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在日コリアンであることを隠してきた私が小説を書く理由

2023-02-21 18:05:33 | 日記
在日コリアンであることを隠してきた私が小説を書く理由
:2022年6月13日更新

TOKYO人権 第94号(令和4年5月31日発行)
インタビュー

Profile
深沢 潮( ふかざわ・うしお)さん
作家
東京都生まれ。両親は在日韓国人で父親は在日1世、母は在日2世、自身は1994年の在日コリアンとの結婚(のち離婚)・妊娠を機に日本国籍を取得。

1989年上智大学文学部卒業後、外資系金融会社勤務や日本語講師などを経験。

2012年『金江のおばさん』で第11回「女による女のためのR-18文学賞」大賞受賞。

『ひとかどの父へ』『緑と赤』『海を抱いて月に眠る』など在日コリアンをテーマにした多彩な作品を次々に発表。最新作は『翡翠色の海へうたう』。

『海を抱いて月に眠る』(文藝春秋)

出自を明かすことが辛かった そのことが小説を書くきっかけに

 
 小説家としてのデビュー作になった『金江(かなえ)のおばさん』を書くことになったのには、不思議な経緯があります。まずはそのことからお話しします。
 
 離婚したばかりの頃、強い喪失感を克服するために、同じように何かで喪失感を抱え苦しんでいる人たちが集まる自助グループに参加しました。

結婚から離婚にいたる経緯は、在日コリアンという自分の出自と密接に関わっていましたが、私は自身のことについて、そこで語ることができませんでした。

当時の私には、自身の出自を皆の前で開示することが、どうしてもできなかったのです。

それまでの人生でもずっと隠して生きてきました。

それが常に心につきまとい人生を左右しており、その頃はまだ正面から向き合うことが辛かったのです。

そんな折、グループをサポートしている方から「どうしても話せないのなら、自分の気持ちをフィクションでもいいから書いてみてはどうですか」と助言をもらい書き始めました。

そして、設定を少し変え、ストーリー仕立てで書いたものを、グループのメンバーに聞いてもらったら「面白い。来週も聞きたい」と喜んでもらえたのです。

  それをきっかけに、個人のブログに虚実を織り交ぜた小説を書き始めました。

そこでも反響が得られたことに刺激されて、ますますのめり込み、小説教室に通うようになりました。

『金江のおばさん』は、その頃に書いたものですが、原型は、自助グループで自分の体験を語る代わりに書いたストーリーが基になっています。                                                                                   

本名を名乗れなかったことで、

傷つけられた尊厳
本名で生きるには世間が厳しすぎた

 私は幼児期から本名を隠して通称名(日本名)で生きてきました。

これは両親の意向で、背景には二つの事情がありました。

 一つ目は私の姉が、重い心臓の病を抱えていたことです。姉は早くに亡くなってしまったのですが、幼少期から入院や手術を繰り返し、小学校への入学を1年延期したほど病弱でした。

そのため学校でも勉強や運動についていくことが難しく、そのことでいじめられる懸念がありました。

そこに「在日コリアン」であることが加わったら、ますますいじめられかねないと両親は考えたのです。

母が小中学校時代に随分と酷いいじめにあってきたことから、堂々と生きるには周囲からの扱いが厳しすぎると判断したのです。

 二つ目は父親の事情です。

父は子どもが生まれる頃まで政治運動に関わり、当時の軍事政権下の韓国で、政府に敵対する立場にありました。

しかしそれが原因で親族が不利益を被ることもあり、子どもの将来に影響が出ることを恐れた父は、政治運動から離れ、日本で実業に専念する人生を選んだのです。

 父は政治運動と決別したことで、一緒に運動をしていた仲間に負い目のようなものを感じていたようでした。

それで、在日のコミュニティーからあえて離れて生きることを選んだ面もあったと思います。

 ただ、この父親の過去については、大人になって小説を書くようになるまで、ほとんど知りませんでした。

私の作品の『ひとかどの父へ』と『海を抱いて月に眠る』は、どちらも大人になった娘が、これまで知らなかった父親の人生を通じて家族の歴史を振り返る筋書になっていますが、これは私自身の体験に基づいています。

親を恨んでいた子ども時代

 そうやって出自を隠していても、在日コリアンであることが分かりいじめられたことはありました。

私が子どもの頃は今以上に在日コリアンへの差別や偏見が強く、韓国籍では住居が借りられないことなども珍しくありませんでした。

 普段は出自を隠していても、家の中では韓国の文化を継承し、韓国式のしきたりも大事にしていました。

子どもの頃、家の近所の写真館で撮影してもらったチマチョゴリ姿の私の写真が、商店街の目立つところに飾られて、周囲の人々に出自を知られてしまったことがあります。

中学生のときには、本名が同じ世代の日本人の名前としては珍しく、韓国名を感じさせることから気づかれて、噂(うわさ)になったこともあります。学生時代には、そのせいで友達から仲間外れにされ、大変傷つきました。

 当時の日記を読み返してみると、世間や差別する人が悪いとは思っておらず、両親を責め、韓国籍である自分がいけないのだと自分を責めています。

出自を隠していることによって、尊厳を感じられず、さらに差別を受けることで、自己肯定感が著しく低かったのでしょう。

出自を隠さず堂々と本名で生きるということ

 友達でも恋愛相手でも、長い付き合いになり親しくなると、本当の自分を知ってもらおうと在日コリアンであることを伝えようとしました。

しかしそこでもやはり拒絶されることがあり、その都度ひどく傷つきました。

 それでも好きな人にプロポーズされれば、自分の出自を伝えないわけにはいきません。

そのために関係が破綻したことも一度ではありません。

「同じ墓には入れない」と言われたこともあります。

このような挫折体験が続き、同じ環境の人と結婚するしかないと考え、お見合いを経て結婚しました。

 結婚相手は、韓国籍であることを隠さず本名を名乗って暮らしている人でした。

私もいざ本名で暮らし、友人にも韓国人であることを打ち明けてみると、気持ちがとても楽になりました。

離れていった人もいるけれど、すんなり受け入れ、態度が変わらなかった人もいます。

差別する人は向こうから寄ってこなくなるので、むしろ差別されることは少なくなりました。

「これまで努力して隠してきたことは、一体何だったのだろう」と、自分で自分を追い込んでいた側面もあったと感じました。

「在日」という言葉すら知らない人でも読める作品を小説を書くにあたって、差別や貧困のような重いテーマを扱う場合でも、読む人に覚悟を求めるような物語にすることは避けています。

むしろ「ザイニチって何?」という認識の人でも、物語の世界にすんなり入っていけるよう意識して書いています。

 日本は同質社会なので、自分と同じものへの共感性はとても高い半面、自分と違うものに感情移入することはなかなか難しいように見受けられます。

だから小説の中では、たとえ在日コリアン設定の登場人物でも、読者に「自分と同じだ」と思わせる状況設定や描写を心がけています。

 私の小説は、戦争文学のような社会的な問題を取り上げるジャンルのものではありません。

例えば日常の中で、親しくしている友人が在日コリアンだったことに気づいたときに「あ、そうだったのね」と自然に受け止めてもらえるような社会が理想だと考えています。

読者と同じような境遇にいて、同じようなことを考えたり感じたりしている登場人物を描くことで、読む人にもっと身近に感じてほしいのです。

 在日をテーマにした物語が多いからといって、そのことに政治的な意図はありません。

日常生活の中で悩んでいる女性の話や、家族の葛藤の物語の舞台として、私に縁の深い在日の問題を扱っているだけです。

小説の真のテーマは人が感じる悩みや葛藤の側にあります。

マイノリティーが弱者だと決めつけないでほしい

 東京の大久保にある「コリアンタウン」周辺でのヘイトスピーチは、それが最も顕著だった2013年に実際に現地で体験しました。

『緑と赤』という作品の中でそのときの体験を基にした描写をしていますが、決して社会問題として告発したかったのではありません。

実際にその現場に居合わせた者として、これは描写しておきたいと感じたからです。

 ヘイトスピーチのデモ隊が通り過ぎていき、その場にいた若い女性たちの様子がガラリと変わり、まるで死んだような表情になっていくその情景や、当事者の若い男性の投げやりな態度が忘れられなかったのです。あまりにも衝撃を受けたり、尊厳が踏みにじられたり、好きなものを全力で否定されたりしたときに、人はどうなってしまうのかを物語として描きたかったのです。

 在日コリアンへの差別に対して、積極的に対抗したり助けようとしたりしている日本人の方々もいます。

ただ、そうした人の一部には、「弱者」である在日コリアンを「強者」である自分たちが、一方的に守ったり助けたりする立場としてふるまう人もいます。

 日韓問題に限らず、何らかのボランティア活動をしている人の中には、眼差しが上からの視線になっている人も見受けられます。

そのことに、支援されている側の人たちが傷つくこともあるのです。

それでも、もちろん助けたりサポートしたりすることは、何もしないよりもずっと素晴らしいことです。

 お伝えしたいのは、マイノリティーであることは、必ずしも弱者を意味しないということです。

「恵まれない境遇の中で、頑張って生きている可哀想な人」としてひと括りにしないでほしいのです。

そうではなく、人としての多様なあり方の一つでしかなく、それを「守られるべき弱者」として扱うことには違和感を持つのです。
 執筆中の様子(自宅にて)

   深沢 潮著『ハンサラン 愛する人びと』(新潮社)
                        
異なる人たちを特別視せず、ただ同じ世界に存在することを認めてほしい。

自分たちと異なる属性の人たちを特別視せず、ただ存在を認めてほしい
 日本の社会に在日コリアンへの差別がなくなればそれに越したことはありませんが、だからと言って、お互いが仲良くなったり、無理に好きになったりする必要は全くないと思います。

 例えば隣の家が自分の家と違う習慣や思想信条を持っていたとしても、よほどのことがないかぎり、隣人として上手くやっていくでしょう。

それと同じように、文化や出自のような属性が自分とは異なる人々が、身近に存在することが当たり前のことだと認められるようになってほしいのです。

 これまで述べてきたように、私は在日コリアンの問題を声高に訴えようとして小説を書いているつもりはありません。

それでも、そのような問題があることを知らない人たちに、私の小説を読んでもらうことで知ってもらい、心のどこかに留めておいてもらえれば嬉しいです。

そして実際にそういう人が身近にいたことが分かったときには、「あ、そうだったのね」と自然に受け入れられるきっかけになってくれればよいと願っています。

インタビュー 林 勝一(東京都人権啓発センター専門員)
編集 杉浦由佳

撮影(表紙・2~6ページ) 百代
深沢さんのおすすめ書籍

キム・ジヘ 著
『差別はたいてい悪意のない人がする  見えない排除に気づくための10章』(大月書店)
 


 







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質問主意書

2023-02-21 17:43:34 | 日記
第164回国会(常会)

質問主意書

質問第七二号

韓国・朝鮮人元BC級戦犯者への人道的措置に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

   平成十八年六月九日

福島 みずほ   


       参議院議長 扇 千景 殿


  韓国・朝鮮人元BC級戦犯者への人道的措置に関する質問主意書

 第二次世界大戦後、連合軍側が実施した軍事裁判により、有罪とされ処罰された者は五千七百名である。このうち死刑とされた者は九百八十四名である。この中には、朝鮮人百四十八名と台湾人百七十三名を含んでいる。
 戦後、軍人、戦争犯罪人及び公職追放者については、軍人恩給の支給が行われなくなったが、サンフランシスコ講和条約の発効により、戦争裁判受刑者及びその家族への様々な援護措置が行われた。しかしながら、韓国・朝鮮人元BC級戦犯者については、国籍条項を理由に援護措置は実行されず、放置されてきた。
 その後、在日韓国・朝鮮人の方に対して、帰還手当の支給、見舞金や生活資金の一時支給、また生業の確保や公営住宅入居への便宜措置が採られ、二〇〇〇年に「平和条約国籍離脱者等である戦没者遺族等に対する弔慰金等の支給に関する法律」が成立した。しかしながら、これらの処置は、補償の対象を重度戦傷病者と戦没者の遺族としていることから、韓国・朝鮮人元BC級戦犯者は補償の対象外とされ、放置されたままとなっている。このような韓国・朝鮮人元BC級戦犯者のおかれた状況について、一九九九年、最高裁判所は「我が国の統治下で半ば強制的に応募させられ、深刻かつ甚大な犠牲ないし損害を被った」と判示している。
 戦後六十年以上の時間がたち、韓国・朝鮮人元BC級戦犯者も高齢となる中で、人道的措置を採るために残された時間も少なくなっている。韓国・朝鮮人元BC級戦犯者は、当時の日本政府が遂行した戦争の軍務中の責任を問われて戦犯となり、処罰された。それにもかかわらず、国籍条項を理由に援護政策から排除され、差別されてきた。この幾重の苦難をかんがみれば、今こそ日本政府として、人道的措置を採るべきと考える。
 以上の趣旨から、以下質問する。

一 韓国・朝鮮人元BC級戦犯者問題に対する日本政府による研究・検討について

1 二〇〇五年、韓国政府は、日韓基本条約・請求権協定に関する関連文書を公開した。この中で、一九五二年二月、「韓国側から、現在巣鴨刑務所に服務中である韓国人戦犯者に対し、日本政府の方針を問い合わせたところ、日本側から本件は別問題であり、別途研究するつもりであるとの答弁があった」と聞いている。このような答弁があったことは事実か。
2 1で述べた日本政府の答弁が事実であれば、どのような研究がなされ、どのような結論が導き出されたのか。

二 韓国・朝鮮人元BC級戦犯者問題に関する日韓両国政府の認識の違いについて

1 これまで日本政府は、韓国・朝鮮人元BC級戦犯者問題について、一九六五年の日韓基本条約・請求権協定によって「解決済み」としている。一方、韓国政府は「戦犯は戦後問題として対象になっていない」と、日本政府とは異なった認識を示している。韓国・朝鮮人元BC級戦犯者問題の解決については、日韓基本条約・請求権協定において、日韓両国政府の合意が正しく形成されているのか。
2 韓国・朝鮮人元BC級戦犯者問題の解決について日韓両国政府の合意が正しく形成されているのであれば、日韓基本条約・請求権協定における交渉の過程に関する文書を示し、日本政府としての説明責任を果たすことができるはずである。具体的に文書の所在を示し、それに基づき説明されたい。

三 韓国政府から日本政府への要請の有無について

 これまで、韓国政府から、韓国・朝鮮人元BC級戦犯者への名誉回復、謝罪及び補償措置について、日本政府に要請があったか。あったならば、その日付と内容を示されたい。

四 日韓基本条約・請求権協定に関する議事録及び外交文書等の公開について

 日韓基本条約・請求権協定が締結されてから、すでに四十年以上が経っている。韓国政府は、昨年、日韓基本条約・請求権協定に関する文書の公開を開始した。日本政府も、日韓基本条約・請求権協定に関する議事録及び外交文書等について公開すべきと考えるが、いかがか。

五 中国で処刑された韓国・朝鮮人元BC級戦犯者の遺骨について

1 日本政府は、中国で処刑された韓国・朝鮮人元BC級戦犯の遺骨収集及び返還に関して、どのような役割を果たしたのか、具体的に示されたい。
2 中国で処刑された韓国・朝鮮人元BC級戦犯の遺骨は、中国政府から、韓国政府及び朝鮮民主主義人民共和国政府に返還されたのか。返還されたのであれば、それぞれの国に何体が返還されたのか。またその内、遺族の元に返還されたのは何体か。

   右質問する。


韓国、「これは酷い」金融困窮者の救済へ、金利減免と生計費の緊急融資 生活の質「最低を証明」

2023-02-21 16:07:30 | 日記
韓国、「これは酷い」金融困窮者の救済へ、金利減免と生計費の緊急融資 生活の質「最低を証明」


2023年02月21日

  • 韓国経済ニュース時評アジア経済ニュース時評

   
韓国は、先進国へ仲間入りしたとしているが、家計の債務急増で「金融困窮者」が続出している。

高利に苦しむ「金融困窮者」の救済で、政府が動き出さざるを得ない状況だ。金融当局は3月から、過度な債務負担を負っている金融脆弱階層の利息減免措置をすべての年代に拡大する。

また、上限100万ウォン(約10万円)の緊急生計費の融資も開始する。

韓国統計庁が2月20日、「国民生活の質2022」を発表した。

それによると、韓国国民の人生満足度は2019~2021年平均5.9点(10点満点)。

経済協力開発機構(OECD)加盟38カ国の平均(6.7点)に比べて0.8点低かった。

こうした現実が、金融困窮者を生む土壌になっている。

『東亞日報』(2月21日付)は、「脆弱階層の利息減免、来月から全年齢層に拡大」と題する記事を掲載した。

(1)「20日、金融当局によると、金融委員会は信用の低い青年層(34歳以下)を対象に、既存に約定された利息を30~50%下げる「迅速な債務調整の特例プログラム」を来月から全年齢層に拡大する計画だ。

信用回復委員会(信復委)が運営している迅速債務調整(延滞前の債務調整)は、債務延滞期間が30日以下だったり、まだ延滞が発生していないが、過重な債務負担を負っている借り手のために、最長10年間を限度に返済期間を延長したり、最大3年間返済を猶予したりする制度だ」

韓国は、すでに実施している青年層対象の金利減免措置を、3月から全世代へ拡大する。

既存に約定された利息を30~50%下げるというもの。

延滞していない場合、最長10年間を限度に返済期間を延長したり、最大3年間返済を猶予してもらえるという。

(2)「特例プログラムは、これに加えて低信用や失業、長期入院、災害被害などで状況が厳しくなった脆弱な借り手のために約定利息を既存比30~50%下げる。

例えば年間10%水準の金利の融資を受けたとすれば、これを年5~7%に調整するやり方だ。

金融会社の同意を得て利率減免が行われる構造なので、政府財政は投入されない」

今回の金利減免措置は、当局が金融会社の同意を得て行なうもので、財政資金投入を行なわない。

(3)「金融当局は昨年、青年層を対象に同プログラムを実施した結果、先制的な債務調整効果があると判断したため、これを全年齢層に拡大することにした。

脆弱階層を支援する目的が最も大きいが、金融会社の立場からも利息率を一部調整することで債権不良化を防ぐ効果を上げることができると分析された。

金融委員会はまた、基礎生活保障受給者や重症障害者など客観的に返済余力が大きく足りなければ、債務延滞期間が31~89日でも利息全額と元金(最大30%)を減免することにした。従来は元金減免申請の場合、延滞が90日以上の場合にのみ可能だった」

金融会社には、金利減免措置で不良債権化を防げるという効果がある。貸倒引当金の積み増しが必要ないのだ。これは、経営的にもメリットになる。

(4)「金融当局はこれと共に、来月最大100万ウォン(約10万円)限度の緊急生計費の融資も行う。

金融脆弱階層は金利が年数百%に達する不法高利貸しにさらされないように、申請直後に緊急資金を融資するという。

既存の政策庶民金融の支援対象から除外された低信用延滞者と所得のない人も利用できる。

緊急生計費の融資は、来月末、庶民金融振興院の窓口相談を通じて受け付けを開始する。融資金利は年15.9%を適用するものの、誠実に融資を返済すれば、最低9.4%にまで引き下げられる。

総供給目標は1000億ウォンで、100万ウォンを基準にした場合、最大10万人が利用できる。返済期間は1年だが、最大5年まで満期延長が可能となる」

政府は、最大で約10万円の緊急融資を行なう。約10万人の利用を見込むという。この金額で、間に合うだろうかと心配するほどだ。

(5)「金融委員会は、緊急生計費の融資申請を受ける際、信用回復委員会の債務調整や地方自治体の福祉サービスの利用を一緒に案内する方法も試みる計画だ。

金融委の関係者は、「延滞の懸念が大きい金融脆弱階層は、少しでも早く債務調整を始めてこそ経済的な立ち直りが容易だという点を勘案した措置だ」とし、「金利高の影響で困難に直面している脆弱階層のためのオーダーメード型支援を引き続き強化する」と話した」

緊急生計費の融資申請を受ける際に、地方自治体の福祉サービス利用も案内するという。そうでなければ、「10万円緊急融資」で金融困窮者を救済できないからだ。

韓国の金融困窮者の実態を見ると、これで「先進国」と自慢できるのか首を傾げざるを得ないほどだ。

韓国人の「生活の質」はOECDで最下位圏にある。韓国は、雇用形態に問題があることを浮き彫りにしている。

日本の外貨準備高は1兆ドル超 G7諸国の4~13倍、9割が外為特会

2023-02-21 11:04:53 | 日記
日本の外貨準備高は1兆ドル超 G7諸国の4~13倍、9割が外為特会 スリム化求める声にも政府は慎重

2022年11月1日 06時00分


 財務省所管の外国為替資金特別会計(外為がいため特会)で大部分が保有されている日本の外貨準備高が、先進7カ国(G7)で突出して多いことが、国際通貨基金(IMF)のデータから分かった。

2021年末で他のG7諸国の約4〜13倍だった。

物価高で国民生活が圧迫される中、特会に積み上がった巨額の外貨資産を経済対策や財政再建に活用すべきだとの声が与野党から上がっている。(山口哲人)

 外貨準備は政府と日銀にあり、9割以上が政府の外為特会で保有されている。

多くが米国債などのドル建て資産で、為替相場の急激な変動に対応する備えとして運用されている。

 日本の外貨準備高は21年末で1兆4058億ドル。

当時の為替レートで約161兆円に相当し、政府の一般会計当初予算の1.5倍の規模。

今年に入り、急速に進む円安是正のため為替介入した後の9月末でも、1兆2380億ドルも残っている。

 世界の21年末の外貨準備高は、中国が3兆4269億ドルで最も多く、日本は2位。

日本を除くG7では、ドイツが2960億ドルで日本の4分の1以下。

経済規模を示す国内総生産(GDP)比でも他のG7は1〜11%程度だが、日本は28%。

残高、比率とも飛び抜けている。

 00年末に3616億ドルだった日本の外貨準備高は、過去20年以上、右肩上がり。

財務省は残高が増えた主な理由について、過去の円高局面で円を売って外貨資産を買う為替介入を行ってきたことや、外貨資産の運用益が積み重なったためだと説明している。

急激な円安で膨らんだ評価益 「たまたまプラスで、財源には不適切」と政府

 外為特会を巡っては、国民民主党の玉木雄一郎代表が、急激な円安効果で膨らんだ「評価益」分を経済対策に使うよう提唱しているが、財務省は「たまたまプラスになっている評価益を財源とするのは適切ではない」と否定している。

これに対し、自民党の伊藤達也元金融担当相は、外為特会そのものをスリム化し、財政健全化や中長期的な政策などへの活用を検討すべきだと提案する。

日本の外貨準備高が突出して多いことに関し、

松野博一官房長官は10月26日の記者会見で「適正規模について国際的に統一された見方はない」と評価を避け、「市場に急激で過度な変動が生じた場合、自国通貨を買い支えるために十分な額を保有しておくことは重要だ」と、外為特会の活用に慎重な考えを示した。

 一般会計と比べ国民の目が届きにくい特会を巡っては、過去に小泉政権で「埋蔵金」論議が起き、その後の旧民主党政権でも特会改革が議論された。