
*2015年5月31日撮影
会津の鶴ヶ城の石垣やらお堀のほとりやらに、スイカズラが咲いています。
とても変わった面白い形の花ですが、甘い香りが漂うので多くの人に好まれています。
細長い筒状の花の先に上下に花びらが開いています。
上の花びらは4本指の手のひらのよう、下の花びらはぐっと突き出た舌のよう、です。
花はなぜか一本の花茎に2つセットで咲きます。

*2016年5月31日撮影
スイカズラは「吸葛」と書きます。
昔の人は花を取って根元から蜜を吸ったのだそうです。
甘いものは貴重だったので、蜜を吸いやすいスイカズラは元気のもとだったのかもしれません。
葛(カズラ)はつる性の植物をさす言葉で、つまりスイカズラは蜜を吸うことができるカズラという意味だとされています。
別の説としては、水を吸うカズラという意味でスイカズラだといいます。スイカズラは地中からの水の吸い上げが際立っているのだとか。

*2016年5月31日撮影
スイカズラの花は蕾のうちは先端がピンク色をしているものが多いのですが、花が咲くとたいていは白色です。
たまに花の外側が淡紅色のものもあります。
それがしだいに黄色い花に変わります。黄色くなったら花の終わりが近いわけです。
こうして色が変わるのがスイカズラの特徴のひとつです。
白い花と黄色い花が同居するので、金銀花とも呼ばれます。
また、冬にも葉の緑が保たれることから、冬に耐える「忍冬(ニンドウ)」という名もあります。

*2016年5月31日撮影
スイカズラは東アジア一帯に広く分布しています。
また欧米に観賞用として渡った結果、アメリカでは野生化して大繁殖しているといいます。
クズと並んで森林を覆う外来の有害植物とされているようです。