北朝鮮の「金英哲(キム・ヨンチョル)」が平昌五輪の閉会式に参加するため訪韓し各地を訪問するらしいのですが・・・・・・。
金英哲(1946- )は、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の政治家、軍人。朝鮮労働党中央委員会副委員長。・・・・・・
降格から3ヵ月後の2013年2月に大将への復帰が確認され、2012年12月の事実上の弾道ミサイル発射実験や2013年2月の3度目の核実験で、外交的な対北朝鮮包囲網が強まる中、3月5日に金英哲が朝鮮中央テレビで「休戦協定の白紙化」を宣言し、4月には各国の特命全権大使を呼び出し北朝鮮からの退避勧告を伝えるなどし、強行外交を主導した。・・・・・・
2018年2月25日に韓国で行われる予定の平昌オリンピック閉会式に北朝鮮代表団として出席する予定となっているが、天安沈没事件を主導した強硬派の来訪については韓国国内から遺族や保守系野党を中心に反発の声が上がっている。:Wikipedia
金英哲(キム・ヨンチョル)は、このように強行派の軍人であり、韓国内には、来韓に大きく反対する人たちがいるようですが、北朝鮮べったりの文在寅大統領は、前向きのようです。政権が代われば、この逆になり、保守政権の場合、政府の方針に対して北朝鮮べったりの野党が強烈に反対します。こういうのが10年周期で繰り返されるようです。
【社説】金英哲氏訪韓は金正恩氏の計算通り
韓国与党・共に民主党の秋美愛(チュ・ミエ)代表は23日「2014年に南北間で行われた将校級軍事会談の時も、北朝鮮側の代表は金英哲(キム・ヨンチョル)氏だった。ところが当時のセヌリ党(保守系野党・自由韓国党の前身)は『南北対話が続くことを期待する』という趣旨の論評を出した」と指摘した。同党の禹元植(ウ・ウォンシク)院内代表は「2014年の金英哲氏と2018年の金英哲氏は何がちがうのか」と主張した。あの時も今も同じ人物であるため「野党が金英哲・朝鮮労働党副委員長兼統一戦線部長の平昌オリンピック閉会式参加を問題視すべき理由はない」と言いたいのだろう。
確かに金英哲氏は朝鮮人民軍の幹部として当時板門店で行われた南北軍事会談に出席した。ただしスポーツとは何の関係もない彼が今回韓国主催のオリンピックに主賓として招待され、2泊3日の日程で韓国各地を回ることと、当時の軍事会談を同列に扱う与党の言い分に筋は通っているだろうか。また4年前の会談で韓国側は対南挑発の総責任者だった金英哲氏に対し「哨戒艦『天安』への攻撃と延坪島砲撃を認め謝罪せよ」と迫ったが、今回韓国政府は金英哲氏に同じ要求ができるか非常に気になるところだ。: 朝鮮日報日本語版 2018/02/24
今の韓国与党は、朴槿恵当時の与党も『南北対話が続くことを期待する』と言ったではないか、とし挑発の責任者である金英哲が平昌オリンピック閉会式に参加することを推進しました。
保守系の朝鮮日報は、あくまでも今の左翼政権に反発しております。
[社説]北朝鮮・金英哲の予想外の「閉幕式出席」にかける期待:韓国ハンギョレ紙 2018-02-22
一転して、強烈な左翼新聞社である韓国ハンギョレ紙は、今の与党文在寅大統領を支持しており、金英哲に期待しているようです。
同じ金英哲に関する記事ですが、朝鮮日報 とハンギョレでは、正反対ですね。こうした左翼と右翼が、10年毎に交互に政権を握っており、どちらが韓国人の本気なのか、まったく分らないところで、外国が分らないのもむべなるかなというところです。
文在寅大統領と韓国ハンギョレ紙には、平昌五輪を南北統一に利用しようとする姿勢がみられ、むしろ北朝鮮が巧みに操っているようです。あんな北朝鮮に接近してどうなるのか、といぶかる人も多いことでしょう。
中国・韓国以外の国がいくら北朝鮮制裁を唱えても、抜け道を探し続けて効果がないといったところです。
[社説]「北朝鮮の労働党副委員長を射殺しろ」という野党、無責任の極み
自由韓国党が北朝鮮の金英哲(キム・ヨンチョル)労働党中央委員会副委員長の平昌(ピョンチャン)五輪閉幕式出席を猛烈に批判し、極端な言葉を吐き出している。北朝鮮の代表団長である彼を「天安艦襲撃事件」の主犯と目名指ししているからだ。「韓国の地を踏むと同時に即射殺しろ」とか「連続殺人犯を緊急逮捕しろ」などの険悪な発言と「肉弾阻止」という言葉まで出てきた。文在寅(ムン・ジェイン)大統領に対しては「反逆行為」 「利敵行為」 「北朝鮮と共犯」という表現まで使った。野党が南北関係懸案で政府を批判することはできるが、こうした形の無責任な態度は良くない。感情におぼれた極端な対応が、薄氷を踏むような朝鮮半島情勢の役に立つだろうか。:韓国ハンギョレ紙 2018-02-24
もちろん左翼韓国ハンギョレ紙が、「北朝鮮が国連制裁中である」ことに触れるはずがありませんし、北朝鮮のたび重なる挑発で問題を大きくしていることよりも南北対話のほうが優先されるとみなしているようで、「北朝鮮の言い分を認める対話」を望んでいるようです。
北朝鮮への制裁 ≪ 南北統一
もっとも誰も南北統一に反対しませんが、それが「北朝鮮の暴力と挑発を認めていいという根拠にはならない」のですね。
しかしそれが北朝鮮の狙いです。
左翼韓国ハンギョレ紙は、「金英哲が様々な北朝鮮による軍事挑発の責任者であることを、根拠不足として退けている」ように見られます。その線で行くと、どんなことをしようとも、本人が認めていないと根拠不足になるようで、常に闇のなかに消えてしまうことでしょう。これが韓国左翼の欠陥でした。
こういう組織は、「根拠不足」と「十分な根拠」を、あまりにも情緒的・恣意的に区別しております。誰にもわかる基準などありません。
人と人・国と国の間でかわされた約束・合意・条約などは紙切れであり、それ以外の情緒的な善悪判断こそ最高なんでしょう。そして、それが人によって大きく異なるなど、どうでもいいという「うぬぼれ」の世界でした。
- 「北朝鮮の危険人物を韓国へ入国させた場合に射殺せよ」が無責任の極みなのか
- 「軍事挑発を繰り返している制裁中の人に期待する」ことが無責任の極みなのか
私にはわからない、ということににしておきましょう。
それぞれ自分の立場を肯定し、意に反する立場を否定するものです。
国家情報院「天安艦沈没、明確に金英哲が指示したわけではない」:韓国ハンギョレ紙 2018-02-24
不都合なことは、根拠がない、としておきましょうね(笑)。
米政府、金英哲の訪韓に“不快感”示す:韓国ハンギョレ紙 2018-02-24
“不快感”と言う言葉は、いったいどういう時に使うのでしょうね。
北朝鮮が安心できるのは、「言うことをよく聞く韓国の左翼政権」だけで、孤低の我が道をゆくのでしょう。
さてさて、皆様はどう思われますか。