たまには映画の話でもしないとどうしようもないような気がしてきた。
ということで、昨日観た「マチェーテ」について感想をば。いつもなら公開中の映画については極力ネタバレは避けているんだけど、今回は高確率でネタバレ入る予定なので未見の人はページを閉じてさっさと劇場に走るか、目ン玉に親指ね。ストーリー解説は観れば分かるので特にしません。これはいつも通り。
はい、マチェーテですよ。ロドリゲス監督殿、グラインドハウスの時のあの糞カッコイイ似非予告編を実現しちまったわけで。結論から言うと、内容はまさに期待通りで、本年の男気アクション代表作エクスペンダブルズをまんまと抜いて、本年度私的ランキング暫定一位と相成りやした(エクスペンダブルズについては気力があれば後ほど)。
まずもって、役者陣が素晴らしい。本当にエクスペンダブルズとタメを張るような豪華な面々。
その中でも最高に輝きを放っていたのが何が何でも本作の主人公マチェーテを演じるダニー・トレホだよ。
主演だから輝いているのが当然だぁ?ダニー・トレホだよ。あのどうやってもメインでは生かせそうにないダニー・トレホが主演なんだよ。名前を知らなくても顔を見れば分かる。「あー、あの人○○にでてたよねー!」って、その○○が大抵悪役だったり哀れな脇役という。B級アクションを嗜む者にとってはお馴染みの顔ともいえるだろう。
例えば、ヒドゥンでは留置所で騒いでいたところをエイリアンにあっけなく退場させられたり、コン・エアーではヤッた女の数だけ刺青を刻む超絶レイパーを演じ手錠をつないだまま飛行機が墜落した衝撃による腕チョンパで退場させられたり等等、挙げだしたらきりが無い。
実際出演作は多く、一見なかなか鮮やかな経歴ではあるが、とても主演を張れるタイプではなかったし、各々の作中でもそのように扱われることが多かった。そのダニー・トレホが本作品「マチェーテ」ではガトリング装着バイクに跨る神話的バイオレンスヒーローとなるわけ。その作品の監督が従兄弟のロドリゲスというんだから更に胸が熱くなるわな。
とはいえ、B級アクションなどを好まない人にとっては(まあ、そんな人はこんな映画観ないんだろうけど…)、誰よ?あの超絶強面の危ないオッサンは?ってなるんだと思う。だからといってはアレだが、脇役が大変豪華なメンバーで固められているのもこの映画の見所。
この映画、見渡す限り悪役とエロイねえちゃんだらけなんだけど、まずは大御所から目を向けるとロバート・デ・ニーロね。腹黒議員がハマリ役。ベテランは何でもできて流石だなと。最後に寝返ったと思ったら楽しそうに銃撃ちながら登場したのには笑った。で、自分が“移民狩り”される最期も大変良いオチで。
個人的にかなり嬉しかったのは自警団で移民狩りに興じるドン・ジョンソン。加えて、二挺ショットガンで暴れる神父にチーチ・マリン。そう、ナッシュなんだよこの面子。はあ、もう何だこの俺得映画は。ちなみに、ドン・ジョンソンが最終戦争の前に、「俺の先祖はアラモで云々」みたいな台詞があったと思うんだけど、あれと同じような話をマイアミバイスの時にソニー・クロケットとデイビー・クロケットの洒落みたいな会話をしているシーンがあったんだよな。それ思い出して余計に深読みしつつニンマリしていた。
その他、用心棒的な役割に登場するのがトム・サヴィーニだったり、一部の方面の方々はヨダレたらしまくって部屋のワックスがけがいらなくなるような作品だ。
さてさて、エロビッチにも目を向けてやらねばなるまいて。
まずは、ジェシカ・アルバ、今日もエロい!明日もエロい!だから呑気にシャワー浴びている場合じゃないぞ!早くおっぱいを見せるんだ!
次!ミシェル・ロドリゲス!相変わらずエロカッコ強ェねえちゃん最高だ!ラストのアイパッチで再登場は痺れたぜ!本年度しばかれたい女性候補生!
そして、何だ、相変わらずお騒がせなリンジー・ローハン!ジャンローハンみたいな名前しやがって、おっぱい丸出しじゃないか!俺の股間も騒がせやがってけしからん!トレホとの3Pシーンもよくやった!「マチェーテ メールしない 勃起する」今回のエロビッチ大賞はあんたにあげちゃう!
おぅ、我ながら酷いな。
そして今回、メキシコ移民対策云々の陰謀の影で麻薬マーケットの支配を目論む悪役に奴がやってきた!歩く死亡フラグと呼ばれて久しいあの男!最近は自分ではろくに動けず、声までダブル使いまくりのあの男!時には怪しい関西弁を操り、娘はガメラのあの男!なんか性奴隷がいるとかニュースになってもなんの違和感もないあの男!あなたは決して沈黙していない!そう、スティーブン・セガールである!
いやはや、嬉しいじゃないの。久しぶりにケイシーおじさんがこんな表舞台で輝く日が来ようとは。そして本作では正義の世界最強のコックじゃないのがミソね。日本刀を片手に、両脇に女をはべらせながら怪しい笑みを浮かべるセガール。彼のイメージぴったりの悪役を演じ、見事にハマっている。
で、ここからちょいと、恐らく本作最大の問題になるであろう、セガールの最期について触れてみよう。これまで頑なにポジションを守り続けていたセガール最強説が本当に覆されたのか否か!?以下、私の持論である。
我々は信じてきた。エグゼクティブデシジョンでもセガールはステルス機から飛ばされた後、どこかのジャングルで生き延びているか、そのまま偶然シージャックされた船の上に飛び降りてベイツ提督と連携を取りつつ事態を制圧しているはずだと。
ところが本作ではクライマックスのマチェーテとの一騎打ちで、合気の極意を一発かましたのみであっけなく土手っ腹に一撃を食らっている。いよいよ、セガール最強説が覆され、ダニー・トレホはセガールを倒した男として映画史に刻まれるかと思われたが、ちょっと待って欲しい。
格闘の末、土手っ腹に大ナタをブスリと貫通させられたセガール。口から血を吐きつつも不敵な笑みを浮かべる。そして、両足でしっかりと地面を踏み締めるのだ。続けざま、お前の手では俺は殺されないぞと、刺さった大ナタをつかみ自刃する…。
そう、セガールを殺せるのはあくまでセガール自身であって、マチェーテではないのだ!つまり、セガール最強説は覆されていない!
強引過ぎるかしらね?または、こんな仮説も用意できる。あの後、実は植物人間状態になって入院している説。ある日突然意識が戻り復讐の決意を…。っていう、映画があったなあ(遠い目)。
いずれにせよ、セガールは最強だったんだけど(そういうことにしておいてやれ!)、本作を契機に悪役路線も開拓していって欲しいなと、個人的に思ってみたりしちゃったり。
しかし、このオッサン、本当に動けないよな。刑事ニコの頃のシャープな姿から比べればただの草鞋顔した肉達磨だもの仕方ないかもしれんが、プライドは無いのかよ…。実際マチェーテとの一騎打ちもかなりあっけなくて、もう少し頑張って欲しかった。折角滅多にない良い役どころだったんだからさあ。身体に刺さったナタを引っこ抜いて斬りかかるくらいのガッツを見せてくれよ…。
最強オヤジの話はたいがいにして、アクションに目を向けよう。マチェーテはとりあえず刃物さえあれば何でもできる子。しょっぱなから大ナタで切り株作り。オペ道具、調理具、なんでもござれ。火薬量も一切惜しまず、家が爆発すりゃあ、きたねぇ花火の出来上がり。マッドマックス2の要塞みたいな所の最終バトルまでとことん硝煙臭い映画だ。アクションの撮り方も極力余計な編集はせず、スタンダードな演出が多いので安心して事の次第を見届けられる。
アクションも激しければ残酷描写も過激さを増す。そんな中でも何かとユーモアを忘れないのが安心クオリティたる所以。例えば、教科書通りにやりました!と言わんばかり、銃を握ったまま切り落とされた手を拾って、そのままトリガーを引いたり、ショットガンで撃たれた頭はスイカのように弾け散る。飛び出た腸をロープ代わりに飛び降りるシーン一つを見るにつけても分かってらっしゃるなと。あのシーンは最近見た「処刑山/デッドスノウ」を思い出させた。
さて、ダラダラと何が言いたいのかサッパリ分からなくなってしまったが、そろそろ総括。
全体的に激しいアクションを見せつつ、モジモジしちゃう実にけしからんエロ成分を交え、ときには小休止をはさみつつ、教会の監視モニタが十字架形に設置されていてクスッと笑わせてくれるようなユーモアも忘れない。そういうバランスやテンポの良さに加え、話自体も何だかんだでブラックユーモアの中で移民問題を取り上げていたり、豪華キャストの面々を上手く生かせる構成になっていた。これらを総括して、本年度私的ランキング暫定一位ということに。
しかし、今年は良作が多いよね。来月はキックアスも控えているし、気分次第じゃランキングも変わるかもしれんでよ。
あ、そうそう、最後に、この映画パンフ買おうと思ったら作ってないのよね。まあ、ヴァギナから携帯がでてきてびっくりの18禁映画だし、これだけ超絶B級スメルが漂ってりゃ需要も限られるわけで、採算取れんと踏んだのだろうな。ソニーピクチャーズもユニソルはパンフあったんだからもうちょい頑張ってくれよなあと思いつつ…。
というわけで、なんとなく次回への布石を残しつつ終わった感もあるので、フェイクじゃなくて続編「殺しのマチェーテ」の製作を期待。やはり、こういう映画が無くちゃ駄目なのよ。
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