への次郎が行く

カメラと地図を片手に気ままに出かけます。

寅さんのロケ地 見つけました(第44作)①―阿寺川

2021年05月01日 | 寅さん

4月初旬、第44作『寅次郎の告白』のロケ地、中津川を回ってきました。

そのとき、冒頭の清流が流れる場面、山の斜面を電車が走る場面、川の真ん中に岩がある場面、この3場面はどこで撮影されたのか分かりませんでした。そこで、場所がはっきりしている落合川駅周辺から回りました。「寅さんのロケ地を行く(中津川)」で書いた通りです。

その後、この3場面について、撮影場所が見つかりました。

 

清流の場面

 ▼映像 (『男はつらいよ 寅次郎の告白』より)

映画が始まると、寅さんの語りが流れるなか、川の流れを追うようにカメラが上流から下流に振られます。上の特徴のある岩と清流の写真は、そのなかの1コマです。

第44作のオープニングのロケは、中津川の木曽川流域で行われました。しかしこの清流は、川幅からして明らかに木曽川ではありません。木曽川の支流ではないかと推測しました。

つぎは川の色です。じつはこの色に近い木曽川の支流に一度、行ったことがあります。長野県大桑村を流れている阿寺川です。この川は渓谷をなしており、奇岩と「死ぬまでに一度は見たい」といわれている透き通るような清流で有名です。

そこでまずネットで、阿寺川の岩の画像を片っぱしから検索し、似た形をしている岩を見つけ出し、おおよその見当をつけて現地に向かいました。

場所は、阿寺川の河口から、3.5㎞入ったところ。島木赤彦の歌碑が建っている駐車場があって、そこに架かっている吊り橋のところです。その川岸で撮った写真が、これです。

 

 ▼現在 (2021/4/27 撮影)

 

ロケから30年経っていますが、独特の形の岩と清流は今も変わっていませんでした。では、回りがどうなっているかというと、こんな感じです。

 

そういえば、第22作『噂の寅次郎』は、大桑村の旅館庭田屋でロケが行われました。博の父親と寅さんが木曽路を旅し、庭田屋で寅さんが今昔物語を聞かされるという場面です。

もしかしたら、第22作のロケの際に阿寺川も撮っていて、それを第44作で使ったのかもしれません。あるいは第44作のロケのときに、土地勘がある大桑村に足を延ばし、阿寺渓谷の撮影に行ったのかもしれません。

                                  つづく