かような年の瀬ギリギリに、昨年に続き本年も大して本数観ているわけではないですが、2015年の私的映画10選など記しておきます。(一部ネタバレ含みますのでご容赦を)
『マッドマックス怒りのデス・ロード』
とりあえずというか、個人的に結局今年はこれを超える完成度の作品が無かったなあ、という印象。
荒野の砦から行って帰ってくるだけの間に衝突、爆発、砂煙、そして沈黙の中で描かれる人間模様と猛スピードで盛りだくさんの二時間。荒野のカリスマ、イモータン・ジョーをはじめ我らがフュリオサ大隊長と、観ているだけで楽しいキャラクター。背景から小道具まで緻密に構築された世界観。荒廃した褐色の世界と青空の対比が美しい。
マックスの脱げたブーツやフュリオサ大隊長の外れた義手バンドなど細かい描写がすべて伏線になっているという職人技の数々。そして、極力実写で構築した頭のオカシイ(褒めてます)猛烈なアクションの本気度にはとにかく圧倒される。アクション映画史に残る一本なのは間違いない。
まあ、なんだかんだ完成度が高いのは結構なんだけど、もうちょっとフザけてて良かったかもしれないなというのが正直なところ。てなわけで、これ以上グダグダ書いてもキリが無いのでこの辺で。
『クリード チャンプを継ぐ男』
これはもう、一言で、熱かった。本当に油断してたら泣かされたという。スタローンの枯れた演技に尽きるねえ。
伝説のチャンプ、アポロの息子という宿命を背負ったアドニスと、重い病気を患ったロッキーの2人が留置所でお互いの率直な想いをぶつける所で涙ドバーよ。そして、アドニスとロッキーが一緒に“闘おう”と決意してからの展開。かつてロッキーが走ったフィラデルフィアの街をバイク軍団と走るアドニス。療養中のロッキーの部屋の下まで走って行って皆で「ロッキーを励まそう」ってとこでまたまた涙ドバー。
アドニス役のマイケル・B・ジョーダンのボコボコにされた顔が、あれ意識してメイクしてんのかってくらい、アポロにどことなく似てるんだよなあ。んで、「試合には負けたけど闘いには勝った」っていうロッキー一作目を髣髴させる最後にもう涙汁がタチアナドバドバよ。
あとはアドニスの初戦の完成度ね。試合がワンカットなんすよ。ワンカット大好物おじさんとしましても、新たな歴史の一ページとして大変感慨深い作品でやんした。
『ジョン・ウィック』
昨年二番手に挙げたイコライザー同様、ナメてた相手が実は…系の映画ね。初っ端からお約束通り、なんて奴を怒らせちまったんだとビビり出す敵さんチームの哀れな姿。あとはこの作品のポイント、コンバットシューティングと体術のミックス=所謂ガンフーはホント観ていて楽しいね。行動不能にしてからのダメ押しのヘッドショットとか最高すぎまっせ。カチコミはちゃんと抗弾ベストを着用して原則ダブルタップからのスムーズなタクティカルリロードっていうマイケル・マン的リアリズムに万年中学生は鼻血が止まらんです。
あと、とにかくあのワンちゃんすげえ可愛かったなあ。一緒にお布団入りたいわ。あんな可愛い子を殺めるなんて許せませんよ。ヘッドショットでおしおき頭パンパンです。
本作、不満があるとすれば、最後の闘いはもうちょっと盛り上げる相手にしてほしかったというのと、キアヌはもう少し無双っぷり発揮して欲しかったというところかな。まあ、その辺は次に繋げて行っていただければと期待しつつ。
『ワイスピ スカイミッション』
各作品手短に纏めようとおもったけど例によって結構なグダグダに……。そろそろ圧縮していきます。
これはもうラストの構築美に尽きる。大切な“家族”ポールを失った事実を踏まえてのあの最後、涙ドバーせざるを得ない。
車って空飛べるよね?って錯覚するほどの大バカカーアクション、ロック様が街中でミニガンぶっぱなしてるところの祭り感といい、今作もエンターテインメントの極致っぷりは健在。トニー・ジャーの活躍とロンダ・ラウジー姐さんVSチンポの無い兄貴のキャットファイトが観れたのが個人的には嬉しかった。
しかしまあ、ポールを亡くしてここまで完成させたのって本当に技術力しかり大したもんだよなあ。こんなこと言っちゃあなんだが、今の技術で死亡遊戯を再構築したら…と妄想が捗ってしまう。
『ナイトクローラー』
清清しいまでの主人公のキチガイクズっぷりが謎の高揚感をもたらす作品。胸糞映画なのに気持ち良いっていう。
盗品スクラップを生活の糧としていたルーが、事故・事件現場を個人撮影してニュース番組に映像を売り込むという天職を見つけてからのなりふり構わぬ暴走っぷり。誰が傷つこうが関係無し。サイコパス全開で結果が全て。仕舞いにゃ警察の嫌疑も振り切って堂々とビジネス展開してゆく姿に痺れてしまう。
あとは個人的にレネ・ルッソを久々にスクリーンで見れたのが嬉しかった。んで、監督が旦那だったとは知らんかったです。
『M:I ローグ・ネイション』
冒頭の例の飛行機しがみつきアクションから体張って笑い取りに行ってるよなあ。サイモン・ペッグが居るだけで壮大なコメディ映画に見えてくる不思議。
カーチェイスからのバイクチェイスの完成度がすげえ高くて、アウトロー組さまさまといったところか。ショーン・ハリス演じる親玉も存在感あって大変よろしゅうござんした。
いずれにせよ、ウー校長で思春期を送ったボンクラとして、いよいよもってM:I-2とは何だったのかと思わざるを得ない悲しさがありますよね。
『007スペクター』
先日あれこれ書いたので割愛。
『ジェームス・ブラウン 最高の魂を持つ男』
だんだん書く気力が無くなってると?その通りです。
これはBDで観たんだけど、本邦今年公開ってことなので入れておきやす。
初っ端からファンキーなベースで大好きな「Get up Offa That Thing」が流れてテンションがヴィンヴィンに上がっちゃう。JBを演じるチャドウィックのなりきりっぷりはお見事で、ちゃんと自分でスプリットやってるんすよ。
ゴッドファーザーの幼少期、デビュー、最盛期と時代を順に追うのではなく、上手く織り交ぜつつ、時折作品の枠を飛び出して観客に語りかける演出も粋。揺ぎ無きJBのカリスマっぷりを存分に堪能させていただきました。
『カリフォルニア・ダウン』
どんな災害でもロック様がいれば大丈夫!開かないドアはひっぺがす!息してなきゃ力尽くでぶっ生き返す!!そう、気合があれば大丈夫なんです!!!
公私混同と呼ばれても結構、愛するものを守るためロック様は陸海空と奔走するのである。こういう事態になった時のために、さまざまな乗り物の免許を持っていたほうが良いのだなあとおもった。
ロック様の嫁の新しい男(案の定クズ野郎)役を演じていたヨアン・グリフィズが何故か終始ヴァン・ダムにしか見えなかったという。そして個人的な大ヒットはロック様の娘役、アレクサンドラ・ダダリオちゃんですね!水中オパイコの迫力たるや、私にも心臓マッサージさせてください!!とおもいつつ、親父に殺されるよな……。
『野火』
低予算ながら力強いトラウマ映画。そう、戦争映画なんだからトラウマ与えてなんぼなんですよ。闇の中で待ち伏せされて大量死していくあたりは、予算少ないながらも照明やカット割りを上手く使いつつ、印象的で残忍なシーンに仕上がっている。全編通して生き生きとした草木と対照的にそこかしこに漂う死の香り。敗戦色濃いジャングルで、食糧不足の挙句狂いだす理性。死と紙一重の状況でギラギラした目で鬼気迫る塚本氏とリリー氏の演技も大変良かった。
途中で気絶しそうになりながらも、私的10選は悩んだ挙句このような結果でございました。
上で取り上げてはいないものの、ニンジャ・アベンジャーズやカンフー・ジャングルなど各ドニーさん作品、ユニソル兄弟(?)のバトルヒート&マキシマム・ブラッドなど、好物のアクション映画が豊作で楽しい1年だったとおもいます。とりわけクリードをはじめ往年のアクションスターの枯れた演技も輝いておりましたね。
あと、今年の特徴として、マッドマックスをはじめ、ターミネータージェニシス、ジュラシック・ワールド、スター・ウォーズEp7フォースの覚醒など、続編・リブート企画が盛り上がったものの、いざ期待して乗り込んでみればクオリティは良いんだけど、どこか決定打が無く、肩透かし感が多かったかなというのが個人的な印象でございました。
さて、オマケの男優賞と女優賞的なものを。まず、女優賞はフュリオサ大隊長、これで決まりでしょう。男優賞は私をビショビショにさせた老齢のロッキーへ。
さらに今回は特別賞として、上述のカリフォルニア・ダウンや久々のジョー・ダンテおじさんのゾンビ・ガールで活躍目覚しかったアレクサンドラ・ダダリオちゃん!2015年おっぱい大賞決定です!!
そんなこんなで、今年も残すところあと6時間ちょい。ここの更新は結局2回という酷い有様でありましたが、来年もゆるりとやって参る所存でありますので引き続き何卒宜しくお願いいたします。
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