さんぽで出会う花鳥風月

ひでじいの四季の写真

イチョウ

2019-04-28 23:12:06 | 樹木

*2019年4月28日撮影

 今日も曇り空で肌寒い1日でした。

 イチョウの木に若葉が芽生えています。
 この若葉の中にじつはイチョウの花が隠れています。
 今日は、イチョウの花をごらんください。





*2019年4月22日撮影

 これは先週撮影したイチョウの若葉です。
 葉はごくごく小さいのですが、葉と一緒に丸いものが出てきているのが見えます。
 これが、イチョウの雄花です。
 イチョウは雌雄異株なので、これは雄木ということです。
 花といっても花びらなどはありません。





*2019年4月27日撮影

 昨日撮影の写真です。
 小さな房のようになった雄花がだいぶ大きく成長しました。
 やがて、このつぶつぶが開いて、それぞれから雄しべが伸び、花粉を出すようになります。





*2019年4月28日撮影

 花とは名ばかりというのは、この雌花にいたってはまさにその通りです。
 葉の間に雌しべが伸びて、先端に2つの胚珠(はいしゅ)という丸いとんがり帽子をつけています。
 胚珠は2個づつ付くのですが、見る角度によって、2個には見えないこともあります。
 雌しべと胚珠は分かったでしょうか。





*2019年4月28日撮影

 これも雌木の新芽の写真です。
 雌花、つまり雌しべが付いているのを発見できるでしょうか。

 イチョウは変わった植物で、実は古代の植物の生き残りであることが分かっています。
 地球の中生代ジュラ紀に最も栄えたグループの一員なのだとか。

 イチョウは花粉が胚珠に付いて受粉してから、実際に卵子と精子が受精するまでには、数カ月を要する複雑な工程を経ることが確認されており、命の不思議を感じさせられます。
 詳しく知りたい方は、ぜひネットで検索するなどして調べてみてください。

ツタバウンラン

2019-04-25 21:45:16 | 草花

*2019年4月25日撮影

 昨日からは雨まじりの曇り空が続いています。
 まあ、良い天気ばかりは続かないもの。明日はどうかと期待するのみです。

 舗装道路の端っこ、まさに道端にこんな花が咲いていました。
 薄紫の可憐な花、ツタバウンランといいます。
 これもまた外来の植物です。地中海原産で、観賞用に大正年間に導入されたとされています。
 いつのまにか野生化して、今は道端にひっそり咲いています。





*2019年4月25日撮影

 細い糸状の茎を伸ばして地上を這い、茎からさらに花茎を伸ばして花を付けます。
 たくさん付く葉がツタの葉に似ているというので「ツタバ」の名がついたようです。
 「ウンラン」というのは、海岸などに咲く黄色い花で、花が「ラン(蘭)」に似ているとされて、「海の蘭」つまり「ウンラン(海蘭)」という花のこと。
 そのウンランに花の形が似ているというので、ウンランの名をもらって、「ツタバウンラン」になったようです。
 ウンランの名がつく花は何種類かあって、たとえばマツバウンランもそうです。(2016年5月15日にこのブログに掲載)





*2019年4月24日撮影

 花がたくさん咲き広がると、なかなかいい雰囲気になります。
 今は雑草とはいえ、もとは庭に植えて愛でられた花なので、それなりの美しさがあります。
 石垣の隙間だの、アスファルトの端っこだのに、精一杯生き残ろうとしているけなげなこの花を見かけたら、ぜひしっかりと鑑賞してやってください。

 

ヤヨイヒメハナバチ

2019-04-22 22:19:56 | 昆虫

*2019年4月22日撮影

 今日は昨日とは打って変わって、最高の天気で気温も急上昇しました。
 会津の鶴ヶ城公園の桜も最高潮です。
 少し散り始めて、花びらが舞うところがまた一段と風情があるというものです。

 今日は、オオイヌノフグリの花の中を飛び回っている小さな蜂を見ていただきます。
 これはヤヨイヒメハナバチだと思います。

 ハナバチというのは、花にやってきて蜜を吸ったり花粉を集めて持ち帰ったりする(幼虫が食べるのです)蜂をいいます。
 そのハナバチの中で、ごく小さい種類をヒメハナバチといいます。「姫」の意味でしょうか。
 ヒメハナバチの中のヤヨイヒメハナバチというのがこの蜂です(たぶん)。
 ヤヨイというのは「弥生」のことで、春早くから出現するのでついた名ではないかと考えます。





*2019年4月22日撮影

 オオイヌノフグリの花の大きさと比べてもらえば、ごく小さな蜂だと分かってもらえるのでは。
 体長は1cmに満たないと思います。
 このちいさな蜂が、全身を花粉まみれにして、花から花へ飛び回り、蜜を吸います。
 蜂はもちろんたくさんいて、飛び回るので、オオイヌノフグリの受粉には大いに役立っていると見えます。
 花と蜂のギブアンドテイクは、早春の野にくりひろげられているのでした。

タカトウコヒガン(桜)

2019-04-21 22:27:11 | 樹木

*2019年4月21日撮影

 昨日は暖かい好天気でしたが、今日は曇って肌寒い感じでした。
 それでも、会津の鶴ヶ城公園は桜が満開で、大いに賑わいました。

 今年は桜の中でも、タカトウコヒガンを取り上げたいと思います。
 タカトウコヒガンはコヒガンザクラのなかでも、色が濃くて花の密度が高いのでとても美しい桜です。
 タカトウコヒガンという桜は、高遠城址公園に植えられている桜で、天下第一の桜と称されています。

 そのタカトウコヒガンがなぜ会津にあるのかというと、江戸時代の高遠藩と会津藩のつながりが今に続いているためなのです。
 初代会津藩主の保科正之(ほしなまさゆき)は、3代将軍徳川家光の弟にあたり、幼くして高遠藩の養子となりのちに高遠藩主となりますが、出羽山形藩主を経て会津藩主となります。
 当時は、たくさんいた将軍の息子はあちこちに養子に出されたのですね。
 そして藩主というのは、将軍の命により何処へでも赴任する必要があったわけです。





*2019年4月21日撮影

 保科正之公は今でも語り伝えられる天下の名君で、江戸幕府の重臣としても活躍しました。
 その子孫が会津松平家で、松平を名乗るのは徳川家の縁戚であることを示すためでもあったのですが、保科正之公は育ててくれた高遠藩の恩を忘れないために高遠藩の「保科」性を名乗り続けました。

 ともかくそんな縁で、信州高遠町、今は長野県伊那市の高遠町から、おりにふれ寄贈されたりしたタカトウコヒガンが、会津の鶴ヶ城公園にそれなりの数で植えられています。
 大半を占めるソメイヨシノに次いで、タカトウコヒガンが多いのではないかと思います。





*2019年4月20日撮影

 コヒガン系の桜は開花が早いのが特徴ですが、今年はソメイヨシノも開花が早くて、ほとんど差がなくて満開になりました。
 なので、今年の桜は例年より豪華です。
 たぶんあと数日は花見のベストシーズンです。





*2019年4月21日撮影

 タカトウコヒガンは小ぶりの花ですが、赤みが強いため、遠目にも華やかに見える桜です。
 これは近くに寄ってみた写真です。
 花の中心部が特に赤いのが分かります。
 ソメイヨシノも中心部が赤みが強いのですが、タカトウコヒガンほどではありません。





*2019年4月21日撮影

 さて、おまけの一枚は、お堀に影が映るソメイヨシノです。
 こういう光景はつい写真に撮りたくなるもので、今日も撮ってしまいました。

 花のシーズンは、春を実感して、いいものです。

コツバメ(蝶)

2019-04-18 22:35:15 | 昆虫

*2019年4月18日撮影

 4月も後半に入って、ようやく春らしい暖かい日が続くようになりました。
 会津の鶴ヶ城公園の桜も咲き始めました。今週末は満開を迎えそうです。
 もう雪の心配はしなくてもよいかなと思います。

 暖かくなって蝶が飛ぶようになりました。
 モンシロチョウやモンキチョウや、アゲハやルリシジミなどをよく見かけるようになりました。
 きょう見たのは、コツバメという黒っぽい蝶です。
 梅の花にとまっていました。
 シジミチョウの仲間とされているごく小さい蝶で、ごらんのように地味な色なのでなかなか目にとまりません。
 それほど珍しいというほどの蝶ではないのですが、これを見つけるのはけっこう難しいかも。





*2019年4月18日撮影

 翅を閉じていて広げてくれないので、表側(背中側)の模様は分かりません。
 表側は青い色をしているのだそうです。
 春早く活動を始め、ごく短い期間に卵を産み、夏になる前に蛹になって、翌年の春に成虫になるという一生を過ごすようです。
 本州と北海道のほぼ全域に生息している蝶ですが、数は減少傾向にあるのだとか。