🌸🌸伝えることから始めよう・はじめに🌸🌸
皆さんこんにちは。ジャパネットたかたの高田明です。
あっ、こんばんわ、の方もいらっしゃるかもしれませんね。
それとも、おはようございます、ですか?
本日は生放送ではありません。
このたびは、私の初めての本を手にとって下さりありがとうございます。
ご存知の皆さんもおられると思いますが、今年(2016)年1月15日の生放送の番組を最後に、テレビショッピングから「引退」いたしました。
ラジオショッピングは26年、テレビショッピングは22年、
数えたことはありませんが、テレビには数万回出演しました。
すべて、番組をご覧くださり、商品をご購入くださった皆様のおかげです。
本当にありがとうございました。
佐世保訛りの甲高い声で、ご迷惑をおかけすることもなくなりましたから、ご安心ください。
もっとも、不定期ながら「おさんぽジャパネット」などには出演していますから、
ときにはまたお会いすることがあるかもしれません。
父が経営していた写真店の佐世保支店を任されていた私が、暖簾分けの形で独立したのは1986年のことでした。
私は37歳でした。
起業するには少し遅いスタートだったかもしれませんけど、
私はそんなことは少しも気にしていませんでした。
後で詳しくお話しますが、
私は大きな会社を作ろうとか、日本一の販売会社を作ろうとか、
その夢を抱いたり、目標を持ったりしたことは、一度もないんですよ。
毎日毎日、その日しなければならないこと、その日のできることを、
一生懸命、自分の力の300%を注ぎ込んで走り続けてきた。
その日、そのときをただ「今を生きてきた」。
それだけだったんです。
今ではジャパネットと言えば、テレビショッピングを思い浮かべる方も多いと言いますけど、
テレビショッピングをスタートさせたのは、独立から8年後の1994年のことです。
私は45歳になっていました。
ラジオショッピングを始めたのは、その4年前です。
ラジオショッピングを始める前の年商は2億7,000万円ほどでしたが、
ラジオショッピングを本格的に始めてから売り上げが大きく伸びて、
1994年の売上高は43億円になっていました。
ラジオショッピングを始める前の16倍です。
そしてその20年後の2014年にはジャパネットたかたの売上高は1,500億円を超える規模になっていました。
今思えば、3億円に満たなかった売り上げが25年で1500億円以上になっていたんですね。
自分でも本当に驚きです。
ジャパネットたかたは、テレビ、ラジオ、カタログ、チラシ、インターネットなどで商品の販売を手がけてきましたが、
特別なモノを扱っているわけではありません。
最近はオリジナル商品も増えてきましたが、
最初のころは、どこにでも売っているナショナルブランドの商品ばかりを扱っていたんです。
「なぜ、ジャパネットたかたでは商品がこんなに売れるんですか?」
こんな質問を何度もいただきました。
そんなこと訊かれても、どうお答えすればいいのか、よくわかりませんでした。
私はただ、自分が素晴らしいと思った商品を、
どうすれば売れるかな、お買い上げいただくためには商品の魅力をどんなふうに紹介すればいいのかなと、
そればかり考えて、あれこれ試し、誠心誠意、一生懸命紹介していただけでした。
何度も同じ質問を受けているうちに、ひとつ気がついたんですよ。
それは、私たちが商品の本当の魅力を、お客様に「伝える」ことだけではなく、
その魅力が「伝わる」ことを本気で考えていた、ということでした。
それが、ジャパネットたかたのショッピングが、皆さんに受け入れられた理由だったかもしれない、と思ったのです。
どんなに素晴らしい商品でも、お店に並んでいるだけでは商品の魅力はお客様には伝わらないと思います。
それでは買っていただけませんよね。
もちろん、小売業の方々はだれでも商品の魅力を一生懸命に伝えようと努力されています。
しかし、皆さんここが大切なところですよ、
「伝える」と「伝わる」は違うんです。
お客さんに、伝わるべきことがしっかり伝わっていなければ、お客様の心は動かないと思います。
「伝えたつもり」で終わってしまったら、商品を買っていただくことはできない。
それが、ラジオ・テレビショッピングを通して、私が1番学んだことでした。
同じような商品がたくさんあってどれを選べばよいかわからない。
便利そうだけど、どんなときに、どんなふうに使えばいいのかよくわからない。
そのお客さまのために、「これは素晴らしい」と本当に思ったモノだけを選んで、
皆さんにご紹介してきました。
そのためにたくさんの商品を手に取って、それをお客様にお届けすることで、
お客様の毎日がより楽しく、より豊かに、
より健やかになるかどうか、
真剣に検討してきました。
ですから、私たちは、あまり知られてはいないけど、本当は大変な価値を持っている商品が、
世の中にはたくさんあることをよく知っています。
幸いなことに、その価値をジャパネットたかたはお伝えすることができた、
その結果、お客さまのご支持をいただき、会社がここまで成長できたのだと思います。
最後の放送1年前の2015年1月に、私は29年間務めたジャパネットたかたの社長退任しました。
「まだまだやれる」「会長職に残っては」…と、多くの方々に慰留していただきましたが、
すべてお断りしました。
経営者としては完全に引退し、1年後にはスタジオからのテレビショッピングからも姿を消すと宣言しました。
ジャパネットたかたを100年後も続く企業にするためには、
元気なうちに後継者に後を託さなければいけないと考えたからです。
70歳、80歳になってから、さて、誰を後継者にしようか、はてだれもいない、となってしまっては困ると思ったのです。
社長退任からスタジオ引退までの1年間を、
「ジャパネットたかたは、どうしてお客さまに『伝わる』番組を作ることができたのか」、
その理由を社内のスタッフに伝える時間にしようと考えました。
スタジオで若いMCに負けないように、商品を私を紹介する姿を見せて、
ジャパネットたかたと歩いてきた30年を振り返り、
それだけでなく、子供時代や学生時代、サラリーマン時代を振り返って、
商品の検討会や番組の検討会、カタログの検討会など、あらゆる場面で私の経験や考え、行動の指針などを、思いつくままに語りかけてきた最後の1年でした。
私の半生を振り返りつつ、その1年間に考え社員に伝えてきたことのエッセンスをまとめたのが、この本です。
伝えたつもりが、ちっとも伝わってない。
そんな状況が起きているのは、商品を販売するシーンに限らないでしょう。
ビジネスの世界だけではなく、政治や外交、教育、医療など、
世の中のさまざまな場面で、つたわっていないことで問題が生じたり、
解決すべきことができなかったり、
対立が起こったりしていることが多いのではないでしょうか。
伝わるコミニケーションの私なりのノウハウは、多少なりとも、世の中の多くの問題を解決するヒントになるかもしれないと思って、この本を書きました。
すいません。偉そうに聞こえるところがあったらお許しくださいね。
お話しするのは、あくまで私の考え方や方法論に過ぎません。
他にもいろいろな考えや方法はあるんですから、
私の考えは最高だとか、絶対に正しいだとか思っているのではないことを、一言、申し添えさせてください。
「伝わる」ことに心を砕いてきた私の経験、「伝えることから始めよう」という私からのメッセージが、
読者の皆さんのご参考になれば幸いです。
(「伝えることから始めよう」高田明さんより)
桃の時期です。(^_^)
皆さんこんにちは。ジャパネットたかたの高田明です。
あっ、こんばんわ、の方もいらっしゃるかもしれませんね。
それとも、おはようございます、ですか?
本日は生放送ではありません。
このたびは、私の初めての本を手にとって下さりありがとうございます。
ご存知の皆さんもおられると思いますが、今年(2016)年1月15日の生放送の番組を最後に、テレビショッピングから「引退」いたしました。
ラジオショッピングは26年、テレビショッピングは22年、
数えたことはありませんが、テレビには数万回出演しました。
すべて、番組をご覧くださり、商品をご購入くださった皆様のおかげです。
本当にありがとうございました。
佐世保訛りの甲高い声で、ご迷惑をおかけすることもなくなりましたから、ご安心ください。
もっとも、不定期ながら「おさんぽジャパネット」などには出演していますから、
ときにはまたお会いすることがあるかもしれません。
父が経営していた写真店の佐世保支店を任されていた私が、暖簾分けの形で独立したのは1986年のことでした。
私は37歳でした。
起業するには少し遅いスタートだったかもしれませんけど、
私はそんなことは少しも気にしていませんでした。
後で詳しくお話しますが、
私は大きな会社を作ろうとか、日本一の販売会社を作ろうとか、
その夢を抱いたり、目標を持ったりしたことは、一度もないんですよ。
毎日毎日、その日しなければならないこと、その日のできることを、
一生懸命、自分の力の300%を注ぎ込んで走り続けてきた。
その日、そのときをただ「今を生きてきた」。
それだけだったんです。
今ではジャパネットと言えば、テレビショッピングを思い浮かべる方も多いと言いますけど、
テレビショッピングをスタートさせたのは、独立から8年後の1994年のことです。
私は45歳になっていました。
ラジオショッピングを始めたのは、その4年前です。
ラジオショッピングを始める前の年商は2億7,000万円ほどでしたが、
ラジオショッピングを本格的に始めてから売り上げが大きく伸びて、
1994年の売上高は43億円になっていました。
ラジオショッピングを始める前の16倍です。
そしてその20年後の2014年にはジャパネットたかたの売上高は1,500億円を超える規模になっていました。
今思えば、3億円に満たなかった売り上げが25年で1500億円以上になっていたんですね。
自分でも本当に驚きです。
ジャパネットたかたは、テレビ、ラジオ、カタログ、チラシ、インターネットなどで商品の販売を手がけてきましたが、
特別なモノを扱っているわけではありません。
最近はオリジナル商品も増えてきましたが、
最初のころは、どこにでも売っているナショナルブランドの商品ばかりを扱っていたんです。
「なぜ、ジャパネットたかたでは商品がこんなに売れるんですか?」
こんな質問を何度もいただきました。
そんなこと訊かれても、どうお答えすればいいのか、よくわかりませんでした。
私はただ、自分が素晴らしいと思った商品を、
どうすれば売れるかな、お買い上げいただくためには商品の魅力をどんなふうに紹介すればいいのかなと、
そればかり考えて、あれこれ試し、誠心誠意、一生懸命紹介していただけでした。
何度も同じ質問を受けているうちに、ひとつ気がついたんですよ。
それは、私たちが商品の本当の魅力を、お客様に「伝える」ことだけではなく、
その魅力が「伝わる」ことを本気で考えていた、ということでした。
それが、ジャパネットたかたのショッピングが、皆さんに受け入れられた理由だったかもしれない、と思ったのです。
どんなに素晴らしい商品でも、お店に並んでいるだけでは商品の魅力はお客様には伝わらないと思います。
それでは買っていただけませんよね。
もちろん、小売業の方々はだれでも商品の魅力を一生懸命に伝えようと努力されています。
しかし、皆さんここが大切なところですよ、
「伝える」と「伝わる」は違うんです。
お客さんに、伝わるべきことがしっかり伝わっていなければ、お客様の心は動かないと思います。
「伝えたつもり」で終わってしまったら、商品を買っていただくことはできない。
それが、ラジオ・テレビショッピングを通して、私が1番学んだことでした。
同じような商品がたくさんあってどれを選べばよいかわからない。
便利そうだけど、どんなときに、どんなふうに使えばいいのかよくわからない。
そのお客さまのために、「これは素晴らしい」と本当に思ったモノだけを選んで、
皆さんにご紹介してきました。
そのためにたくさんの商品を手に取って、それをお客様にお届けすることで、
お客様の毎日がより楽しく、より豊かに、
より健やかになるかどうか、
真剣に検討してきました。
ですから、私たちは、あまり知られてはいないけど、本当は大変な価値を持っている商品が、
世の中にはたくさんあることをよく知っています。
幸いなことに、その価値をジャパネットたかたはお伝えすることができた、
その結果、お客さまのご支持をいただき、会社がここまで成長できたのだと思います。
最後の放送1年前の2015年1月に、私は29年間務めたジャパネットたかたの社長退任しました。
「まだまだやれる」「会長職に残っては」…と、多くの方々に慰留していただきましたが、
すべてお断りしました。
経営者としては完全に引退し、1年後にはスタジオからのテレビショッピングからも姿を消すと宣言しました。
ジャパネットたかたを100年後も続く企業にするためには、
元気なうちに後継者に後を託さなければいけないと考えたからです。
70歳、80歳になってから、さて、誰を後継者にしようか、はてだれもいない、となってしまっては困ると思ったのです。
社長退任からスタジオ引退までの1年間を、
「ジャパネットたかたは、どうしてお客さまに『伝わる』番組を作ることができたのか」、
その理由を社内のスタッフに伝える時間にしようと考えました。
スタジオで若いMCに負けないように、商品を私を紹介する姿を見せて、
ジャパネットたかたと歩いてきた30年を振り返り、
それだけでなく、子供時代や学生時代、サラリーマン時代を振り返って、
商品の検討会や番組の検討会、カタログの検討会など、あらゆる場面で私の経験や考え、行動の指針などを、思いつくままに語りかけてきた最後の1年でした。
私の半生を振り返りつつ、その1年間に考え社員に伝えてきたことのエッセンスをまとめたのが、この本です。
伝えたつもりが、ちっとも伝わってない。
そんな状況が起きているのは、商品を販売するシーンに限らないでしょう。
ビジネスの世界だけではなく、政治や外交、教育、医療など、
世の中のさまざまな場面で、つたわっていないことで問題が生じたり、
解決すべきことができなかったり、
対立が起こったりしていることが多いのではないでしょうか。
伝わるコミニケーションの私なりのノウハウは、多少なりとも、世の中の多くの問題を解決するヒントになるかもしれないと思って、この本を書きました。
すいません。偉そうに聞こえるところがあったらお許しくださいね。
お話しするのは、あくまで私の考え方や方法論に過ぎません。
他にもいろいろな考えや方法はあるんですから、
私の考えは最高だとか、絶対に正しいだとか思っているのではないことを、一言、申し添えさせてください。
「伝わる」ことに心を砕いてきた私の経験、「伝えることから始めよう」という私からのメッセージが、
読者の皆さんのご参考になれば幸いです。
(「伝えることから始めよう」高田明さんより)
桃の時期です。(^_^)