若い頃何冊もその人の書いた本を読んだ。
久しぶりに読んでみようと図書館に行ったら古い本もどれも貸出中、活躍中だった。
遠い人だったけど辛かった時に助けてもらった。
思えば私の中の「良き大人」像を形作ったうちのひとりだった。
何十年か経って目の前に座って話をすることがあった。
別のところで苦労して、どうしようかと思っていた前置きは一切必要なかった。
さすが、話が早い。
人を助けるプロフェッショナルとして、そしてどこまでも「人として」血や嗚咽や吐瀉物がかかるところに何十年もい続けた人。
親でなくても家族でなくても、私たちはお互いを助け合える、をみせてくれた。
その現場の狭い部屋で、私は膝まづかなかったけれど。
彼女は額にキスをしなかったけれど。
私は許されそして祝福された。
私だけではないだろう。
この春までで退任という記事を読んだ。
その部屋をそのオフィスをその街を埋め尽くすほどの花束を、あなたに。
新しいページがもう少しだけ自分よりで、今以上の喜びと輝きにみちあふれていますように。
ここから祈っている。