コロナでバイトができなくなった留学生が駅でお菓子を売ってたから買ってきたんだけど、と夫が言う。
以前娘が好きと言っていたのはこれ?と聞く。
いや、違うよ。好きなのはポルボロン。
これいくらだったの?500円?500円あげた方が喜ぶかも…と言ってしまってちょっと悪かったかなと反省しながら娘に伝えると、パパかわいそう、と彼女は言う。
少し共感性羞恥もあるんだけど、父親ががっかりするのがかわいそうでとてもいやらしい。
仲良しか。
ペガサス柄のワックスペーパーのキャンディラップを開くとココアがまぶさった柔らかい丸いおやつが出てきた。
かじってみたら中はゼリー入りのマシュマロ。
調べてみたらマンチキンというらしい。
美味しかったよ、二つも食べた、というと、わっるい、パパは私に買ってきてくれたんでしょう、と娘が言う。
そして夫の見ている前で娘がひとつ食べる。
もうひとつ食べる。
道で買った、異国の、手作りのお菓子。
娘はそういうものは絶対食べない。
絶対。そう思った。
なのにふたつも。
愛、だね。
(愛されてる人はわかってないけど)
食卓でじんわり一人無言で感動してる。
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