クワガタ~スズメバチ等の覚書

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朽木屑を運ぶオレゴンルリクワガタ♂

アマミマルバネ・4-採卵終了

2022-10-15 23:14:59 | アマミマルバネ(徳之島)

アマミマルバネの採卵を終えました。

9月12日から10月15日までの間に掘出しは3回行い

飼育するには十分の卵が採れました。

↓ 左:アマミマルバネ(徳之島産) 右:ヤエヤママルバネ(西表産)

↓ 2022年9月12日採卵開始 メスの羽化後35〜40日

 

今回使用したマットは、マルバネ使いまわしマットに少し赤枯れを混ぜたものです。

マルバネの産卵セットは、マットを詰める詰めないの二通りの方法があるようですが

私は底部5cm程は少しだけ抑えて詰めます。足場の手助けのつもりですが

ほとんど好みの問題。

 

↓ 卵はマット塊からよく出てくる

↓ セット12日後の掘出しでは卵8個 (2022.9.24)

↓ 掘り出し毎に追い掛け

↓ 交尾後のメス攻撃

↓ 2回目の掘り出し 卵24ヶ(2022.10.8)

↓ 掘り出し毎の追い掛け

↓ 交尾後の精嚢排出(かき出し)

↓ 3回目の掘り出し 卵23ヶ(2022.10.15)

 

セットから1ヶ月強、3回の掘り出しで卵は計55ヶ採れました。

マルバネとしては爆産と言えませんが

やはりセットから2週間ほど経過してから卵の数は多くなりました。

今後の管理は、一部はプリンカップに入れ、残りは元の容器に埋め戻し

来年の春には2齢くらいになると思われるのでそのままにしておきます。

 

↓ 親虫死亡確認(2022.10.15)

 


アマミマルバネ・3-個別飼育

2022-03-20 21:04:50 | アマミマルバネ(徳之島)

今日はアマミマルバネの幼虫を個別飼育に切り替えました。

昨秋に16頭のまとめ飼いを開始してから5か月が過ぎ

容器からは2齢後期らしき幼虫が複数見えるようになっていました。

*タイトルに番号のある記事は「カテゴリー」から入ると飼育過程等に繋がります。

 

昨秋の掘り出し

↓ 昨秋 オス親虫 

↓ 母虫

↓ 追い掛けは数回実施

 

↓ 母虫の坑道 この周辺に卵あり 2021年8月14日

↓  二つ重なって出てきた 2021年8月14日

↓ 2021年10月上旬

↓ 16頭まとめ飼い 2021年10月上旬

 

個別飼育

個別飼育に向けて作成しておいたマットは

良く腐食した市販マットに赤枯れをmixしたスタンダードなものです。

アマミマルバネは赤枯れ比率が高いほうが安全と聞きますが

手持ちが限られていたのでやや低めの配合になりました。

 

↓ 事前にマットの作成 赤枯れ約35%

↓ 軽く握って団子が固まる程度に加水

↓ まとめ飼い容器 2齢幼虫が見える

↓ トレイに移す

↓ 成長ステージは終齢手前

↓ 加齢前の掘り出しはさほど怖くない

 

掘出し結果は、当初16頭だったものが12頭になっており

この辺りは他の国産大型マルバネとあまり違いを感じません。

 

↓ 16頭のうち12頭が生存

↓ スペースはあらかじめ確保済 管理温度は23度前後

 

まとめ飼いしていたマットは

何回も使いまわして土状にまで腐食したリサイクルマットです。

個別飼育用に作成したマットとは粒子も異なります。

この先幼虫がうまくなじんでくれるといいのですが・・・

 

↓ 下部の黒い部分は基マット(2ℓブロー容器)

 


アマミマルバネ・2-産卵

2021-07-22 18:39:56 | アマミマルバネ(徳之島)

*カテゴリーから入ると飼育過程等が繋がります。

7月22日、徳之島産アマミマルバネの掘り出しを行いました。

 

↓ 種オス

 

日本の大型マルバネ類は羽化からおおよそ40〜45日ほどで産卵は可能です。

今回のマルバネの場合、交尾そのものはそれより早く済ませました。

 

↓ オス羽化から35日経過、交尾終了

↓ 2回目の交尾で性嚢かき出し(計3回実施)

↓ 交尾後はメスを攻撃する

 

産卵セット

アマミマルバネの採卵は初めてなので

オキナワマルバネの産卵に使用するマットに

念のためシイの赤枯れを15%ほど追加しました。 

水分は多めで、軽く握って水が滲み出るくらいにしました。

 

↓ 赤枯れに加え、蛹室や幼虫時に食べていたマットも混ぜる

↓ 粘度は結構高い

↓ 底部4cmほどは少し押さえて詰め、上層部はふんわりマット

↓ セット完了 2021年6月23日 

↓ 管理温度は23〜25度程度

↓ 最後のメスも6月21日に羽化

 

掘り出し

セットから約1ケ月たちました。

アマミマルバネのブリードは初めてなので不安と期待の掘り出しです。

 

↓ 2021年7月22日 掘り出し直前、マットは当初より沈んでいる

↓ 卵発見!

 

掘り出し結果は卵13ケ

思ったよりかなり少ないです。

やっぱりアママルは難しいのか?

それとも今からなのか?

 

母虫の右前脚符節は飛んでいましたが元気です。

これからは1週間ごとに掘り出しを行い

卵を蓄積できればと思います。

 

↓ 掘り出し結果卵13ケ

↓ 母虫も健在

↓ 種オス

 


アマミマルバネ・1ー羽化

2021-06-11 22:18:26 | アマミマルバネ(徳之島)

2019年2月から趣味の小屋を作り

ほとんどのクワガタをそこで飼育するようになりました。

小屋で飼育するようになってからは

幼虫のステージコントロール(温度管理)がうまくできなくなり

マルバネ類の羽化時期がずれたり

これまでとは異なる時期に羽化したりすることが増えました。

これはよくないということで

年間の温度変化を少し強くし

それまで以上に四季のある管理を意識してきました。

昨年からの温度管理が功を奏したのか

まずまずのタイミングでアマミマルバネの羽化が始まりました。

 

 

2018年の秋に孵化した徳之島産アマミマルバネ6頭のうち

1頭は☆になり、1頭は昨年7月に羽化(オス)してしまいましたが

残りの4頭は3年1化になり、この初夏にすべて羽化を終えそうです。

 

同腹個体を同じ条件で飼育しても

羽化年度が異なることはさほど珍しくありません。

仮に、同じようなことが野外でも起こるなら

2年連続してそれらの子孫が残せ、存続にも影響するものと思います。

また、近親での繁殖を回避できる効果も結果として考えられます。

 

↓ 昨年7月に羽化したアマミマルバネのオス(2年1化)

↓ 複眼縁取りの違い 左:アマミ(50㎜台同上個体)右:オキナワ(50㎜台)

 

マルバネ類やツヤクワガタ類の飼育では

マットにポッカリと空洞ができている場合

この時期なら容器にほんの少しだけ刺激を与えて耳を近づけると

成長ステージをある程度うかがい知ることができます。

蛹の場合はガサガサ音がし

音の聞こえない場合は前蛹か羽化しているか

最悪死亡している可能性もあります。

 

↓ 参考画像:蛹室作成時に作った空洞(オキナワマルバネ)

↓ アマミマルバネ メスの蛹 2021年5月29日

↓ オス 羽化前日 2021年5月28日

⇩ ⇩ ⇩ 翌日羽化 2021年5月29日

⇩ ⇩ ⇩ 羽化から10日後

↓ すでに羽化していた メス 2021年5月29日

 

6月11日現在、1オス2メスが羽化しており

残り1頭はメスで蛹の状態です。

これらのマルバネ類は

羽化から40〜45日ほどすれば大方成熟すると思われるので

うまくいけば7~8月上旬ころには

1オス3メス体制で繁殖できるかもしれません。

アマミマルバネのブリードは初めてなので

この性比はluckyで、安心材料になりました。

 

↓ 最後のメス羽化待ち (6月11日現在)