さんぽで出会う花鳥風月

ひでじいの四季の写真

キクバノニガナ

2016-06-25 22:39:30 | 草花

*2016年6月25日
 
 梅雨空の今日は日中曇りで、夕方から雨になりました。
 梅雨の頃は雨が降るのがいい風情です。

 最近気になっているこの花はキクバノニガナだということに、とりあえず決めました。
 
 細い茎にごく小さな花(直径7~8mm)の咲く、背丈は30cm前後とあまり高くない草です。
 図鑑にはノニガナという草が載っていて、花の感じはとてもよく似ています。
 ただ葉の形が違っていて「葉が羽状に切れ込むものをキクバノニガナという」というただし書きを信じて、キクバノニガナだとしたわけです。





*2016年6月25日

 そういうわけで「菊葉の苦菜」ではなく「菊葉野苦菜」なのだと思います。

 花はまばらに咲いていて、すでに終わって綿毛をふいているものや、まだつぼみのものなどが混在しています。
 なかには、すでに花は終わって草全体が枯れ始めているものもあるので、本来の花期はもう少し早いのかもしれません。





*2016年6月24日撮影

 花に近寄った写真です。
 こうしてみるとコウゾリナなどによく似ていますが、花の大きさが全然違います。
 写真では大きさがわからなくなるのですが、コウゾリナは直径2cm超の花なので、実物を見れば違いは歴然です。

 よくある草花だと思っても、なかなか図鑑などに記載がないというのはよくあることです。
 いろいろなツテを頼って、いつかは納得できる名前にたどりつきたいものです。

アオハダトンボ

2016-06-24 22:13:13 | 昆虫

*2016年6月24日撮影

 昨日は梅雨らしく一日中しっとりと雨が降りました。
 今日は曇り空。これから明日の朝にかけて雨の予報です。梅雨らしくなってきました。

 今日はアオハダトンボをごらんいただきます。
 近年めっきり数を減らし準絶滅危惧種とされている、カワトンボの一種です。
 幸い、会津の湯川では、まだたくさん見ることができます。
 初めの写真は翅を広げている雄の姿。曇り空で翅や身体の光沢があまりよく写りませんでした。





*2016年6月24日撮影

 雄の姿をもう一枚。
 こちらは翅や身体の光沢が少し伝わるかもしれません。
 もっとポピュラーなハグロトンボによく似ているのですが、この光沢が一番の違いです。
 ハグロトンボよりは全体的に少し小さい、翅がハグロトンボより丸みがある、などの違いもあります。





*2016年6月24日撮影

 そしてこれは雌のアオハダトンボです。
 雄よりも翅の色が薄いのでもうハグロトンボとは一見して違います。
 そしてアオハダトンボの雌の一番の特徴は、翅の先にある白い斑紋です。ハグロトンボには雌でも斑紋がないので違いが明瞭です。
 同じカワトンボの仲間のミヤマカワトンボにも似た感じですが、ミヤマカワトンボよりは翅の色が濃いところが違います。





*2016年6月22日撮影

 翅を広げているアオハダトンボの雌の姿。
 こうして翅を広げてみると、結構色が薄いのが分かります。

 カワトンボ類の話をすると、今年はニホンカワトンボはほとんど見ることができませんでした。
 4月から5月にかけてがニホンカワトンボの季節。その後ミヤマカワトンボに交代します。
 ミヤマカワトンボも今年はあまり見ていません。ただミヤマカワトンボは夏の間ずっといるのでこれから見られるかもしれません。
 そして6月になるとアオハダトンボの季節になります。
 7月ごろにはハグロトンボが出現し、アオハダトンボと交代です。ハグロトンボも秋になるまでずっといます。

 ひらひらとゆっくり飛ぶカワトンボ類の姿はじつに優雅で、眺めていると心豊かになる気がします。

クララ

2016-06-22 22:15:12 | 草花

*2016年6月22日撮影

 蒸し暑い日が続いています。梅雨だけれど、雨はたまにしか降りません。

 さて今日の写真は、地味な草花のクララです。
 クララといえばハイジの友達、つまりは西洋の女性の名前と決まっています。
 しかしこの花の名前は「眩草」という漢字表記があって、ちゃんとした和名なのです。
 根を噛むとくらくらするほど苦いため「くらくらぐさ」と言われていたものが、縮められて「くらら」になったというのです。





*2016年6月22日撮影

 葉を見るとえんどう豆に似ていて、マメ科の植物ということはすぐに納得できます。
 房状についている花は妙な形です。
 多分、房の下の方の花が咲いていて、半ばから上はつぼみなのかと思います。





*2016年6月16日撮影

 この写真だとなんとなく房の下の方の花は咲いている感じがします。

 根は漢方薬に使われますが、じつは猛毒です。用法、用量は慎重に扱う必要があります。
 噛んでくらくらするくらいならいいのですが、命にもかかわります。
 根ほどではなくても、茎も葉も全草が毒を持っています。

 日当たりの良い草原(そうげん)という生育環境が減ってしまって、クララも減少の一途をたどっているようです。
 毒草とはいえ、かわいい名前のクララは生き延びてほしいものです。

コウリンタンポポ

2016-06-20 22:23:26 | 草花

*2016年6月20日撮影

 鮮やかなオレンジ色の花が、30cmくらいの茎の先にまとまって咲く、とてもインパクトのある草花。
 これはコウリンタンポポです。
 コウリンは「紅輪」タンポポは「蒲公英」で、まっとうな和名なのですが、日本的ではない名前に聞こえてしまいます。
 名前の印象のように外来種で、ヨーロッパ原産、明治期に観賞用に導入されたとされています。
 いまでは野生化しどこにでも見られるようになりました。
 とくに北海道では大繁殖していて、しばしば問題視されています。





*2015年6月5日撮影

 普通のタンポポとは一本の茎に咲く花の数が違います。
 それよりも花の色がまったく違っていて、こうしてたくさん咲いている光景を見ると、タンポポの仲間とは思えない感じがします。





*2016年6月5日撮影

 それでも花をよく見ると、色はともかく形はタンポポによく似ていることが分かります。
 葉も茎の下部にまとまってつく、ロゼット状の根生葉となるところが似ています。
 ただ葉の形はずいぶん違います。
 タンポポは切れ込みのたくさんある薄い葉ですが、コウリンタンポポは切れ込みのない長楕円形の厚みのある葉で白い毛が生えています。





*2016年6月5日撮影

 2枚目の写真のように群生していると、ちょっと毒々しい印象の花にも見えてしまいます。
 でもこんなふうに個別の花を見ると、なかなか美しい花にも見えます。
 いずれにしても、個性のきわ立つ草花には違いありません。

 
 

シロテンハナムグリ

2016-06-19 22:22:21 | 昆虫

*2016年6月19日撮影

 今日も日差しの強い1日でした。夕方、雨かな、という一瞬がありましたが、結局降らずに終わりました。

 シロテンハナムグリという虫です。
 見た目の通り、コガネムシの仲間で、カナブンなどと見た目も似ています。
 ハナムグリというのは花に潜るようにして蜜を吸う姿から名付けられたのだと思います。
 ハナムグリと名がつく虫は何種類かいるのですが、シロテンハナムグリは背中に不規則な白い点々があるのです。
 花はイボタノキです。最近咲き始めました。





*2016年6月5日撮影

 このシロテンハナムグリは、ガマズミの花に頭を潜らせています。今月初めの写真です。
 コガネムシの仲間は、夜行性のものが多いのですが、ハナムグリ類やカナブンなどは昼行性です。
 この写真のシロテンハナムグリは色が赤みがかっています。
 上の写真のものは緑色がかっています。どちらも金属光沢があってきれいですが、個体によって色合いが違うようです。





*2016年5月29日撮影

 先月撮影の、ノイバラの花にとりついているシロテンハナムグリです。
 この個体も緑系の色ですが、顔のアップが撮れました。

 じつはシロテンハナムグリは、ハナムグリという名前にかかわらず、樹木の皮など樹液の出ているところによく集まります。
 今回の写真は、あえて花にとりついているものだけをご紹介しましたが、どちらかといえば珍しい部類の写真です。