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一部の子どもたち、とくに免疫が不全である子どもたちは、注射のすぐあとに亡くなり、他の子どもたちは、注射の数か月後に感染した。
合計で、約600人の子どもたちが Public Attorney’s Officeの調査対象となっている。
デングウイルスは、蚊を媒介して広がり、骨を破壊する熱として知られる、その理由は罹患者は骨が破壊されるように感じるからである。死因は、内臓不全か出血過多により、通常は消化管の出血である。
フィリピンではこの疾患は大きな経済的負担となっており、それ故、2016年4月から2017年11月まで、デングワクシアが国中で80万人以上の子どもたちに接種された。
フィリピンの医師で統計学者のDans医師は、デングワクシアの治験を調査し、治験が小さな不正確さ、データの欠如、リスクが計算されていないなど、謎だらけであったと述べている。まるで、上司におべっかを使う統計学者による仕事のようだった。
サノフィー社は、シンガポールやタイを含む他の20国では問題が起きていないと自社を防御している。しかし、ブラジル以外での使用は、私営のクリニックのみであり、ブラジルでのキャンペーンの年齢は、15歳から27歳であった。
しかし、フランス政府はその海外のテリトリーでのデングワクシアの使用を推奨していない。安全性だけでなく、有効性にも問題があり、アジアの子どもたちの治験で2年後にも有効だったのは56%だけであり、その後効果は急速に消えていった。
2014年11月、当時のアキノ大統領とサノフィーのアジア副社長が北京のフィリピン大使館で会っている。その数週間後、サノフィー社はフィリピンのFDAにデングワクシアの承認を申請している。
その数か月後、アキノ大統領の子飼いである保健省のGarin所長がパリとリヨンを訪問した。
この契約は多くの規則違反があった。ワクチンは、正式な契約を交す前にすでにフィリピンに送られてきていた。
同じ月に、サノフィーは未使用のワクチン代として1200億ペソを払い戻している。サノフィーはこの払い戻しが、フィリピンでのデングワクチンの印象を改善してくれることの望んでのものであり、製品の品質の悪さを反映するものではないとしている。
Rueda-Acostaは、サノフィーの代表者を含む39人を訴えている。
行政監察省は、Garinとアキノ元大統領を、公的資金の略奪と汚職行為で取り調べている。
金銭的利害関係以外にも、政治的な観点でワクチンプログラムが利用されたと信じられている。
2016年の大統領キャンペーン中に、ワクチンプログラムは開始しなければならなかったことが明らかになっている。プログラムは、3つの県で開始されたが、それらはもっとも流行している地域ではなかった。それらは、流行している地域の中で、有権者が最も多い地域であった。2016年4月4日のプログラム開始日、ワクチンを接種した子どもたちに、黄色いTシャツが配られ、マスコミの写真におさまった。それは、与党であるリベラル党の色である。
本当なら、新しいワクチンは、2から3年かけて準備され、最初に4万人程に接種される。
医療従事者は、免疫不全な子どもたちを選り分けるよう訓練されていなかった。ループス、白血病、他の重篤な慢性疾患の子どもたちにワクチンが接種されてしまった。
デング熱を発症しても、すぐに治療されれば救われた子どもたちもいたはずである。
地域によっては、重症な患者を受け入れる病院がなかった。