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伝えることから始めよう・はじめに

2017-08-26 11:02:01 | お話
🌸🌸伝えることから始めよう・はじめに🌸🌸


皆さんこんにちは。ジャパネットたかたの高田明です。

あっ、こんばんわ、の方もいらっしゃるかもしれませんね。

それとも、おはようございます、ですか?


本日は生放送ではありません。

このたびは、私の初めての本を手にとって下さりありがとうございます。

ご存知の皆さんもおられると思いますが、今年(2016)年1月15日の生放送の番組を最後に、テレビショッピングから「引退」いたしました。

ラジオショッピングは26年、テレビショッピングは22年、

数えたことはありませんが、テレビには数万回出演しました。

すべて、番組をご覧くださり、商品をご購入くださった皆様のおかげです。

本当にありがとうございました。

佐世保訛りの甲高い声で、ご迷惑をおかけすることもなくなりましたから、ご安心ください。

もっとも、不定期ながら「おさんぽジャパネット」などには出演していますから、

ときにはまたお会いすることがあるかもしれません。


父が経営していた写真店の佐世保支店を任されていた私が、暖簾分けの形で独立したのは1986年のことでした。

私は37歳でした。

起業するには少し遅いスタートだったかもしれませんけど、

私はそんなことは少しも気にしていませんでした。

後で詳しくお話しますが、

私は大きな会社を作ろうとか、日本一の販売会社を作ろうとか、

その夢を抱いたり、目標を持ったりしたことは、一度もないんですよ。

毎日毎日、その日しなければならないこと、その日のできることを、

一生懸命、自分の力の300%を注ぎ込んで走り続けてきた。

その日、そのときをただ「今を生きてきた」。

それだけだったんです。


今ではジャパネットと言えば、テレビショッピングを思い浮かべる方も多いと言いますけど、

テレビショッピングをスタートさせたのは、独立から8年後の1994年のことです。

私は45歳になっていました。

ラジオショッピングを始めたのは、その4年前です。

ラジオショッピングを始める前の年商は2億7,000万円ほどでしたが、

ラジオショッピングを本格的に始めてから売り上げが大きく伸びて、

1994年の売上高は43億円になっていました。

ラジオショッピングを始める前の16倍です。

そしてその20年後の2014年にはジャパネットたかたの売上高は1,500億円を超える規模になっていました。

今思えば、3億円に満たなかった売り上げが25年で1500億円以上になっていたんですね。

自分でも本当に驚きです。

ジャパネットたかたは、テレビ、ラジオ、カタログ、チラシ、インターネットなどで商品の販売を手がけてきましたが、

特別なモノを扱っているわけではありません。

最近はオリジナル商品も増えてきましたが、

最初のころは、どこにでも売っているナショナルブランドの商品ばかりを扱っていたんです。

「なぜ、ジャパネットたかたでは商品がこんなに売れるんですか?」

こんな質問を何度もいただきました。

そんなこと訊かれても、どうお答えすればいいのか、よくわかりませんでした。

私はただ、自分が素晴らしいと思った商品を、

どうすれば売れるかな、お買い上げいただくためには商品の魅力をどんなふうに紹介すればいいのかなと、

そればかり考えて、あれこれ試し、誠心誠意、一生懸命紹介していただけでした。

何度も同じ質問を受けているうちに、ひとつ気がついたんですよ。

それは、私たちが商品の本当の魅力を、お客様に「伝える」ことだけではなく、

その魅力が「伝わる」ことを本気で考えていた、ということでした。

それが、ジャパネットたかたのショッピングが、皆さんに受け入れられた理由だったかもしれない、と思ったのです。

どんなに素晴らしい商品でも、お店に並んでいるだけでは商品の魅力はお客様には伝わらないと思います。

それでは買っていただけませんよね。

もちろん、小売業の方々はだれでも商品の魅力を一生懸命に伝えようと努力されています。

しかし、皆さんここが大切なところですよ、

「伝える」と「伝わる」は違うんです。

お客さんに、伝わるべきことがしっかり伝わっていなければ、お客様の心は動かないと思います。

「伝えたつもり」で終わってしまったら、商品を買っていただくことはできない。

それが、ラジオ・テレビショッピングを通して、私が1番学んだことでした。


同じような商品がたくさんあってどれを選べばよいかわからない。

便利そうだけど、どんなときに、どんなふうに使えばいいのかよくわからない。

そのお客さまのために、「これは素晴らしい」と本当に思ったモノだけを選んで、

皆さんにご紹介してきました。

そのためにたくさんの商品を手に取って、それをお客様にお届けすることで、

お客様の毎日がより楽しく、より豊かに、
より健やかになるかどうか、

真剣に検討してきました。

ですから、私たちは、あまり知られてはいないけど、本当は大変な価値を持っている商品が、

世の中にはたくさんあることをよく知っています。

幸いなことに、その価値をジャパネットたかたはお伝えすることができた、

その結果、お客さまのご支持をいただき、会社がここまで成長できたのだと思います。


最後の放送1年前の2015年1月に、私は29年間務めたジャパネットたかたの社長退任しました。

「まだまだやれる」「会長職に残っては」…と、多くの方々に慰留していただきましたが、

すべてお断りしました。

経営者としては完全に引退し、1年後にはスタジオからのテレビショッピングからも姿を消すと宣言しました。

ジャパネットたかたを100年後も続く企業にするためには、

元気なうちに後継者に後を託さなければいけないと考えたからです。

70歳、80歳になってから、さて、誰を後継者にしようか、はてだれもいない、となってしまっては困ると思ったのです。

社長退任からスタジオ引退までの1年間を、

「ジャパネットたかたは、どうしてお客さまに『伝わる』番組を作ることができたのか」、

その理由を社内のスタッフに伝える時間にしようと考えました。

スタジオで若いMCに負けないように、商品を私を紹介する姿を見せて、

ジャパネットたかたと歩いてきた30年を振り返り、

それだけでなく、子供時代や学生時代、サラリーマン時代を振り返って、

商品の検討会や番組の検討会、カタログの検討会など、あらゆる場面で私の経験や考え、行動の指針などを、思いつくままに語りかけてきた最後の1年でした。


私の半生を振り返りつつ、その1年間に考え社員に伝えてきたことのエッセンスをまとめたのが、この本です。

伝えたつもりが、ちっとも伝わってない。

そんな状況が起きているのは、商品を販売するシーンに限らないでしょう。

ビジネスの世界だけではなく、政治や外交、教育、医療など、

世の中のさまざまな場面で、つたわっていないことで問題が生じたり、

解決すべきことができなかったり、

対立が起こったりしていることが多いのではないでしょうか。

伝わるコミニケーションの私なりのノウハウは、多少なりとも、世の中の多くの問題を解決するヒントになるかもしれないと思って、この本を書きました。


すいません。偉そうに聞こえるところがあったらお許しくださいね。

お話しするのは、あくまで私の考え方や方法論に過ぎません。

他にもいろいろな考えや方法はあるんですから、

私の考えは最高だとか、絶対に正しいだとか思っているのではないことを、一言、申し添えさせてください。


「伝わる」ことに心を砕いてきた私の経験、「伝えることから始めよう」という私からのメッセージが、

読者の皆さんのご参考になれば幸いです。


(「伝えることから始めよう」高田明さんより)

桃の時期です。(^_^)

商品は自分です

2017-08-25 14:30:28 | お話
🌸🌸商品は自分です🌸🌸


兵庫県相生市で美肌専門サロン「ラ・ジュネス山手倶楽部」を経営している山下小百合さん。

肌ケアなどに関して、業界団体からさまざまな賞もらっているエステ界では有名なエステシャンで、

彼女がエステをして、肌のトラブルから解放され、人生が変わった人がたくさんいます。

彼女のサロンは、ひとりサロン。

山下さんしかいません。

実績が認められるようになった頃、

「先生、まだ1人?」

といわれることが多くなってきたそうです。

まるで、ひとりサロンは成功ではないというニュアンスがありました。

その背景には、多くのエステサロンがスタッフ数・店舗数を増やして、

売上拡大を第一の目標にするという業界の状況があります。

山下さんは

「私のことを心から信頼してくれるお客様を大切に。

子育てと仕事の両立を目指す」

という考え方でした。

しかし、エステ業界の勉強会に出ると、周囲のパワーに圧倒されて、迷いが出ることもありました。

そんなときに、僕のブログに出会います。

💻📱

原価、人件費、売上、客単価、対前年比と

儲けばかりを考えている有名シェフのお店と、

料理を作ることが大好きで、

お客さまに美味しいといってもらえることに喜びを感じているシェフの店。

あなたは、どちらのレストランで食事がしたいですか?

💻📱


「私は絶対、後者のレストランに行きたい。

もちろん儲けることは重要だけれど、

それは目指しているものとは違う。

私はやっぱり『お客さまを大切に』という自分の道を進もう」。

山下さんはそう考えた。

そして、お客さまに喜んでもらえるよう、発信のしかたから考え直したのです。


エステ業界では

「そろそろ、ご来店いかがですか?」

というDMを出すことがほとんどです。

でも、その売り込みのDMばかり出していると、嫌われますよね。

それよりも毎日、自分のサロンのお客さまが喜んでくれるブログを書くことに専念しました。

お客さまはどんなブログを楽しみにしてくれるのか。

これを意識してブログに書くようになったのです。

その内容は、

「家族・人間関係」「仕事と家庭の両立」「外見」という、

女性の大きな悩み3つを中心にしています。

そうすると、たくさんの人が読んでくれて、サロンに来店してくれるようになりました。

さらに、同業者の女性たち、売上や利益率の世界で苦しんでいるエステサロンのオーナーが、

山下さんの考え方に共感して、彼女のファンになっていたのです。

今では山下さんの考え方や生き方を学びたいという人を集めて「小百合塾」という塾までやっています。


肌のトラブルは、多くの場合、心が原因であること。

売上や利益率ではなく、どうしたらお客さまのストレスを解消できるか、

どうしたらお客様が仕合わせになれるか、といつも考えること。

生き方が美しくなければ、選んでもらえないこと。

塾ではそんなことを、みんなと一緒に勉強して、エステ業界に革命を起こしつつあるのです。

山下さんのお母さんは38歳で他界しています。

乳がんだったそうです。

彼女はそのとき、小学6年生でした。

お母さんは、女性として胸を切りたくなかった。

それで亡くなってしまったといいます。

「女性はいつまでも美しくありたい。

お母さんのその思いを感じ取り、

今のエステの仕事をしている」。

山下さんはこう話してくれました。

世の中の女性がいくつになっても楽美しく、

生きがいのある人生を送ることを実現できるようにしたい。

根底にそんな思いがあるから、山下さんの発信はたくさんの女性から共感を得て、支持されるのです。

相変わらず、ひとりでやっていますが、

今では、

北海道や沖縄からもファンが来店するサロンになりました。


「商品は自分です」。

山下さんが胸を張ってそう語った姿は、本当に美しいものでした。


あなたがどんな思いで今の仕事をやっているのか。

あなたの仕事で世の中に何を提供しているのか。

あなたにとって仕事はどういう意味があるのか。

そして、あなたはどんな人なのか。

個人の思いや思想。

それがこれからの時代、価値になっていくのです。


それを発信することが、ビジネスでも、人生でも、

仕合わせを手に入れる方法なのです。


(「新版 安売りするな!『価値』を売れ」藤村正宏さんより)

今日のおやつ

🌸ビューティ可理子プロデュース🌸②

2017-08-24 12:36:18 | ダイエット
🌸ビューティ可理子プロデュース🌸②


🍀法則を知る🍀

人は、その人が食べている食べ物と同じような姿・形🌸になる。

定食🍱ばかり食べている人は、定食屋🏠が似合う姿・形(すがた・かたち)になる。

ポテチ🍟ばかり食べている人は、ポテチのような、ポテチ🍟が似合う姿形になる。

オリーブオイル🍸をよく摂る人は、オリーブオイル🍸が似合う姿形になる。

健康的なバランスを気にしている人は、健康的な食事が似合う姿形🌸になる。

脳🌀の要求と、身体💁の要求は違うことを分かってくださいね。

脳🌀はけっこう、だまされやすい。

どんだけでも好きな💕ものばかり食べている人は、
どんだけでも好きな💕ものを食べても大丈夫🍀な姿形になる。


体の要求通り、食べたいときに食べて、
食べたくないときは、食べないと、自然🌲な姿形🌸になる。

人は、行動した通りの姿形🌸になる。


要求は、

脳🌀(ストレス⚡️)から出ていますか?

身体💁から出ていますか?


本来の自然🍀な美しき✨を目指し👆ますよ。

姿形🌸は、自然で美しい✨ものには誰もかなわない。

でも
無理は禁物⚠️。

無理は続きません。

まずは、
何でも、とことんやってください。

酒🍶🍺、タバコ🚬、ポテチ🍟、夜遊び😍、揚げ物🍤、炭水化物🍚。

とことんやる。✊

とことん、イヤ😵っていうほどやると、人って、あきるから。

あきると、やめる。😊

それが自然🍀です。

なんでも、一歩👟一歩👞です。
一歩👞一歩👟、進んで行きましょう。

これから、いろいろアドバイス🎵しますが、
やるかやらないかは、もちろん自由🍀です。

できそうなことから、サッ⚡️と、やってみてください。😊🎵

あくまで変化🔄するのは、あなた、ですから。

それと、変化⚡️が出てきたら、人からいろいろ聞かれる👂と思いますが、

目標達成👑するまでは、やっていることを他人に言ってはいけません。🚨

(「秘密🌸」とか「内緒🙅」って言っておいてください。

「秘すれば花🌸」です)


目標達成👑🌟してから、「どうやったの?」って聞かれたら、

いくらでも、しやべって👄🎵いいです。

(目標は自分で決めてくださいね。私に言わなくてもいいですよ。いつか達成したとき教えてください)


それまで(卒業するまで)は、根気よく🌝⛅️、ずっと付き合いますよ。

あと、取り入れたことや、やったことは、自分でノート📖作って、書いとくといいですよ。

(ブログ💻をやって、記録するのもいいかも)

人は、けっこう忘れます☁️からね。

あとから振り返って見るときの、いい資料📕にもなります。


疑問⁉️に思うことや、質問🙋は、そん時そんとき聞いて👂ください。

質問により、夏☀️、冬⛄️で、アドバイス🎵が変わることもありますよ。

身体💃と気候⛅️は、変化🔄しますから。

知ってること📖は、すべて☀️教えます。😊✊

私は、地球🌏から、体脂肪を総合計で1トン減らします。

地球🌏を軽くするために。

そんな感じ😊で、楽しく💕、よろしくお願いしますね。😊🎵


以上。

二回目の豆苗。

感謝してます。

好きなことが価値になる

2017-08-23 08:04:51 | お話
🍀好きなことが価値になる🍀


個性的になるために大事なのは、

自分の好きなことを、常に必死でやることです。

エクスマの塾生たちの多くは、好きなことを大切にしています。

だって、人が1番必死になってやるのは「好きなこと」だから。

自分の感情に嘘をつくことができません。

それが仕事に反映されます。

いかに情熱を持って取り組めるか。

どれだけ熱く語れるか。

夢中になって続けられるか。


孔子の『論語』にこんな言葉があります。

「これを知るものは、これを好む者に如(し)かず。

これを好む者は、これを楽しむものに如(し)かず」

どんな優れた知識を持っている人も、熟練した能力を持っている人も、そのことが大好きだという人には敵わない。

そのことが大好きだという人も、それを楽しんでいる人には敵わない。

そういうことです。

楽しんでできることは、どこまでも続けられます。

勉強も、苦痛じゃないから、さらに詳しく、上手になっていきます。

だから他が真似できない、そういうレベルになっていくのです。

あなたが心の底から楽しめることは何かを考え、

それを必死に、やり尽くすぐらいやってみることです。

ハマるくらいやり尽くしてみることです。

そして、それが価値になるくらいやってみる。

そうすると、発信の量も多くなり、質も高くなるのです。

あなたの好きなことをやり尽くし、それを楽しく発信していくと、共感してくれる人が必ず出てきます。

共感してくれた人が、応援してくれるようになります。

結果、あなたの会社(店)を中心に、お客様とのコミュニティが作り出されます。

これは他の会社(店)が真似できない価値で、商品やサービスが個性化していきます。

個性的になるというのは、あなたの好きなことを仕事に取り入れること。

好きなこととあなたの仕事の融合。

これが個性になって、あなたが選ばれる理由になるのです。

好きなことを仕事に取り入れられないか、考えてみましょう。


(「新版 安売りするな!『価値』を売れ」藤村正宏さんより)

いただきました。



甲州ワイン⑤

2017-08-22 10:31:33 | お話
⑤甲州ワイン


土着のブドウからつくる農家のどぶろく的葡萄酒から、世界標準の本格ワインへ。

その挑戦から、土着ワインのイノベーションという新たな流れが生まれる。

甲州ワインの変遷を紐解くと

「デザインにおけるイノベーションとは何か?」

という本質的な問いが突きつけられる。

ワイン市場において、山梨は圧倒的に後発のプレイヤーだ。

しかも同じ後発組のオーストラリアやニュージランドのように

ワイン専用ブドウを育てるのに適した気候ではない。

普通に考えれば、そこには不利な点しかない。

麻井宇介さんをはじめとする甲州ワイン第二世代は、その弱みを克服するために尽力した。

しかし、旭洋酒をはじめとする第3世代は、致命的と思われた弱みを

「自分たちにしかないオリジナリティ」

に昇華させる道を見出しつつある。


例に鈴木夫婦のつくる、甲州ブドウで醸した白ワインを飲んでほしい。

ソーヴィニヨン・ブランのような鋭い酸味もなければ、

シャルドネのような濃厚さやジューシーさもない。

穏やかな飲みくちのあとに、子供の頃におやつで食べたブドウの懐かしい香りが広がり、

わずか果皮のコクと種の味が後口に残る。

余韻もひたすらに、穏やか、かつ爽やかで、

甲府盆地を吹き抜けていく初夏のそよ風のような味わいだ。

決して強い飲みごたえがあるワインではない。

しかし、この穏やかさと軽快さこそ、甲州ワインのイノベーションだ。

それは何か?

「和食にバッチリ合うワイン」

というイノベーションであるよ。


山梨には、街場のお寿司屋さんで甲州ワインを飲むという不思議な文化がある。

そもそも海がない県なのに寿司屋がやたらいっぱいあるのも不思議なのだが、

そこにビールや日本酒ではなくワイを合わせるというのも、さらに不思議だ。

新鮮なネタが入手しづらい山梨のお寿司は、

美味しく食べるために酢や塩でシメめたり、

甘ダレを塗ったりして工夫する。

そういう一手間かけたお寿司に、甲州ブドウで醸したワインが不思議にマッチする。

とりわけ旭洋酒のような第三世代型のワインとのマリアージュは絶妙すぎて思わず

「おおっ、こんなワインの飲み方もアリなのか…」

と唸ってしまう。

お寿司だけでなく、焼き鳥やモツ煮込みにも甲州ワインはマッチする。

穏やかな酸味とふからみが、和食の甘味・旨味をブーストさせる。

僕もふだんの家の食事は、和食中心なのだが、

肉じゃがでも、さんまの塩焼きでも、ほうれん草のおひたしでも甲州ワインでOK。

実に和食に寄り添ったワインなのであるよ。


甲州ワインは、150年前から根付く地酒の文化だ。

山梨に暮らす老若男女がふだん飲みするのを前提につくられる。

ふだん飲みにあわせるふだんの食事は、

本格フレンチやイタリアンであるわけがない。

ほっこりした和食によく合うワイン、フツーの日本人である僕たちの食卓にふさわしい「食中酒」こそ、

甲州ワインの最大のユニークポイントだ。


本格ワインの追求を経てたどり着いた新世界の甲州ワインには

「三ツ星フレンチレストランのシェフがつくった肉じゃが」

的な面白みがぎゅっと詰まっている。

深みのあ重厚なフルボディのワインにおいて、

本場のフランスやイタリア、あるいはアメリカ大陸のワインには敵わないかもしれない。

しかし本場のクオリティーを知ったうえで、

自分たちにふさわしい新たなモノサシをデザインすることができるかもしれない。


こういう換骨奪胎のテクニックこそ日本の食文化の特徴だと言えないだろうか。

中国から渡ってきたラーメンは、すでに日本独自のカテゴリーになり、

インドから渡ってきたカレーも旨味甘味がインストールされて国民食となり、

イタリアから渡ってきたスパゲティにたらことか明太子とか海苔をまぶして "ZEN" な麺食文化にアレンジしてしまった。

ワインもきっとこれから同じような道をたどるだろう。

近い将来、ラーメンのように海外のグルメ好ががわざわざ山梨まで寿司屋でワインを飲みに来るかもしれない。

後発だからこそ、実は

「新しいモノサシ」

を作れる可能性がある。

これが弱さからイノベーションが生まれる可能性だ。


旭洋酒の直売所のカウンターでおしゃべりをしていると、

いかにもワイン好きの中高年が来ることもあれば、

近所の野良着を着たおじさんおばさんもくるし、僕のような若い美味しいもの好きも来る。

昔ながらの地酒としての評価もワイン通からの評価も高い、不思議な立ち位置のワインだ。

人懐っこいのに、ちゃんと主張がある。

この土地から生まれたという自負があり、

同時に世界標準の本格ワインとの距離をきちんと把握している謙虚さもある。


弱みから個性が生まれることがある。

不足から発想の転換が生まれることがある。

辺境からイノベーションが起きるのには理由がある。

150年かけて、甲州ワインは

「アジア屈指のガラパゴス進化種」

として、世界の舞台に登ることになった。

それがにぎやかしとして終わるのか、

それともワイン界に新たな価値観を根付かせるのか。

歴史と風土を呪縛と捉えるか、

あるいは、イノベーションの起点と捉えるか。

未来は、これからの世代を生きる

僕たち次第だ。


(おわり)

(「発酵文化人類学」小倉ヒラクさんより)

昨日のお昼は、暑かったので、フォーになりました。