が働いて賃金を得ている。

日本は2.5人だ。

これらのデータを見る限り、韓国における実質退職年齢の低下は不可解としかいいようがない。

所得は上がったものの高齢者貧困率はOECD加盟国中1位
可能性として挙げられるのは、所得水準の向上だ。

ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス公共経済学部ニコラス・バー教授らは、2006年に発表した論文『年金の経済学』の中で、「退職を正常財(所得の増加により需要が増加する財の一種)と見なした場合、収入が増えると退職年齢が下がる可能性がある」と指摘している。
OECDの1990~2020年のデータによると、賃金が過去30年間低迷している日本とは対照的に、韓国ではほぼ2倍に増えた。

2015年以降は日本を上回り、2020年の賃金は4万1960ドル(約511万円)に達した。

しかし、ここでもこれらのデータを額面通りに受け取ってよいものか、疑問は残る。

所得水準が上がったからといって、すべての国民の生活水準が上がったわけではない。

韓国の所得格差は他国と比べても大きく、2018年の時点でOECD中11位(34.5%)、総人口に対する貧困率は7位(16.7%)だ。

特に、66歳以上の貧困率は43.4%とOECD中1位。老後貧乏が問題になっている日本の2倍以上である。

韓国メディアの「コリア・ヘラルド」が入手した統計庁のデータでは、2019年時点で貧困率が47.4%へとさらに上昇し、2022年3月に初めて30%台まで下落した。とはいえ、他のOECD加盟国より依然として高い水準だ。

多数の国で実質退職年齢が上昇している背景には、「公的年金だけでは食べて行けない」や「公的年金すら受給できない」という高齢者が増えている現状もある。

実際、統計庁が2021年に実施した調査では、65〜79歳の4割強が就業しており、理由の多くが「生活費の補填」だったことが明らかになっている。

この点を踏まえると、同国の実質退職年齢が下がったのはやはり腑に落ちない。

年金制度も頼りにならず 平均受給月額は日本の半分以下

「2014年に基礎年金が導入されたことが高齢者の貧困率改善に貢献している」との見方もあるが、現実は過酷だ。

同国で公的年金が導入されたのは1988年、国民皆年金が導入されたのは1999年と、年金制度自体がまだ成熟していない。

保険料の支払い期間が短く、満額を受け取れる高齢者は一握りである。

平均受給月額は64万ウォン(約6万4,000円)と、物価がさほど変わらない日本の半分にも満たない。

また、韓国政府は国民年金制度を導入した当初、保険料を所得の3%に設定するという致命的なミスを犯した。

低い保険料で加入者をかき集め、5年ごとに3%引き上げるという計画で、現在は9%まで引き上げられているが、行きつく先は「枯渇」だ。

国会予算局は2021年、「年金基金が2040年までに赤字になり、2054年までに枯渇する」と予測した。

これでは若者が絶望し、生活苦に耐えられなくなった高齢者が自殺に追い込まれるのも不思議ではない。

2045年には世界一の高齢化大国に?

韓国経済研究院の予想では、同国の高齢者の割合は2024年に19.2%とOECD加盟国の平均(18.8%)を上回り、2045年には37%と日本(36.8%)を追い越すという。

早急な年金改革と所得改善が求められる中、新政権がどのように対応していくかが注目される。

文・アレン・琴子(英国在住のフリーライター)


人口減少続く地方大都市…京畿道の人口だけ増加

2023-02-13 10:52:26 | 日記
  • 人口減少続く地方大都市…京畿道の人口だけ増加

登録:2020-01-13 05:54 修正:2020-01-13 07:10

昨年、釜山、大邱、大田、光州、蔚山で人口減少 
伝統製造業の衰退や首都圏への流出などが原因 

人口の増加は京畿が16万人と圧倒的

製造業の衰退、首都圏への人口流出などにより、釜山などの地方大都市の人口は持続的に減少している。

2019年5月、釜山港のコンテナ埠頭//ハンギョレ新聞社

 釜山(プサン)や大邱(テグ)、大田(テジョン)、光州(クァンジュ)、蔚山(ウルサン)など、地方大都市での人口減少が続いている。

首都圏の人口が全体の50%を突破する状況で、地方大都市の人口減少は、地方の衰退の新たな危険信号となっている。

 12日、行政安全部が発表した2019年末の住民登録人口統計によると、全国の7大広域市のうち、仁川(インチョン)を除いたソウルや釜山、大邱、大田、光州、蔚山の6都市で、2018年末よりも人口が減少した。

減った人口規模はソウルが3万6516人、釜山が2万7612人、大邱が2万3738人、大田が1万5066人、光州が2868人、蔚山が7604人だった。7大広域市の中で唯一仁川だけは、人口が2384人増えた。

 ソウルを除いた地方大都市の人口減少は、このような流れが長期間続いている点で、さらに深刻だ。

釜山は1996年、大田は2014年、光州は2015年、蔚山は2016年から毎年人口が減っている。

大邱は2004年から人口が減少したが、2010年に一時的に増えたものの、2011年から再び減少に転じた。

核心産業地域の釜山や大邱、蔚山は製造業の衰退で直撃を受けており、大田は世宗市(セジョンシ)への流出、光州(クァンジュ)は首都圏への流出が主な原因に挙げられる。

 広域市道のうち、2018年末より人口が増えたのは5カ所だが、そのうち京畿道は16万2513人も人口が増え、圧倒的な1位を占めた。

京畿の人口増加は、デジタル産業の発展や新都市建設などによってソウルと地方の人口が流入したのが主な原因に挙げられる。

その次に世宗が2万6449人、済州(チェジュ)が3798人、仁川が2384人、忠清北道が755人増えた。

 基礎市郡区の中では63カ所で人口が増え、163カ所で人口が減少した。最も人口が増加したのは、京畿道華城(ファソン)市で、5万6674人だった。

新都市の東灘(トンタン)地区への人口流入が多かったものと分析される。その次は京畿道始興市(シフン)市の2万4995人、龍仁市(ヨンイン)市の2万4483人、高陽(コヤン)市の2万2162人、仁川市延寿(ヨンス)の2万191人などだった。

人口増加が多かった10の基礎自治地域はいずれも京畿と仁川など首都圏だった。人口が大幅に減った基礎地域のうち8カ所は首都圏で、その他に大邱西区、慶尚南道昌原(チャンウォン)市が含まれた。

 年齢別には、40代(16.2%)と50代(16.7%)が全体人口の3分の1を占めており、60歳以上は22.8%、19歳以下は17.6%、30代は13.6%、20代は13.1%だ。ベビーブーマーの高齢化と低い出産率で、60歳以上は増え続けている一方、19歳以下は減少を続けている。

 韓国人の平均年齢は42.6歳であり、最も若い広域は世宗市で、36.9歳だった。その次に、光州と京畿が40.8歳、蔚山が40.9歳、大田が41.3歳などだった。

 全体人口は2019年末5184万9861人で、2018年末の5182万6059人より2万3802人増えた。人口は着実に増えているが、増加幅は大きく減り、2013年以降7年連続で5100万人台を維持している。