滋賀のSさんからサキシマアオカナブン(石垣島産)の幼虫が届きました。
サキシマアオカナブンに関する情報は
インターネット・SNS大繁栄の現在においても少なく
野外も飼育も含め、本種がそう身近な種ではないことを知りました。
ほとんど流通しない貴重な種と、貴重な資料を、ありがとうございました。
サキシマアオカナブン
Rhomborhina hamai Nomura ,1964
体長:25.8〜32.5㎜
分布:石垣島、西表島
岡島秀治・荒谷邦雄 監修「日本産コガネムシ上科標準図鑑」によると
サキシマアオカナブンは、国産カナブン最大種で
色彩変異が大きく、7月中旬〜9月上旬に出現し、イタジイやクサギの樹液に集まり
幼虫はイタジイの老木の根元の土中から発見されるそうです。
↓ サキシマアオカナブン飼育個体 左:オス 右:メス(画像提供:滋賀のSさん)
↓ 初2齢幼虫 頭幅は5円玉の穴に入るくらい(今年の夏に生まれた幼虫)
また、サキシマアオカナブンはカビや雑菌などの所謂「真菌」に強くないようで
これは、幼虫時に腹部の大きな中〜小型のクワガタムシ
例えばブルークツヤクワガタやチャイロマルバネなんかにも
同じようなことを私は感じます。
↓ チャイロマルバネの終齢幼虫
↓ ブルークツヤクワガタの終齢幼虫
↓ ボーベリアらしき菌にやられたブルークツヤクワガタ
↓ カチカチ乾燥蛹室がひび割れ 元気に羽化したブルークツヤクワガタ・2022.5.3
頂いたサキシマアオカナブンは、これから様子を見ながらマット追加などしていくのですが
先述の通り、これまで真菌に弱いと感じたクワガタ種と、何か結びつくものがあればと思い
それらの種に通用した汎用性のあるマットを原材料として使ってみます。
低水分、発酵しないマットで真菌対策を・・・
↓ しばらくは大きめpカップでまとめ飼い 管理温度は20度前後
因みに、累代されているSさんによると、親虫は以下のステージをたどったそうです。
「2023年夏期ブリード開始(室内常温管理:冬季20〜25±℃加温)
2024.4.30蛹化〜5.28羽化〜6.16繭玉から脱出」(Sさん資料より)
つまり、条件によっては1年1化もあるということです。
参考文献:岡島秀治・荒谷邦雄 監修, 「日本産コガネムシ上科標準図鑑」.
2012年6月26日. 株式会社学研教育出版.