駅へと向かう道を歩きながら、そういえば昔はこの道が遠かったと思い出す。
長らく私にかかっていた「運動はつらい」という呪いのせいで、駅から家の道のりは苦役に分類されていた。
疲れて帰る日は重い足取りで、家族の車あるいは流しのタクシーが通りかからないかと振り返りながら歩いた。
なんてばかなことしてたんだろう。
動かなくていいように何かを頼みにするよりも、自分が動けるようにする方が早くかつしあわせな解決法なのに。今はそれを知っている。
数年前娘に付き合ってジムに入会し定期的に体を動かすようになり、一年過ぎた頃に呪いが解けていた。その後ジムはやめたけれど、身体との付き合い方はかなり良好になった。私は身体に歩み寄り仲良くなり、今では一緒に動くことを楽しむ。なんと半世紀以上生きてきた今、心身は若い頃より健やかでよく動く。
今、仕事に向かう道中は身体ごと世界と向き合う大切な時間だ。
「年をとるごとに体は衰える」
そう教えられて疑いもせずにいたけれど、必ずしもそうではない。そうかもしれないけどそれだけではない。そう知ることができたことはラッキーだった。
人の言うことは、その人の意見か一般論でしかない。
人の話に耳は傾けつつ。
自分の身体と体験を通ってきたものこそ大切にしよう。
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