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私にとっても、忘れられない事件です。
この年、私は初めての海外出張が決まっていました。行き先は上海・浙江省杭州。訪問先は幾つかありましたが、メインは当時の浙江農業大学(現在では、浙江医科大学、杭州大学と合併し、浙江大学と改称)でした。
初めての海外出張ということで、胸躍り、心弾む、そんな状態でした。
しかし、民主化や汚職打倒を求める声が上がりつつあった中国では、心筋梗塞で倒れた胡耀邦が亡くなったのを契機に、政治改革を求める学生を中心とした約10万の人々が天安門広場に集まり始めました。その動きは北京だけでなく、西安や長沙、南京といった地方都市にも広がっていきました。西安では車両や商店への放火が、武漢では警官隊と学生との衝突まで発生しました。
5月に北京に戒厳令が出されるとともに、出張の適否が検討されるようになりました。
デモが地方都市にも広がり迎えた6月、そして4日……。
私の、初めての海外出張は中止になりました。
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【讀賣新聞2021年6月4日付け朝刊 B・圏東13版 9面 国際
「天安門事件 きょう32年
台湾、中国に民主改革求める」】
もう32年なんですかぁ、天安門事件……。「天安門事件 きょう32年
台湾、中国に民主改革求める」】
私にとっても、忘れられない事件です。
天安門事件……
1989(平成元)年6月4日、民主化を求めて北京・天安門広場に集結していたデモ隊に対し、軍隊が武力行使し、多数の死傷者を出した事件。
この年、私は初めての海外出張が決まっていました。行き先は上海・浙江省杭州。訪問先は幾つかありましたが、メインは当時の浙江農業大学(現在では、浙江医科大学、杭州大学と合併し、浙江大学と改称)でした。
初めての海外出張ということで、胸躍り、心弾む、そんな状態でした。
しかし、民主化や汚職打倒を求める声が上がりつつあった中国では、心筋梗塞で倒れた胡耀邦が亡くなったのを契機に、政治改革を求める学生を中心とした約10万の人々が天安門広場に集まり始めました。その動きは北京だけでなく、西安や長沙、南京といった地方都市にも広がっていきました。西安では車両や商店への放火が、武漢では警官隊と学生との衝突まで発生しました。
5月に北京に戒厳令が出されるとともに、出張の適否が検討されるようになりました。
デモが地方都市にも広がり迎えた6月、そして4日……。
私の、初めての海外出張は中止になりました。
【2021年6月】
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