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「路線バス運賃 キャッシュバック キャンペーン」(平成28年12月1日~平成29年3月31日)に便乗して、二人は、紀伊山地の奥、日本一広い村、十津川村の"源泉かけ流し"を楽しもうと一昨日出かけてきた。
2月22日(水)
大和八木駅11時45分発の「特急新宮駅」に何と60人ばかりの人達がそのバスを待っていた。当然座れない人達が20人程いて、ええっ!立ったままで4時間のバス移動はさすがにキツイ。心優しい男性が一人のお年寄りに席を譲ろうとされたところ、「いえ 大丈夫です。これは地元の生活路線で慣れていますので。」と言われた。特急バスと言っても高速道路を走るのではなく、いくつかの駅には停車する一日にたった3本の大切な移動手段なのだ。午前9時15分と11時45分と午後1時45分発である。
この人数に運転手さんも驚いて手配されたようで、五条からもう一台臨時が準備されホッとした。落ち着いて沿線風景を楽しめる気分になった。
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この二台のワンマン 大型バス「特急新宮駅」(奈良22 き・2 90)(奈良22 き・2 88)は今月で廃止されるらしい。「それでは八木から新宮まで乗り通しておこう。」というバス好きの人達が偶然にも今日を選ばれたようだった。6時間30分の乗車を覚悟して来られたのである。
それに道中では、走るこのバスにシャッターを切っていた、撮り鉄ならで撮りバスの人の姿があちこちにあった。
奈良交通「八木新宮線」は紀伊半島を縦断するR168号線を八木駅から高田、御所、五条、十津川、熊野本宮を経て新宮駅までの166.9kmを走る。そもそもこの路線は2013年3月1日で運行開始から50周年を迎えたというから、もう54年間活躍しているのだ。
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一般路線であると同時に観光路線でもあり、世界遺産登録資産(小辺路・熊野本宮大社・神倉神社・熊野速玉大社など)へ通じるほか、大塔温泉(五條市)、湯泉地温泉・十津川温泉(十津川村)、湯の峰温泉・川湯温泉・渡瀬温泉(田辺市)などの温泉地を経由するようになっているようだ。
走行距離・時間・停留所数に於いて日本一らしい。
勿論167もある停留所すべてに停まるわけではないが、五條バスセンター、上野地(谷瀬の吊り橋)、十津川温泉(十津川営業所)の3箇所では10分から20分程の休憩があった。
吊り橋が渡りたくなった。初めて渡った時は身体が震えてどうにも不格好でやっとこさ向こう岸へたどり着いたのだった。3回目となると今回は慣れたもので、更に今日は時間制限がありその気になって走って(!?)往復したよ。「20分で往復出来ますか?」「うぅ~ん・・・待っててあげますよ。」優しい運転手さんの言葉に励まされ、見事往復を果たし用足しも済ませ、ご迷惑を掛けずに願いを果たした。嬉しくて感激の停車時間であった。(笑)そうそうこの吊り橋の長さは297.7mでこれも日本一長いそうだ。
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予約旅館のお迎えの車で宿に向かう途中、「野猿」(やえん)の"ゴンドラ"を見た。渓谷に張ったワイヤーロープに取り付けられた箱に乗り、自力で綱を手繰り寄せながらスルスルと渓谷を渡るわけで、スリル満点の自然の遊び場だ。懐かしい!17・18年前のこと北山川の筏下りに行く途中で遊んだのだが、怖くて周りの景色を楽しむ余裕はあまり無かった記憶がある。今となっては楽しい思い出だが。(笑)
午後4時35分に「神湯荘」(かみゆそう)に着いた。いい時間である。
早速下駄をはいて外の露天風呂に行く。かけ流しのいい湯に一人のんびりゆっくりゆっくり浸かっていると、身体の芯までホカホカに温まって極楽気分、「遠路来て良かった!」と思えた。庭を歩いていると、一人の老紳士曰く「いいお湯でしたね。気持ち良かったですか。『美人の湯』、ホント さっきと全然違って美人になられましたよ!」「ホントですか?ありがとうございます。」すっかり気持ち良かったので、そう応えたものの・・・・・よくもまぁ~失礼な誉め言葉に腹も立てず我ながら寛大な対応だったと、苦笑。(笑)
ぷっくりお腹が大きい子持ちアマゴの塩焼き・川マスの刺身、ぼたん鍋、いづれも私には初めての食材で嬉しく、お酒がいっそう美味しかった。少し黄味がかったご飯は温泉で炊いているらしい。美味しい。シンプルで素朴でも満足満足。
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ひと眠りした積もりがよく眠れて目が覚めたのは夜中。外は雨が降っていた。季節が良ければ熊野参詣道小辺路沿いの果無集落(はてなししゅうらく)まで行きたいところ、今回は見合わせるとして思い出作りに新宮まで行って日本一長い路線を制覇しようと考えた。
早起きをして、十津川バスセンターから八木行特急バスで十津川村役場まで6駅戻り、歴史民俗資料館と道の駅と2つばかり神社を廻り、午後1時5分発の新宮行特急バスに乗った。一日3本のバスも利用次第かな。雨はすっかり上がっていたので、歩き回るのに何の支障もなかった。
ひたすら山の中を走るバスは途中から貸し切り状態になって午後3時44分、定刻通り新宮駅に着いた。大型バスを走らせるのは確かにもったいないと思った。(既に昨年11月2日 13時45分に新車が八木駅から出発したそうだ。)
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「やったぁ~!」心の中で大声で叫んでいた私。新宮駅近くに来てやっと家や車や人の動きのある普段の生活圏に戻ってきたよな。ドライバーさんに心からご苦労様と言いたい。八木駅9時15分発で、ココまで交替なしで6時間30分、細い曲がりくねった箇所も多い道をひたすら走って来られたのだ。最後にお願いして記念写真を撮らせていただいた。ありがとうございました。
帰りのJR紀勢線列車の窓から眺める太平洋の景色は想像以上に素晴らしかった。多気駅から近鉄線に乗り換えとなるのだが、折角なので松阪まで行って夕食を済ませ家路についた。こうして気まぐれの一泊二日のバス旅が思い出深いものになったのは2人の健康があってこそ、感謝である。
ちなみにこのキャンペーンを利用させてもらって、バス料金を計算してみると私の場合3400円+560円+2500円=6460円也を無料で乗せてもらった事になる。有り難いキャンペーンだった。
十津川村の源泉かけ流し温泉や世界遺産観光でこの路線がもっと沢山の人達に利用されるといいのになぁと心から思った次第。